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2009年07月08日
化管法改正でPRTR、MSDSを見直し 医療業が追加、対象化学物質拡大
政令改正の具体的内容としては、PRTR制度及びMSDS制度の対象となる第一種指定化学物質とMSDS制度のみ対象となる第二種指定化学物質の対象拡大と新規業種が追加される。
対象化学物質はリスクが低いと評価された化学物質の削除を含め、第一種指定化学物質は現行の354物質から462物質(57物質が削除)、特定第一種指定化学物質は現行12物質から15物質、第二種指定化学物質は現行81種から100物質(現行28種が削除)とそれぞれ拡大されることとなる。
中でも発ガン性が認められるとする特定第一種指定化学物質(現行)は、石綿、エチレンオキシド、カドミウム及びその化合物、六価クロム化合物、クロロエチレン(塩化ビニル)、ダイオキシン類、ニッケル化合物、ヒ素及びその無機化合物、ベリリウム及びその化合物、ベンジリジン=トリクロリド、ベンゼン、メトキサレンの12物質だが、使用量減少などによってリスクが低下したことから、メトキサレンが削除。新たに鉛化合物、1.3-ブタジエン、2-ブロモプロパン、ホルムアルデヒドが加わることとなった。
また化管法の新規業種に追加されたのは医療業で、病院、一般診療所、歯科診療所、助産所、療術業、歯科技工所、医療に付帯するサービス業(アイバンク、腎バンク、骨髄バンク、衛生検査所、滅菌業)、その他医療業(看護業、老人保健施設等)が対象となる。ただ事業者の常用雇用者数21人以上が対象となる。
PRTR制度の移行スケジュールは平成22年4月1日から新規指定化学物質で排出量、移動量の把握をすることとなり、平成23年4月から見直し後の化学物質を対象とした届出が開始となる。
一方、MSDS制度については今年10月1日からの開始となり、新規指定化学物質に基づき作成されたMSDSでの運用をしなければならない。そのため混合物製品などを取り扱う事業者は、含有するすべての化学物質の新規MSDSが揃わなければ、当該製品の新規MSDSの作成が困難になるため、上流に属する事業者は可能な限り、経済産業省は10月1日以前からの情報提供を求めている。
現場で起こり得る事態とは
MSDS制度の見直しによって、経済産業省は実務上起こり得る4つのケースを想定している。
1)取り扱う物質が新たに新規指定化学物質となった場合
2)取り扱う物質がそのまま現行指定化学物質から新規指定化学物質になった場合
3)取り扱う製品(混合物等)において指定化学物質の追加・削除がある場合
4)取り扱う物質(現行指定化学物質)がすべて化管法の対象外となった場合
1)に対する対処としては、新規MSDSの作成が必要。
2)はMSDSの番号変更や名称自体も変更されている場合があるため、現行MSDSと新規MSDSのどちらかに新旧対照表を添付することが適切となる。
3)については新規指定化学物質による新規MSDSの作成が必要となるが、提出の際は新規MSDS+現行MSDS、新規MSDS+現行物質情報、現行MSDS+新規物質情報のいずれかを選択する。
4)は現行MSDSの作成が必要となる。移行期間ゆえに実務上の混乱も予想される。
環境行政における化学物質管理政策はハザード(有害性)ベースの管理からリスク(暴露)評価ベースへの管理と移行している。かつては残留農薬(DDT、アルドリンなど)、大気汚染(NOx、SOx)、水質汚染(カドミウム、六価クロム)など対象物質そのものの有害性のみで判断していた施策から、それを摂取し続けることによるリスク評価を重視。平成11年にスタートした化管法はまさしく有害性と暴露リスクに配慮した制度となっている。またPRTR制度及びMSDS制度を取り入れることで、環境の保全上の支障を未然に防止する一方で、事業者による自主的管理の改善を促すという意味で、新しい手法と位置づけている。
平成13年度分の集計からスタートしたPRTR制度では、直近の平成19年度分までで排出量33%削減している。
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