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2008年07月14日
大橋化学、日米欧3極を再編 米国・新パートナーと提携
大橋化学工業は2006年1月、米国・ユナイテッドペイントとフランスに本拠を置くメイダーの3社間で「UMO(ユーモ)」を設立し、3極体制を確立。しかし昨年7月にユナイテッド社がドイツのシュラムグループとの提携で脱落したため、代替メーカーを探していた。
数社の候補メーカーの中から、企業規模や拠点の配備状況を考慮し、ニューヨークに本社を置くスプレイラット社との提携を決定。同社はニューヨークの他、シカゴ、ロサンジェルスに生産拠点を有し、R&Dセンターはロサンジェルスに置く。1936年創立の塗料メーカーで自動車用プラスチック塗料事業をひとつの柱とし、年間売上は約140億円。
3社間提携「ACWA(アクワ)=Automotive Coatings Worldwide Alliance」は5月20日付で締結、契約のベースは日系自動車メーカーへのプラスチック用塗料供給で協力していく内容。基本的にはUMO社で盛り込まれた内容と変わらない。大橋化学がホンダから承認(アプルーバル)を受けたプラスチック用塗料をスプレイラット社が北米のホンダの自動車工場に供給していく。
欧州については、昨年からメイダー社のドイツ・ニュールンベルク近郊の生産拠点から日系自動車部品メーカーなどへの供給が始まっており、東欧からロシアまでをカバーしていく形ができあがっている。
メイダー社は年間売上が約300億円規模の塗料メーカーで、売上の約90%は鉄道車両用に特化。鉄道車両用では欧州でトップクラス。残り10%ほどをプラスチック用塗料が占める。
同社の生産拠点はフランス国内の他、スペイン、ベルギー、スイス、ドイツなど9拠点を有しており、欧州全域をカバーする。
3社間のグローバル提携を受け、7月には技術ミーティングを開き、3社間の具体的な協力関係を詰めていく。「当社も技術を開示し、オープンな形で提携を進めることで相互信頼関係を築いていきたい」(大橋社長)とグローバルパートナーに向け調整を進める意向を示す。
上海拠点が竣工
大橋化学工業はこのほど上海に拠点を構築し、これで中国国内の3拠点化を完了。上海などのエリアに対しては既存の青島、東莞の拠点からデリバリーし対応していたが、物流コストに加え品質保持の上でも課題があった。
上海の拠点は生産設備を導入し需要に対応するのに加え、当面は調色やサンプル作成などのサービス機能によるユーザー支援に注力していく方針。「ユーザーの求めるスピーディーなサービスができるようになることを期待している」と大橋社長。
同社は日系企業への供給が海外展開のスタンスで、現地企業へのマーケット対応はしない方針。「リスクがあるばかりでなく、日系企業の求めるグローバル品質を維持していく方を優先させたい」との考えだ。
<解説>
米国のユナイテッドペイントが昨年3社連携から脱落し、ドイツのシュラムグループ傘下に移った背景には、ドイツのカーメーカーのプラスチック用塗料供給に食指が動いたためと見られている。シュラムグループはカシューと連携関係にあり、ユナイテッドとカシューの関係が生まれたことになる。
ユナイテッドペイントにしてもスプレイラットにしてもオーナー企業で、「日本のオーナー企業の経営感覚とあまり変わらない」(大橋社長)ため、今回のように一方的に提携関係を解消するリスクが付きまとう。
大橋社長としては信頼関係を強固なものにするため、両社トップ同士の親交を深めたい意向で、技術開示に踏み切るなどオープンな形での提携関係を進めた。
大橋化学工業は3極再編によって世界供給体制が改めて確立したことを受け、自動車プラスチック用塗料のグローバル展開を加速していく。同社の前3月期の売上は海外を含めて約95億円。プラスチック用塗料のうち約50%が自動車用向け。
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