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2008年06月24日

マーケット:国内

地域密着による売る仕組み作り 販売店向けマーケティングセミナーを開催

本紙主催「塗料販売店のためのマーケティングセミナー」を5月21日、東京八重洲ホールで開催した。リフォーム市場に多種多様な職種が参入してきている中で、阿部守氏(MABコンサルティング)による「市場創造に向けた戦略マーケティング論」と古畑秀幸氏(ニューライフ・アカデミー)による「地域密着のダイレクトマーケティングの手法」の2つのセミナーから販売店による需要創造の可能性を探った。

売る仕組みをつくる、トータル的な視点が重要 阿部守氏

今はいろんな事業者が窓口となってリフォーム業界に参入しています。大工・工務店、リフォーム専業者、住宅メーカー、設計事務所、内装・インテリア会社、専門工事店、建材販売店など多種多様な事業者がある中で、消費者から見ると誰に頼んでよいのか分らないというのが現状です。リフォームを考えている消費者が関心のあることは何か。相談されることは2つです。1つはどこに頼めば良いのか、もう1つはこの金額は適切なのか、ということです。そこを踏まえていかに的確にアプローチしていくかが大切です。


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阿部守氏

戦略マーケティング論に関してですが、戦略と戦術は『車の両輪』です。つまり片方だけでは意味がないということです。戦略がなければ相手の都合による仕事になり忙しくても儲からないといった状況になってしまいます。


戦略とは企業戦略、事業戦略、商品戦略などがありますが、長期的な展望に立ってどういうことをやっていくかということです。何を誰に、社内的にはどのような体制で、ターゲットとプロセスを考えながら進める必要があります。一方、戦術とは具体的にもっと細かい、営業トークや販促ツールなど短期的な効果を望むものです。戦略に合わせた戦術がセットになって初めて効果が現れてきます。一度改めてトータル的に見直してみると良いでしょう。


マーケティングチェック項目を挙げて考えてみると「扱っている商品は何か」「商品の機能・特典は何か」「ターゲット、市場はどこか」「顧客像のイメージは」「なぜ、顧客はあなたから買うのか」「メッセージを伝えているか」などがあります。単発ではなくトータルで考えることが重要で、それぞれが整合性をもって連動することが大切です。


マーケティングとは売ることではなく売る仕組みを作ること。マーケティング戦略を立てて実行することによって自分の市場を作っていくことになります。自社または工務店さん、施工業者さんを通じて何を提供していくのか。そのときに競合を考えて差別化して具体的な方法を実行していく流れがマーケティングの手順です。


具体的な考え方としてチャネル(Place)を見てみると、塗料メーカー→販売店→塗装工事店→工務店→消費者という流れの中で最適なチャネルを考えることが必要です。塗装工事店から直接消費者へのアプローチを支援したり、販売店さんが直接消費者へアプローチしたりすることもあるはずです。


明日から始める具体策としては(1)市場と自社の分析を行い方向性を決める(2)消費者の不安と不満を解消するという観点でのマーケティングの方向性(戦略)を決める(3)具体的な方策を決め、次に成功・失敗事例を分析して事業を進めることが大切です。

消費者ニーズの見極め、住宅資産価値がキーワード 古畑秀幸氏

リフォーム業界で成功するには、地元密着でいかに住宅にお金をかける施主さんを見つけて、その方に価値観のある提案ができるかにつきると思います。そして、工務店や多能工による塗替え市場への参入が進む中で、戸建住宅分野における塗替えだけの元請は困難になります。困難という意味は、そういう仕事が取りにくくなる、それを取っても単価が安くなるので結局上手くいかないという意味です。


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古畑秀幸氏

戸建住宅の元請で成功するためにはまず塗替えを脱皮してください。つまり塗替えも含めた外装リフォームに広げることです。次に外壁デザインリフォームを行う必要があります。塗装にこだわらずに視覚に訴えた提案です。そして、半径3km以内のお客さんを大切にしていくことです。やはり消費者からすれば近いことが安心になります。


住宅リフォームで今後絶対に外せないことは『資産価値の向上』です。そのため塗装の場合は塗膜診断・劣化診断が完璧にできることが求められます。足場がかかっているときしか高い場所の診断はできないので、そのときを有効活用してトータルに外部の科学的な診断ができる能力が差別化になります。そして、診断したらその履歴書をデジタル化して残して施主さんにも渡す。そうすれば施主さんも感激します。


塗替えから外壁デザインリフォームに広げ、その後スケルトン(躯体)リフォームを行うことが重要です。そうすることで「200年住宅新法」に対応したスケルトン(躯体)とインフィル(内装・設備)を分けた維持メンテナンスが可能になります。ここで初めて本当の意味での住宅資産価値の向上と言えます。塗替えの基準・業界ルールを作っていく必要があります。

講師プロフィール

◇阿部守氏:MABコンサルティング代表。一級建築士、中小企業診断士。建設業経営支援アドバイザーとして各地で講演会を開催。特にTOC(制約理論)を用いた企業の問題解決に大きな業績がある。著書に「最新住宅業界の動向とカラクリがよ~くわかる本」「建設業界の動向とカラクリがよ~くわかる本」などがある。


◇古畑秀幸氏:ニューライフ・アカデミー代表。ニチハ、旭硝子に勤め26年間窯業サイディング材の営業・商品開発を行う。塗料・タイルメーカーのアドバイザーの他、さまざまなリフォーム支援事業に関る。今年、NLA友の会を立ち上げ、住宅の資産価値向上にむけた取り組みを進めている。


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