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2008年06月02日
トウペ、無機塗料戦略を発動 樹脂からの一貫生産体制へ
同社はこれまで無機・有機のハイブリッド樹脂塗料「ポーセリン」を上市、建材向けなどに販売してきた実績を有する。大阪有機化学工業の無機ベースを採用し、塗料化においては民間シンクタンクと共同研究を行うなど、長年の技術蓄積を有する。
現在のところ無機塗料は、コスト、施工性の面から一部での採用に限られているのが現状。とはいえ環境対応型への移行、高機能性に対するニーズが高まっていることから今後更に無機塗料の需要が増大すると予想。大阪有機化学工業の無機合成技術と自社の塗料化技術を融合させることで、より機能性の高い無機塗料の開発ができると判断し、今回の事業移管の実現に至った。譲渡額は明らかにしていない。
無機塗料の主成分となるシリカ(SiO2)やアルミナ(Al2O3)は天然に存在し、結合力が強く、化合物としても高い安定性を持つ。また光や熱によって分解されにくく、耐久性も高いことから、これらの原料特性を有した変性シリカ系樹脂を塗料主成分とすることで、耐候性、高硬度、耐汚染性、耐食性、不燃性など機能面に優れており、また鉄や非鉄金属などに対しても高い付着性を持つなど塗料物性面での評価は高い。
その反面無機塗料は高硬度の塗膜を形成するが、脆く、割れやすい欠点を有するのも事実。また施工性・作業性にも難があり、そのため塗料化には合成樹脂と複合化させることで、性能面、作業面、コスト面でのバランスを図るのが一般的となっている。
その中で同社が指向するのは本物の無機塗料の開発。無機成分の特性を生かすため、有機系樹脂の配合を限りなく抑えた無機成分コンテントの多い無機系塗料で差別化を図る姿勢を明確にしている。担当者によると「技術レベルでは6~9Hの高硬度塗膜の形成を実現した」(担当者)としており、特に付着性においては、鉄や非鉄金属に対し、プライマーなしで塗装できる特長を有する。エナメルとともにクリヤータイプも実現。そのためステンレスなどにも素材感を損なわずに機能付与を目的としたクリヤー仕上げが可能になることから、素材そのものの用途拡大に寄与する。まず第1弾として熱硬化型無機系樹脂塗料を投入し、カーテンウォールなどの建材分野向けに販売していくとしているが、今後の用途拡大を期待する。
また現在180℃以上の硬化温度の更なる低減並びに施工性の改善などの技術的課題においても、今回の事業譲受により大阪有機化学工業から技術責任者が移籍するなど、合成技術から塗料化までの双方の技術の融合が図れるとともに、アプリケーションからの開発が可能で、開発スピードが一層速まると予想される。
同社としては、耐候性、耐汚染性、硬度などフッ素を凌ぐ性能を持つ無機塗料の特性を武器に、アルミ建材や金属外装材、窯業建材などへの用途展開を図っていく意向。また水系化、常温硬化タイプの開発も着手しており、実現すれば建築用、防食用、コンクリート建材向けなど、環境対応型新規機能性塗料として無機塗料の地位を固める。
また販売面においてもこれまで大阪有機化学工業ブランドの無機系塗料「スカイミック」の商標及び顧客をそのまま継承し、また製造販売も継続していくことから、同社の顧客との相乗効果を図っていく。
竣工式の席で植松社長は「無機塗料の市場が伸びている。このたび大阪有機化学工業様から無機ベースの他、製造技術、ノウハウ、営業手法などの移管を受けた。更に需要を増大すべく、現在抱えている課題を克服し、拡大させていきたい」とあいさつ。また大阪有機化学工業の常務取締役上林氏は「トウペ様とは原料を供給する立場として長年の協力関係にある。今回の事業移管において、技術、販売に関して議論を交した。定評高い塗料技術の強みを生かし、世界的に無機塗料の需要が増大することを望んでいる」と述べた。
同社は平成22年度3月期までの3カ年で売上高190億円、経常利益4億円の達成を目標とした"target21"と称する中期経営計画をスタート。塗料事業で毎年5%程度の売上成長のバネとして、今回の無機塗料の事業を位置付けている。
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