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2007年12月20日
自補「使える水性」先行狙う イサム 新型「アクアス」開発
「アクアス」は2002年に上市したが、VOC規制前であったこともあり、一部の先進的なBP、トヨタ自動車の軽補修用として採用されたにとどまり、「大きな流れを作り出すことができなかった」(販売担当者)との実態がある。また性能的にも改善の余地があり、同社は2004年から次世代水性の開発を本格化していた。
開発の目標は「溶剤並みのレベルを目指す」とハードルを高くした。特に水性化の最大の課題である乾燥性の向上に注力。そのため隠ぺい性を上げることで乾燥性のネックをカバーする必要があった。隠ぺい性を改良するためにポリマーからのアプローチとアルミフレーク顔料からのアプローチを進めた。ポリマーに関してはマイクロポリマー技術を駆使し、微粒化のレベルを上げるとともにレオロジーコントロールを精密に行った。アルミフレーク顔料では配行性をよくすることで発色性もアップすることができた。
初期の目標の隠ぺい性を達成、これにより1)塗装回数の低減2)塗料使用量の削減を実現。同社のテストによると、カラーナンバー「トヨタ1C0」はスケするため難塗色だが、ブロック塗装テストを実施したところ、色決め回数から約50%(90%隠ぺいまでは各色2回の塗装回数)を実証した。
またアウターパネル(約78dm2)で塗装検証したケースでは、平米あたりの使用量では現行アクアスが約400gに対し新型アクアスは約250gと約37.5%の使用量削減につながった。
VOCの排出量では、オール溶剤システム(プラサフ、ミラノ2K、コモクリヤー)に対し新型アクアスシステム(ピュアエースプラサフ、新型アクアス、低溶剤クリヤー)は約85%の削減が可能。現行アクアスシステムに比べても約30%削減が見込める。
新型アクアスのVOC含有量は塗装の際に希釈剤「バランサーエコ(ゼロVOC)」で30%希釈し、塗料中のVOC成分の最も多い塗色で試算したところ、420g/リットル以上を確認。EUの規制値をクリアした。国内の塗料メーカーとして初めてエコマークを認証取得した。
その他GHSラベル(化学品の分類及び表示に関する世界調和システム)の表示は不要、臭気は3点比較式臭袋法でテストした結果、臭気濃度は排出口測定で100倍以下、住宅地域で使用しても問題ない数値。
新型アクアスでは「使える水性塗料」をコンセプトとしており、現行アクアスを採用しているユーザーの声は1)水性塗料独自のボカシ作業性(カラー工房での調色再現性はある程度でボカシ可能)2)小面積での対溶剤比較、マスキング性3)小面積での乾燥性では違和感なし4)工場スペースの問題(低飛散・臭気など)に集約し、新旧アクアスを比較検証した。
「トヨタ1C0」アウターパネル(約78dm2)のブロック塗装の比較を実施したが、塗装作業時間は現行アクアス88分12秒に対し新型アクアスは75分54秒とベースコートのみで12分18秒の時間短縮。レバレート1時間8,000円とした場合、時間コストで約1,616円、塗料コストで約867円の差が出て、コスト削減は約38.9%(2,483円)であった。
同社では検証を踏まえ、新型アクアスはスポット補修分野での利便性を訴え、環境面ではエコマーク認定(PRTR対象物質を含まない)、希釈塗料がVOC含有量420g/リットル以下、塗料原色・希釈剤ともに非危険物であることをアピール。10月にスタートした静岡、福岡、大阪のボディーショップでのモニター評価を12月までに完了。再調整し生産を開始する他、来年1月からは塗色データを整備するスケジュール。問題がなければ来年5月の発売を予定。
現在までのモニターBPからの評価は良好で、静岡自動車塗装の担当者は「隠ぺい性が全く違う。従来の半分の感覚でいける。アルミ感は最近の新車に近い。気候にもよるが乾燥性に問題はない」と述べる。実際のBP塗装現場で問題なく塗装できそうなので「早く市場に出してほしい」とコメント。
新型アクアス投入とともに、現在プラサフ、低VOCクリヤー、水性クリヤーの開発を進めており、いずれもEUの自動車補修塗料の規制値をクリアする性能を確保したい方針。「上市はハイソリッドクリヤーを先行させたい」(開発担当者)意向で、来年央までに水性のフル原色、ハイソリッドクリヤーをセットとして商品化していく。
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