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2009年08月04日

企業動向  設備・機械:設備・その他

省エネ/水性、水平流塗装ブース ANDEX「CAB-H2」 風量約3分の1削減

アンデックス(本社・広島県尾道市)は次世代型・省エネルギー塗装ブース「CAB-H2」を開発、本格的に市場展開に乗り出した。同システムは現行ブースの主流である上下流ではなく、水平流方式を初めて採用したプッシュプル塗装ブース(特許出願中)。このため必要風量が3分の1になり、給・排気ファンモーター容量を減らせ、バーナーの熱量、電気・ガスなどエネルギーコストを大幅に減らせる。加湿・除湿や風力アップに関するオプション装備も可能、水性塗料を使った自動車補修にも対応できる。

CAB-H2の開発は逆転の発想からスタートした。従来の上下流塗装ブースは天井面積に比例して必要風量が決まる。たとえば4.52m(W)×7.22m(L)×0.2(風速)×60(min)の天井からの必要風量は約440m3/minとなる。
ところが天井の3分の1ほどの面積しかない扉からの水平流塗装ブースでは、4.3m(W)×2.7m(H)×0.2(風速)×60(min)で約160m3/minで済む。これをバーナー熱量に換算すると、上下流240,000kcal/hに対し、水平流は128,000kcal/hと約2分1の省エネ効果がある。つまり水平流塗装ブースは風速(0.2m/sec)を落とさず、上下流塗装ブースに比べ必要風量を3分の1にできる。


アンデックスが同社の「CAB-07」とランニングコストを比較したところ、上下流方式のCAB-07はガス1時間当たりの金額が2,255円なのに対し、水平流方式CAB-H2では1,128円、電気代1時間当たりは300円に対し148円。ガス1日平均3時間・電気5時間で、1カ月20日間塗装ブースを稼働させると、1年間のガス代は162万3,600円に対し81万2,160円、電気代は36万円に対し17万7,600円となり、上下流と水平流のランニングコストの差額は1年当たり99万3,840円にもなると試算された。
天井の上下流から扉の水平流へと逆転の発想を成功させるには、表面積の小さい正面扉から安定的な風量を維持・確保することがテーマ。ところが技術的課題より、メリットが大きいことがすぐに判明したという。


ひとつは天井フィルターがなくなって生まれたスペースを作業性向上に有効活用できる点。ピットのないフルフラットなフロアーは、設置に関わる工期の短縮化や施工費の削減を実現したばかりでなく、グレーチングによる足の疲労を軽減、ゴミ・ブツの舞い上がりを防ぐ効果がある。そしてなにより、省エネルギー型の電子安定器を使用した40W×4灯の照明ユニットをブース室内に16台(2,560W)配置し、とても明るい室内となった。ユニットは最大24台まで増設可。
もう1つはシングルアクションで開くフィルター・ストッパーが、給気フィルターの交換を容易にした。フィルターの取り替えは経験と手間がかかる難点があったが、フルフラットでブース内の美観を損ねることもない。
更に分割式新型の給気ユニットを採用しているため、メンテナンス性が飛躍的に向上。フィルターユニット、熱交換ユニット、ファンユニットの3つのコアで構成され、それぞれ独立して修理・交換ができる。これまでのメンテ時のような大掛かりな移動は必要ない。また、断熱素材を利用し熱交換のロスを軽減、ユニットのカラーオーダーも可能。


CAB-H2はデザイン面でも画期性がある。正面扉は金庫をイメージしてデザインされ、従来の塗装ブースにはない重厚で気品ある風貌。ところが扉の開閉は驚くほど軽快だ。チャンバーボックスを兼ねた設計により軽量かつ堅牢な仕上がり、軽いスイングと上下ラッチで確実な開閉操作ができる。
同社はアンデックス・ライブファクトリーでの塗装実験(デモンストレーション)を実施している。既に主要塗料メーカーの塗料を使ってのテストを繰り返しており、使い勝手に関しては「従来(上下流方式)に比べて遜色はない」との結論。水性塗料についても同じ結果が得られている。


実験では上下流・水平流での塗装作業性から、水性塗料の湿度変化による塗装限界の範囲測定(低湿度~高湿度)や湿度変化による乾燥速度の測定などが主なチェック項目。ライブファクトリーではCAB-07XとCAB-H2が並列して設置され、比較テストに利便性がある。
ボディーショップでの水性塗料の関心が高まっているが、上下流プッシュプルブースで除加湿装備を含めると価格が約5,000万円近くになる。エネルギーも大風量1パス方式でランニングコストもかかり、零細規模の多いBPでの導入が進んでいない。アンデックスではCAB-H2プラス・オプションという形で、イニシャルとランニングコストを大幅に削減できる点をアピールして普及させていく。「VOC対策とともにCO2削減も加え、コストパフォーマンス性の高い塗装ブースとして拡販したい」(担当者)という。


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左:CAB‐07 右:CAB‐H2(ライブファクトリーに設置)


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