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2008年04月08日

マーケット:国内

メーカー収益確保の正念場 値上げラッシュ 背景に前回積み残し分の吸収

大手をはじめ各メーカーの一部は昨年7月以来の大幅な値上げに踏み切る。大手メーカーが4月からの製品価格改定を打ち出している他、中堅・中小メーカーも4月中の値上げを決定している。こうした背景には原油への投機資金の流入が続き、ナフサから派生する石油系原材料の高騰が続いているのに加え、容器コストから物流コストにまでコストアップが波及し「収益の圧迫への圧力が続いている」(大手メーカー)からだ。本紙が調査したところによると、まだ値上げを打ち出していないメーカーでも4月をめどに値上げ姿勢を固めるケースが目立ち、値上げがまだら模様であった建築外装もマーケットリーダーであるエスケー化研が溶剤系塗料の値上げを決定するなど、価格是正は切実さを増している。
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塗料原材料は高止まり状況から再び上昇する傾向を見せている。原油のスポット価格が100ドルを突破し高値圏上にあり、そこから派生する化学品価格に時間差で影響を及ぼす。一時的に価格が軟化することがあっても新興国での需要は旺盛なので、大幅に値下がりする気配は今のところない。 塗料メーカーの中間期決算は軒並み原材料の高騰が収益を圧迫していることを明確に示し、各メーカーは収益見込みの下方修正を迫られるケースが続出。メーカーのトップは「事実上収益が丸ごと吹き飛ぶくらいの実感を持つ」と危機感をあらわにする。

塗料値上げは昨年6‐7月にかけて打ち出されたが、価格改定の浸透はほとんどなかった。これは塗料平均キロ単価の動向を見てもうかがえる。7月の時点の平均キロ単価は369円であったが、12月になっても373円にとどまっており、平均値上がり率は1.0%に過ぎない。 従って今回の値上げ攻勢は積み残した分を含めた価格是正との意味合いが強く「ここできちんと浸透させないと来期の事業基盤が崩れる」(某メーカーの営業企画担当者)とのスタンス。まさに正念場と踏んでいる。 しかし市場別に分析すると、OEM性の強い分野では転嫁率が低い実態がある。大口ユーザーとの値上げ交渉は、事実上門前払いに近い状況。汎用工業用の分野については一部浸透も見られるが、需要が低迷している関係で上げ足は弱い。

汎用分野は自動車補修の値上げに関しては浸透度が高いのに対し、建築汎用や防食用は「ほとんど浸透していない」(関係者)との実態がある。建築用は市況が軟化し、「値上げできる状況にない」(塗料ディーラー)との声が強い。一部製品を値上げしても、他の製品で値崩れを起こし、結局相殺され値上げ効果ゼロというケースも目立つ。「メーカーも値上げを打ち出してシェアが低下することを恐れ、なかなか貫徹しない」(同)との指摘も。 しかし4月からの値上げの背景はこれまでとは大きく異なる要素がある。塗料原材料に加え、容器や流通のコストが大幅に上昇し、石油缶は鋼板の値上がりから1缶50‐80円のアップが見込まれている。また積み残し分がメーカー収益を圧迫する水準は限界を突破し、中小メーカーでコスト吸収余力のないメーカーは陥没の危機にある。

販売する塗料ディーラーのジレンマは深まっている。「一方的に値上げを押し付けてくる。最近は値上げの1週間前にファックスで通達してくるだけのところもある。これではユーザーに理解してもらうための交渉の余裕がない」と嘆く。値上げラッシュの中でディーラー各社は在庫圧縮や扱い製品の統合など手を打ってきたが、値上げの未転嫁分をかぶるなど深刻な状況に置かれている。「もうなりふりかまっていられない」というが、値上げは売掛金回収の不安を増幅させている。

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