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2008年04月11日

企業動向

ビル外装、粉体仕様本格始動 アルミカーテンウォール3,000m2で採用

ビル外装の主要をなすアルミカーテンウォールで粉体塗装の採用が本格化してきた。国内有数の大手デベロッパーが今年秋の竣工予定で建設を進めている(仮称)仙台一番町計画の中高層ビル(施工:鹿島建設)で、アルミカーテンウォールなど約3,000m2に高耐候性ポリエステル粉体塗装が採用された。一物件でのボリュームに加え、ビル外装での本格的な採用の動きとして注目が集まっている。

(仮称)仙台一番町計画は仙台駅周辺の再開発プロジェクトの一環で目抜き通りに建設中の16階建て・ガラスカーテンウォールの中高層ビル。サッシの塗装に関しては当初、ファインマットでスペックされていたが、鹿島側が粉体塗装を提案。三菱地所設計のコンセンサスを得て本格採用になったもの。
ポイントとなったのは意匠性。タイガードライラックのシルバーメタリックを提案したところ、設計サイドの要望に合致し一気に採用に傾いた。「曇天ではグレーに見え、好天の日はメタリックのシルバーがエレガントに輝く、意匠的な面白さを引き出したビルに仕上がっている」(鹿島建設建築管理本部・野平修氏)とコメント。
塗装に関しては今回、カーテンウォール供給元のトステム及び昭和鋼機がそれぞれ、タイと中国の関連工場で行った。技術者同士で色合わせ、肌合わせを入念にチェックし遠隔地のデメリットをクリア。「コスト的な制約もあり、今回は前処理をクロメート化成皮膜処理とし、その上に高耐候性ポリエステル粉体塗料による1回仕上げ。現地でアッセンブル、ユニット化して現場に搬入、工期短縮とともにVE的にも寄与した」(同)と説明する。


またいずれの工場もタイガードライラックの認定工場であることから、15年保証を付与し品質を担保した。タイガードライラックとしても同社の拠点のある中国、タイ、日本にまたがるグローバルプロジェクトの第1号案件として位置づけ、評価が高い。
鹿島では2年ほど前より、環境対応面から従来の溶剤型焼付フッ素塗装に加えてアルミカーテンウォールの粉体塗装の適用を積極的に推進しており、建設物件ではこれまで、神奈川工科大学、豊田市体育館、城南建設ビルなどの実績がある。いずれもトライアル的な側面もあり、低層階など部分的な使用にとどめていたが、それらの評価がいずれも満足できることから、今回ビル建設での本格的な導入に動いた。

鹿島建設建築管理本部 野平修氏に聞く
20080402-1-1.JPG

メタル系建材の粉体塗装化を進めていますが。

カーテンウォールなどメタル系建材はフッ素の焼付塗装が主流であったが、VOCの放散など環境への負荷が問題として高まっている。環境規制の厳しい欧州では既に、超高層ビルの外装で高耐候性ポリエステル粉体塗装が多用されており、グローバルな視点からも主流になりつつある。国内においても建築からの環境対応策として、粉体塗装のポテンシャルは高い。今回、設計事務所の方のコンセンサスが得られたのも、こうした側面への理解が大きいと思う。


性能評価に関しては。

もちろん、それと平行して性能を明示していくことも重要だ。当社では建築の分野で指標とするAAMA(American Architectual Manifacuturers Association)の規格に準拠して評価を進めている。促進試験における耐塩水噴霧性でフッ素系の該当規格(AAMA2605‐05)が4,000時間、高耐候性ポリエステル粉体塗装(同2604‐05)が3,000時間要求されているが、日本のクライアントの気質としてその先への要望もあり、当社では現在5,000時間継続して検証している。満足な結果が得られており、実用に関しては何ら問題ない。


また1コート1ベークで強靭な厚膜が得られるのも利点。他の塗料で同等の膜厚を確保するには何層も塗り重ねる必要があり、エネルギーを多用することに加え、層間剥離の心配もある。また塗膜が緻密なため、耐汚染性が期待できる。以前BMW本社を訪ねたとき、塗装後十数年ノーメンテナンスでさすがにうっすらと汚れていたが、ハンカチで乾拭きしたところ、たちどころに竣工当時の白さが蘇った。フッ素塗装では難しいだろう。


今回は意匠面でのポイントが高かったようですね。

粉体塗装の優位な点はデザインの自由度にある。フッ素がモノトーン基調のフラットな仕上がりであるのに対し、粉体は色相が豊富で凹凸などのテクスチャーを付与することも可能。メタリックに関してもフッ素のクールな感じに比べ、豪華さを醸し出せ、今回の案件のように表情の変化を楽しめる。こうした自由度から石やタイルなど異種素材との取り合いでもバランスが取りやすく、設計の受けが非常に良い。


今後の見方は。

環境対応、性能レベル、意匠面の優位性など総合的な評価から、今後建築での使用が本格化してくると見ている。それに伴い、サッシメーカー、塗装工場などの動きが活発化してくると思われるが、フッ素においてもそううであったように、建築分野が指標としてきたAAMAを基準に評価をしていきたい。

デザインバランスが良い 鹿島建設建築設計本部 中江哲氏
「神奈川工科大学1期工事(06年3月竣工)の1‐2階のカーテンウォール及び内部の建具枠で粉体塗装を採用。当初アルマイト仕上げ仕様としていたが、木・アルミ複合サッシや木製建具などとの取り合いでデザイン的なバランスが取りやすく粉体塗装仕様とした。設計の立場からすると、フリーハンド性への評価が高い。同大学では2期工事でも同様にスペックする。また東大のアントレプレナープラザではアルミダイキャストのルーバー約500m2に粉体クリヤーを採用。複雑形状素材への付きまわり性などを確認することができ、設計の幅が広がる」(談)


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