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2007年12月04日
同一商圏内、塗料販売店が合併 事業領域拡大へ「秀アソシエイツ」
須藤塗料とフジタは拠点を東京・練馬区内に置き、商圏がほとんどダブっているのに加え、両社とも建築汎用塗料の販売が事業の柱といういわば似たもの同士。当然顧客の取り合いや重複している実態があった。
合併にいたるまでには長い模索期間があったことも事実。両社のトップの他、親しいグループ間で現状打破をテーマにした合併話が10年前から出ていたという。しかしここにきて急速に合併の方向に具体的に動いたのは、トップ同士の年齢問題。須藤秀明氏は「お互いに40代半ばになって、事業の長期的な展望を考え、行動できる限界が近づいたと感じていた。この時期に決断しないとあとはチャンスがないと思った」と率直に語る。
今年5月20日に(合併の)覚書に調印、基本契約を交わした。そして9月2日、正式に合併契約に至り、新会社「秀アソシエイツ」が11月1日付で発足した。
代表取締役には須藤秀明氏、専務取締役には藤田秀樹氏が就任した。本社は旧・須藤塗料の拠点に置き、11人体制でスタート。資本金は1,300万円。売上規模は6億7,000万円。
藤田氏は「家業的規模の限界を突破し、企業としてのビジョンを確立した上で事業領域を拡大したかった」と合併を大きなチャンスと捉えている。
マインドの面でトップ同士が意気投合したのは同世代という共通性だけではなく、境遇が似ていたこともある。両トップとも2代目で親が起こした家業を背負うという"宿命"があった。
須藤氏は大学卒業後、大手商社に入社し、中近東を舞台に機械輸出のビジネスで活躍していたが、先代社長が病に倒れやむなく「一時しのぎ的に」引き継ぐことになる。
10数年前に会社に入ってみると、売上は低迷するなど業績は悪化していた。そのためがむしゃらにこれまでの経営を立て直し、安定化することに注力してきた。
一方の藤田氏も経営に携わってきた母親の病というアクシデントで、サラリーマンから家業を引き継ぐというパターン。「サラリーマン時代に比べて雲泥の差。仕事に追われるだけで将来を考える余裕がほとんどない」状態に日々閉塞感を感じていたという。特に仕事に対するやりがいを痛切に求めていた。
そんな両者が似たもの同士として意気があったのは当然の成り行きといえる。事業の将来を話し合ううちに自然と「合併しかない」という方向で一致。合併に伴うデメリットもあるが、将来を一緒に構築していくとの思いが強かった。「仕事に対する中途半端な気持ちをふっきりたい」という須藤氏と「もっと存在感のある企業として価値を高めたい」思いの藤田氏ががっちり手を組むことになった。
「秀アソシエイツ」のビジョンは建築汎用をベースとして工業用分野までを取り込むと同時に、商社機能を充実させ、機械分野への進出を図る。モノの販売ではなく新たな価値を付与するビジネスモデルを創造していきたい意向。「従来の塗料販売にはない、面白さといった要素を加味したい」(藤田氏)と新会社に清新な息吹を吹き込んでいく。
とはいえ両者とも幻想を抱いているわけではない。「テイクオフの当座は1プラス1が2になれば十分。マイナス面も評価しなくてはならない。全体的な効果を上げていくためには経営努力しかない」と両者は共同経営を軌道に乗せることを優先。藤田氏が新規分野を開拓、須藤氏は基盤事業の活性化を図るなど役割分担を明確にしている。
中期的展望としては、「4年後には社長交代も念頭に置く」(須藤氏)とし、従来の塗料販売スタイルにこだわらない工事やコンサルティングなどの要素を導入し、「新しいスタイルを創り上げることが目標」(藤田氏)と将来構想は描かれている。
〈解説〉
塗料販売店を取り巻く状況は厳しさを増している。汎用ユーザーが建築用にしろ自補修にしろ下請け構造に組み込まれ、自立した需要開拓機能を欠如しているため、コスト圧迫をストレートに受ける対他的な業態に甘んじているからだ。この枠組の中ではいくらあがいたところで小さくなるパイの奪い合いしかなく、引いては価格競争のドロ沼に沈むパターンから抜け出せない。
その一方で、塗料・塗装は社会的重要性を増しており、サスティナビリティーの上からも塗料産業の活性化が要請されている。
今回の合併はひとつの事例だが、塗料販売店が自主的な形で新たな役割・機能を創造する動きとして注目されている。(芹沢)
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