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2009年08月19日

企業動向  製品:その他

企業力を探る:タイル剥落防止、大地震に耐える 注目の「JKセライダー工法」

セブンケミカル(本社・東京、社長・島袋省三氏)は知る人ぞ知る開発型メーカー。小規模ながら張り巡らせたアンテナ感度は鋭く、スピーディな開発力が持ち味。昭和46年の創業以来、単層ゴム弾性塗材「セブンコートB」、アクリルゴム系外装防水化粧材「セブンウォール」などを開発。いずれもパイオニア製品を投入してきた。コンクリート構造物の早期劣化対策として「セブンCRシステム」でも先行。そんな同社が目指すのは「常にパイオニアであり続けること」(島袋社長)という。

同社の主要製品マトリクスを見ると同社のスタンスが鮮明になる。パイオニアであると同時に、新設から改修工法までの製品をシステム的に品揃えしていることが分かる。ポイントは他社の後追いではなく、先行して開発することで総合システムを構築しているところ。
80年代後半から90年代にかけて、総合改修システム「フレッシュマスト」を開発。更に陶磁器タイルの経年劣化に向けた改修工法「セブンS」を上市していることでもそれが分かる。


主力製品「セブンウォール」は建築用塗膜防水材。アクリルゴム系で耐候性、防水性に優れる。下地の亀裂によく追従するのが特色。
またアクリルゴム系としては他社に先駆けて完全水系システムを完成。約80%まで溶剤使用量を削減することを可能にした。


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ユニークな製品として「JKセライダー工法」がある。最大の特徴は阪神・淡路大震災クラスの振動に耐えるタイル剥落防止効果。工学院大学で行った実験によると、3方向からの振動を与えたところ、通常のタイル張り外壁は正常であったタイルが20枚(m2/200枚)、剥落数は124枚(同)であったのに対し、JKセライダー工法の場合は正常タイル34枚(同)、剥落0枚で圧倒的な差が出た。
こうした性能の差は、JKセライダー工法の塗材に短繊維を混入し、硬化後透明となる特殊アクリル樹脂を採用、特殊なアンカーピンで躯体に固定しているところにある。


アンカーピンはタイル4本/m2打ち、タイルに座金の役割を持たせている。これにより高い引き抜き強度、頭抜け強度、せん断強度が付与される。ピンはタイルと同色のキャップで覆うためほとんど目立たない。
また特殊アクリル樹脂に短繊維を入れることで付着力、耐候性を向上。一般のアクリル樹脂に比べ、引っぱり強度は2倍、引き裂強度は7倍にもなる。
JKセライダー工法の施工は、日本樹脂施工協同組合による責任施工。最長10年間の共同保証をしている。


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▲タイル張り外壁(一般工法)の振動試験=200枚のうち124枚が剥落

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▲同試験、JKセライダー工法のタイルの状態。タイル剥落はゼロ。

スペシャリティ製品として、水系光触媒酸化チタンコーティング材「セブンチタニック」、床用ノンスリップ表面保護仕上材「ボンゴンエース MS-F」をラインアップ。
ボンゴンエースはスリップ防止に有効な透明硬質骨材を使用し、美観をそのままに滑り止めコーティングを施すことができ、注目されている。

◇ここが企業力のポイント
●幅広い分野にアンテナを張り巡らし、リアル情報に敏感になる
●開発は頭数ではなく、感度への対応力で決まる
●パイオニアであり続ける緊張感を持続する企業風土
●OEM対応力に誇り

インタビュー:開発力は鋭い感性で決まる 島袋社長に聞く

島袋社長にポリシーを聞いた。

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パイオニアであり続けるための秘訣はなんですか。

関係学界や団体の他、ゼネコンなどの技術部門とのネットワークを活用し、今何が必要とされ、これから何が求められるかを敏感に捉える感度が生命線といえます。アンテナでいち早く捉えたものを開発に結びつけるフットワーク。

開発のための人材が多いわけではないですよね。

最小人員で最大の効果が常にテーマ。開発は頭数がいれば良いものが製品化できるとは限りません。リアルな情報を捉え、自社にない技術であれば躊躇することなくコラボレーションする。それができているのは目的意識が社内で共有化できているため。

しかし小企業ゆえの悩みもあると思いますが。

確かに先行開発してパイオニアメーカーになったとしてもすぐ追いつかれる。先行利益を十分確保できない恨みはあります。後発メーカーの営業力にはかないませんから。それでもパイオニアである自負と、認めてくださる顧客とよき協力者があるからここまでやってこれたのだと思います。この姿勢を変えるつもりはありません。

新しい開発テーマは。

いろいろシーズは持っており、具体的に製品化に近づいているものもあります。近く発表したい。その一方でOEM対応もしているので、自社製品以外の分野にも当社の製品が多く採用されている。OEM対応に関しては、当社のスピーディな開発力が評価された証であると考えています。

ありがとうございました。

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