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2008年01月15日

マーケット:国内  行政・団体

環境、安全を中心に対応策を報告 第16回塗料産業フォーラム開催

日本塗料工業会は大阪(6日)、東京(14日)の2カ所で「第16回塗料産業フォーラム」を開催した。今回は、安全環境管理、VOC対応、化学物質管理の最新状況が報告された他、景観色における標準体系化への取り組みや世界から見た塗料産業についての報告など新しい企画も盛り込まれた。あいさつに立った小林正受会長は「塗料業界において原料高対応は圧倒的課題。またグローバル化対応、環境対応も大きな課題となっている。塗料産業が発展を続けるためにも本フォーラムで得た知見を社内で活用してほしい」と述べた。講演要旨は下記の通り。

「塗料産業の安全環境管理について」 常務理事・曽我元昭氏
日塗工は平成18年3月1日‐平成19年3月31日を調査期間とした安全・環境管理実績調査を行い、速報値をまとめた。回答会社は78社。
CO2排出量の推移は、塗料・シンナー生産に関るエネルギー消費量を炭酸ガス換算で算出。その結果、2001年度から2005年度まで100トン以上減少。2006年度は上昇したが、2001年度比では35%の削減となった。
エネルギー消費量の推移では、圧倒的に電力消費がウエイトを占め、2006年度は30万KWを超えた。CO2排出量に対する内訳でも電力は半分以上を占めているが、比率は年々減少傾向にある。
産廃物発生量は、2002年度の約14万トンをピークに減少し、2006年度は約9万トンと5万トン減少した。ただ2005年度比では微減となり、底打ち感も見られる。エネルギー消費量、産廃量などは需要要因に大きく影響される。
労働災害状況に関しては、2005年度に引き続き、2006年度も1件の死亡事故が発生したため、労働損失日数が8,000日と高い数値となった。不休災害も120件を超えた。

「塗料産業のVOC排出規制対応について」 技術部長・堀部恭一氏
改正大気汚染防止法では、平成22年度までに平成12年度比でVOC排出量30%の削減を目標としている。日塗工も自主管理取組を策定し、平成18年度に平成15年度比で30%、平成20年までに50%の削減を目標としている。しかしながら、塗料のVOC排出量は平成15年度から微減傾向と目標達成は厳しい現状にある。
分野別における低VOC塗料比率の推移を見ると、既に水系化率、無溶剤化率の高い建築、路面標示分野は横ばい傾向。建築資材、構造物、船舶、自動車新車、自補修、木工製品は増加傾向にあり、着実に環境対応が進められていることが分かる。しかし、溶剤化率の高い電気機械、金属製品は横ばい傾向となっており、塗装系移管の難しさを露呈した。
VOC削減の手法として堀部氏は「塗着効率、塗装系の変更、設備対応が効果的」と指摘した。


 

「『JPMA景観色標準体系 低彩度色編』について」 色彩アドバイザー・北畠耀氏(文化女子大学名誉教授)
2004年の景観緑三法の施行により、地域景観条例の制定が全国的に波及しており、11月現在で約300の自治体が色彩基準を採用している。いずれの色彩基準もマンセル値を採用。低彩度色の色票の体系化が未整備であり、日塗工は「景観色標準体系」を近日刊行する。
編集方針と選色方法は、1)景観、建築、室内系で必要な低彩度領域を網羅する2)色票チャートは選色に好適な等彩度面で構成する3)マンセル、JIS色票、日塗工標準色と整合性を保つなど10項目を策定。中でも景観条例の中には「光沢のないもの」との指定が盛り込まれている例もあり、「光沢のあるもの」「光沢のないもの」との境界を鏡面光沢度40%以下、およそ4分ツヤの塗料を光沢のないツヤ消しにする。

「世界から見た日本の塗料産業」 BASFコーティングス Dr.Guiscard Glueck氏
塗料市場は世界トップ規模にありながら、バブル崩壊以降塗料生産は進展していない。世界の競争力指標では、ビジネスの洗練性、イノベーションに対してはトップレベルにある一方、税制、非効率な官僚制度、税率、労働制限規定などが国内のビジネス上の障壁となっている。また将来的な不安要因として日本の工学部を専攻している学生が減少しており、将来的に技能資格者が不足するのではとの見方を示す。
その一方で、現在のR&Dの設立先はアメリカ、イギリス、中国、フランスに次ぐ5位だが、将来的な設立希望先として、中国、アメリカ、インド、日本と4位に躍進。中国に近接していることによる日本市場の活性化にも期待感を見せる。
技術的な対応では、「日本で使う場合は配合を変更しなければならない」と日本の気候条件をシビアに捉える。

「塗料業界の化学物質管理の現状と今後について」 製品安全部長・和田英男氏
2006年に改正労働安全衛生法が施行されたが、事業規模によってMSDSの活用に違いが見られた。売上高100億円以上の企業の61%が「MSDSを積極的に活用している」のに対し、10億円以下の企業は22%。反対に「活用していない」は100億円以上企業の3%に対し、43%となった。「活用しなければ、健康障害などを起こす可能性が高い」と警戒感を示した。 
今後の化学物質関連の法改正の動向としては、労働安全衛生法でホルムアルデヒドの規制強化を盛り込んだ改正法を2008年3月に施行予定。またEU域内のメーカー及び輸入者を対象としたREACHは、今年6月に施行され、来年6月からは既存物質の予備登録が開始する。
日塗工としては年明け早々に講習会を開催する予定。また塗料メーカーの準備事項として、1)欧州に直接輸出している製品量の把握と間接輸出量の推測2)輸出製品の把握3)経営上の判断(販売戦略・顧客戦略・経済性)4)サプライヤーの窓口明確化とREACH登録予定確認と協力依頼5)顧客の方針の把握、継続の場合は用途確認必要6)登録準備の必要性などを示した。


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