Last Updated: 2009年7月 3日 02:23  RSS 2.0
キーワードを入力してサイト内のニュースを検索できます。

ニュース

2008年07月11日

マーケット:国内

ワックスメンテへの"不満"を解消 現場施工UV、住宅分野で広がる

現場施工型UVコーティングシステム(以下、現場UV)の動きが活発化してきた。主戦場は新築住宅におけるフローリングのオプションコーティング。従来から行われてきたワックスメンテナンスに対する居住者の"不満"を取り除くかたちで需要を創出、市場に根付き始めた。

今から十数年前、現場UVが広がる気配を見せた時期があった。当時の主な需要先は店舗など商業施設床のメンテナンス。従来ワックスで行われていた床メンテナンスに対し、ハードでキズや汚れに強い膜が得られ、しかも閉店から翌日の開店までのわずかな時間に実施できるとし、UVコーティングの特性を前面に需要を開発。しかしベンチャー的な業態による拙速なフランチャイジー化など施工技術や品質が伴わずクレームが多発、結果的に市場に根付かなかったという経緯がある。

それに対して、ここ2‐3年盛り上がりを見せるのは住宅の床をターゲットとしたUVコーティング。マンションや戸建てなど新築住宅の入居前に行われるオプションコーティングがメインだ。ディベロッパーやハウスメーカーなど住宅供給者がオプションメニューとして床コーティングを用意。種類は常乾の水性ウレタンとUVが主流だが、物性などの面でUVコーティングの採用比率が高まっている。

今や住宅の床は木製などフローリングが圧倒的な面積を占める。通常、引渡し前に"サービスワックス"が施されるが、このワックスに対して施主の"不満"が多い。サービスに対してではなく、メンテナンスに対しての"不満"だ。キズ対策や美観保持などワックスの目的は分かるが、年に数回のワックスがけは面倒くさい。しかも乾燥不良や艶ムラなど素人には案外難しい。またうっすらと付いた汚れがワックスがけのたびに積層し美観を損傷、最終的には剥離につながる。

こうした背景もあり"ワックス不要のコーティング"は主婦の支持を得やすく、オプションといえども採用率が高い。「感覚としてマンションでは入居者の20%ほど、10‐20棟規模の戸建て分譲では全棟受注といったケースも増えている。需要期は施工の手が足りない」(施工会社)ほど。一方の住宅供給側も販売価格と資材高騰の利益圧迫の中でオプションへの取り組みを強化。これらの理由があいまって、現場UVが急速な立ち上がりを見せている。

物件あたりの面積にもよるが、施主渡しの単価は概ね5,000円/m2前後。フローリングの面積から見積もると1軒あたり30万円クラスの工事が主流となる。住宅供給者やオプション会社などが入るため実行単価は下がるが、通常2人工で1日という費用を考えるとそれなりの利益は確保できる。加えて、分譲など工事が同時期に集中する性格が強く、効率化によって利益が相乗する。

ちなみに『フロアコーティング』をインターネットで検索すると、多数の施工会社にヒット。その市場性から参入が活発化していることが分かる。形態としてはフランチャイズでの展開が主流だが、仕事の単価が下がり続けるハウスクリーニングやビルメンテナンス、独立起業組などを吸引しここ数年の増加は著しいものがある。ただし、この分野の有力企業・エコテック(横浜市)の星山崇行社長は「それほど甘いものではない」と指摘する。

同社ではフランチャイズで全国をカバーするが「仕事量の90%以上は本部が各社に供給している。各フランチャイズに対しては高度な仕事の質とサービスを厳格に要求。このためトレーニングにことのほか時間をかけるとともに、基材への密着性データの蓄積、プライマーや塗料、施工ツールの開発・改良など、常に改善の連続。現場を積み重ねることで得たノウハウが競争力の源で、これがない安易な参入は市場から弾かれる」と警鐘を鳴らす。

新築住宅における現場UVの施工は大まかに1)サービスワックスの剥離、清掃2)プライマー、UV塗料の塗布3)紫外線照射による硬化の手順で行われる。特にワックス剥離のノウハウ、剥離後の清掃、多種多様な基材に対するプライマーの選択と密着性の確保、塗布技術、照射の精度など難易度は高い。そのうちの1つでも欠ければ即施工不良につながる。 このほど、照射装置本体の重量がわずか3kgと画期的なハンディUVシステムを開発したコートテック(横浜市・咲間毅社長)も、現場ノウハウの蓄積による品質確保の考えは同じ。同社の場合、施工者に対して照射装置及びコーティング材の供給を主とするが、「ただモノを供給するだけで成り立つ市場ではない。現場におけるさまざまな場面への指導、ノウハウの注入ができなければ商売にならない」と、数多くの現場経験で培ってきた対応力をポイントに挙げる。

今回発売した「ハンディUVライト(CT‐W1200)」は正に現場視点での開発品。超軽量のため、施工者の機動性が高まり、部屋の移動、階段の昇降など住宅のような細かな現場でより威力を発揮する。 一方、塗料メーカーの動きも出始めてきた。中国塗料は今夏から住宅向けの展開を本格化する。従来、大型店舗などの床メンテナンス市場を狙っていたが、ビジネス化の難易度が高く住宅にシフト。品質確保の面から責任施工体制を組織するとともに、フローリング材のプレコート№1シェアの実績とノウハウを武器に展開を加速させる。

玄々化学工業は材料販売を基本とし、施工店によるハウスメーカーなどへの提案を支援する営業スタイル。相手先のOEMで受注生産対応。フローリングをきっかけとし、家具やキッチン、バスタブコートなど他の箇所へ用途展開し塗料の需要創出を狙う。 大谷塗料はUV硬化型の着色塗料を開発。濡れ感やオイル感といった仕上がり感で差別化を図る。商業店舗や住宅向けへの拡充を目指し、現在各方面にデモンストレーションを開始した。 その他の塗料メーカーも市場調査を始めるなどにわかに活発化してきた現場施工UVコーティング。今後の動向が注目される。


★★★★★ニュースランキング

※1日一回データルームページで集計結果が更新されます。

平均スコア:4.00|最高スコア:4

« 前のニュースニュース一覧次のニュース »

Web特集|ニュース|コラム|インタビュー|データルーム|イベント情報|セミナー情報|リンクネットワーク