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2008年07月19日
パワーファクトリー"総力戦 ニッペグループ、事業部間連携強める
日本ペイントは2010年を最終年度とした中期計画のバックボーンとして、ニッペグループの総合力を発揮した市場対応力の強化をテーマに掲げていた。このためグループは企業の役割分担の明確化とともに全体最適を目指した補完関係の構築に努めてきた。
具体的にはグループ製造会社間での生産品目の集中化による効率化と生産コストの低減。例えばエーエスペイントにおいては屋根・床用塗料の生産を集約し、生産効率向上を図っている。
また事業部間では工業用の営業担当者がユーザーである工場の改修・リニューアル予定を察知し、その情報をフィードバックし汎用の営業が迅速にアプローチする。更に工場を保有するユーザーに工場のクリーン化を提案することで1次接点作りをする。
「工業用のスタッフもラインを見るだけでなく、担当しているユーザーの工場、建屋、更には社員の住宅の塗替え・改修までを自分たちの守備範囲とする意識に変化しつつある」(日本ペイント販売・岩田清社長)。
こうしたグループ間連携と事業部横断コミュニケーションを約3年間続けてきた結果、「パワーファクトリー」戦略が誕生。「現場における風通しがよくなった」(営業マネージャー)と、現場力の結集が推進力となっている。
パワーファクトリーのコンセプトは、工場を新たなモノづくりの現場として捉えなおす一方で、生産現場の置かれている内外の環境変化に対応した条件を克服するところにある。
モノづくりの視点とは、グローバル化が進む中で、改めて「独自で繊細で精密なモノづくり技術の再確認と、技術・技能の伝承」が大テーマとなっていることを受け、その現場である工場をハコとして捉えるのではなく、企業のアイデンティティーを体現した場として工場環境の美化を図る点をアピールする。
内外環境の変化に伴って、工場は企業の社会的責任(CSR)を担う重要性が増し、近隣への一層の配慮が求められており、いわば企業の社会的姿勢を示す広告塔としての役割が強まってきた。こうしたことから工場の外観、そこに働く従業員のやる気を高めるためのクリーンネス(美化)を提案する。
パワーファクトリーに関わる製品群は「スーパーシリコンベスト」(屋根用遮熱)、「アッツ・ナイン」(責任施工遮熱工法)、「シェラスター」(水性無機)、「フリーベスト」(アスベスト飛散防止)をはじめ、建築用から鋼構造物、舗装用までと幅広い。これをトータルパッケージとして提供していくには、従来の事業部間の枠組みを変える必要があり、調整する機能として「ベストオフィス」を立ち上げた。
ベストオフィスは事業部間のコミュニケーションを進め、トータルシステムとしてユーザーに対応していくための役割を担う。工業用や汎用のための営業拠点から、ユーザーに"オンリーワン・ニッペ(ひとつの顔)"を見せていく前線基地といえる。
施工についてはトラフィックペイントで舗装技術を有する日本ペイントライナーなどグループ企業を組み込み、万全を期していく。
パワーファクトリーのモデル(ショールーム)として、同社の自動車用塗料の主力工場である愛知工場(愛知県高浜市)をこのほど全面リニューアル。工場の建物の内外装から生産施設までを、環境に配慮したカラーコーディネートによる塗装を施し、ユーザーなど関係者に公開。単なる工場美化というレベルを超えたパワーファクトリーの見える化を示し、ユーザーの関心を高め手応えを感じている。
当面自動車メーカー、家電・電気メーカー、飲料・食品メーカー、薬品メーカーなど、ブランド価値に敏感なユーザーをターゲットにパワーファクトリーの実績を積み上げていく。2010年度までに約300件(単年度)の受注が目標。
次のターゲットになるのが工場の背後にある従業員の住宅と中小企業を含めた多種多様な物件。「大型物件は需要が限定されるし、工場丸ごとというケースは費用の面から期待できない。むしろ住宅や中小物件につなげていくための第1次ステップ」(岩田社長)との見方。このためパワーファクトリー戦略の成否は、ニッペグループの総力をどこまで結集し塗料販売店や施工店を含めた製・販・装連携の新しい枠組みを作れるかにかかっている。
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