ニュース
2008年03月03日
水性ベースコートを先行導入、環境配慮技術で差別化へ よろず自動車
東京都足立区を拠点とする「よろず自動車」(代表取締役・市川松二氏)は、独立系BPとしては珍しく水性ベースコートをフルセットで導入している。VOC規制など高まる環境意識から、先進的な取り組みで他社との差別化を狙う。
同社は一般顧客を対象に板金、塗装、車検、整備などを手掛けている。現在の入庫台数は月間20台ほどで「人数的にもこなすのにちょうど良い台数」(市川社長)。
使用している塗料はデュポンのスタンドックス。「塗装は下地が大切。その点スタンドックスは下地からマニュアルがあるので仕上がりも良い。締りや硬度、ツヤの感じも優れている」との理由からだ。
同社が水性ベースコート「スタンドハイド」を本格導入したのは昨年の9月。環境配慮と他社との差別化を図るために導入を決めた。「ディーラーの内製工場よりも良い仕事をしているという自負がある。環境面でも差別化を図りたかった」と市川社長。また、地理的にも同社が位置するのは住宅地のため周辺に対し配慮する必要があった。
水性塗料導入の後押しとなったのが助成金制度だ。知り合いから教えてもらったという足立区環境基金助成制度は、環境に配慮した取り組みを行う事業者に対して助成金が交付されるというもの。もともと、市川社長は助成金制度に関係なく水性塗料は導入するつもりだったが、目的が適合するためその制度に申請した。
書類審査の後、一般区民や区議会議員、区役所員20人くらいの前でプレゼンをした。100件以上の申請があり、プレゼンに残ったのは4件、その結果同社が対象として決定された。塗料や乾燥機器、洗浄器、調色室など水性塗料を導入する際にかかる費用約300万円の半分が助成金で賄えた。
水性ベースコートを導入するにあたり、原色フルセットで揃えた。独立系BPだとカーメーカーや色など入庫車の種類はまちまちなため特定の色のみを購入しても効率が良くないという。現在は水性ベースコートにハイソリッドクリヤー仕様中心。
今のところ、水性塗料と溶剤塗料で半々の割合で作業を行っている。水性塗料の場合、作業の慣れや乾燥時間が遅いこともあり、調色から計算すると従来の溶剤塗料のときと比べ、倍以上の時間がかかってしまう。そのため処理台数から水性塗料と溶剤塗料の配分を考えて作業に当たっている。「水性塗料の場合、風を当てて乾かすためどうしてもゴミがついてしまうことがあったり、塗ったときに弾く感じがあり、クセを身に付ける技術がいくつかある」(市川社長)という。
また、水性塗料の場合、品質保証期限が短いためストックを置きづらいという面がある。「使用量が増えれば違ってくると思うが、今はぎりぎりまで使い切ってから発注している。しかし、発注から納品までに2‐3日かかるのでタイムロスを計算しないといけない」。
現状は工場内でオープンに塗料を保管しているが、近々冷暖房を完備した調色室を手作りで設置する予定だ。
市川社長は「環境に良いことをするにはお金がかかるが、それは必要なこと。環境配慮をアピールして事業展開に生かしていく。それには塗料メーカーの協力も必要だと感じる。一緒になってチャレンジしていきたい」と意気込む。
★★★★★ニュースランキング
※1日一回データルームページで集計結果が更新されます。