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2008年01月08日

企業動向  技術

IH技術を用いた革新的な乾燥方法  電化ファクトリーに向けトピー工業 日ペ、タクボが共同開発  東京電力

塗装工程において乾燥プロセスが大きく変わる様相にある。ホイールの大手トピー工業、日本ペイント及びタクボエンジニアリングが共同開発したIH(Induction Heating=誘導加熱)技術を用いた乾燥方法によって大幅な工程短縮と品質向上が可能になる。従来誘導加熱方式としてはコイルコーティングなど特殊な用途に利用されてきたが、今回東京電力のプロセス・イノベーションとして汎用的な乾燥システムに向けた可能性が見えてきた。

東京電力は製造業のプロセス・イノベーションに向けた『電化ファクトリー』への取り組みをスタートさせた。日本の製造業を取り巻く環境は国際競争力の確保、CO2排出削減を含めた環境問題への対応、資源ナショナリズムの高揚によるエネルギーコストの高騰、更には技術の伝承などさまざまな問題を抱え、製品の高付加価値化、生産の効率化及びコストダウンに取り組んでいる。
今回、東京電力の電化ファクトリーは従来のプロダクトアウト的な発想を脱し、従来のシステムの良いところは取り込みつつ、電気という加工容易な高品質のエネルギー源とそれを活用した技術をマッチングさせながら生産工程を革新していく発想。これによって高付加価値製品を生み出す日本の製造業の競争力維持と地球環境保全に貢献しようというもの。


「最新のヒートポンプ技術やIH技術を生産プロセスに生かすことで高い生産品質、生産効率及び環境問題への対応が可能になる。企業経営と地球環境を考えた新しい発想」と東京電力の担当者。この取り組みは東京電力側にとっても電力の使用用途が広がるとともに、より公益性が高まるとの狙いがある。既に同社はこの11月末にプロセス・イノベーションに向けた「TEPCO電化ファクトリーI2(アイ・スクエア)」を横浜市内の同社技術開発本部内にオープンさせた。


そこにはかねてより開発を進めていたトピー工業、日本ペイント及びタクボエンジニアリングが共同開発したIH塗装乾燥装置が設置され、アルミホイールの塗装・乾燥のデモが行われている。塗装装置はタクボエンジニアリングのスーパースピンドル、塗料は日本ペイントが提供。IH(Induction Heating)を用いることで乾燥工程の大幅短縮と省スペース化、高品質塗膜の確保及びCO2の削減、省エネ化などに加えコストダウンに貢献する技術として早くも注目されている。
IHは誘導加熱として金属溶解やコイルコーティングのプロセスで利用されてきているが、一般的には家電製品で普及した。その原理を鍋で水を温める様子で説明すると、トッププレートの下に加熱コイルと呼ばれるものがあり、加熱コイルに交流電流を流すと加熱コイルを取り巻くように磁力線が発生する。この磁力線が発生すると加熱コイルに最も近い鉄の素材である鍋底にうず電流と呼ばれる電流が流れ、鍋底のうず電流によって鍋底自身が発熱し、水を温め、お湯にするというもの。


この原理を乾燥炉に応用し、加熱コイルに銅線を使い高周波によって磁力線を発生させ素材の金属が熱を発し、塗膜となる内側から硬化していくのでピンホールやワキ、泡の発生が抑えられ、仕上がり品質の向上に結びつく。更にセッティング時間が短縮でき、数分で200℃まで昇温できることから生産性が大幅に高まるといったメリットを有する。
「高温・短時間乾燥(180-230℃・3-5分)によってエネルギーロスを抑え、かつ省スペース化を実現。従来の熱風乾燥を大きく変える革新的な技術」とタクボエンジニアリングの担当者。同社はJou-loの技術として小物を中心にシステム展開していく方向だ。


またIHは従来の熱風乾燥のように被塗物を45-50分かけてオーブンの中を通すのではなく、加熱コイルの下面もしくは側面に被塗物を通すことで硬化・塗膜になるので乾燥のイメージが全く異なる。クッキングヒーターの下を通過させるイメージだ。「塗料、被塗物によって乾燥の温度コントロールと形状に対して均一に熱が発生するようにコイル設計するのがノウハウ」と日本ペイントの担当者。同社ではIH専用の水性塗料及び粉体塗料の開発を進めるとともにエンジニア技術を用いて中型被塗物へのアプリケーションを進めていく。


東京電力では前処理の化成皮膜処理において温水ボイラーに替えヒートポンプを利用することで省エネに結びつくとともに、空調システムでも環境性、省エネ性に優れる『蒸気レス空調システム』を提案していく意向だ。
今回オープンした「TEPCO電化ファクトリーI2(アイ・スクエア)」の構成ゾーンは塗装乾燥、精密過熱、流体殺菌、蒸気レス空調、温水製造、金属加熱・溶解の6ゾーンからなる。


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