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2009年11月10日

技術

現場・エア式静電工法を普及拡大 近畿塗装7組合 認定講習会実施

近畿塗装協同組合連絡協議会(大阪府塗装工業協同組合、京都府塗装工業協同組合、大阪塗装協同組合、兵庫県塗装工業協同組合、滋賀県塗装工業協同組合、奈良県建設塗装工業協同組合、和歌山県塗装工業協同組合)は10月3日、堺市産業振興センターで「エア式静電塗装工法・認定講習会」を開催した。各組合を含め50名が参加した。

橋梁などの鋼構造物に対するメンテナンス需要の高まりを受け、現場塗装工法の生産性向上がテーマとしてクローズアップしている。そこで従来の刷毛やローラー工法を上回る効率性のあるエア式静電塗装工法が近畿塗連とアサヒハケ、グラコなどによって開発された。これを受け現場での施工者(技能者)と施工管理者(技術者)双方に熟知を図るため認定講習会が開かれた。
受講資格は鋼橋塗装技能士、土木施工管理などの国家試験合格者が対象。

高いコストパフォーマンス

エア式静電塗装工法とは、圧縮空気を利用しガン内蔵のダイナモ(発電機)により静電気を発生させ、ガン噴射口で霧状塗料に帯電し、静電気が被塗物へ電磁的に引き寄せる力を利用し、効率的な吹付塗装を可能にしたシステム。従来の塗り替え塗装工事ではスプレーミストの飛散による周辺環境への影響から、刷毛塗りが主流であった。しかし刷毛塗りでは生産性向上の面で限界があり、特に大型橋梁の塗り替えではスピーディーな施工法が望まれていた。


今回の現場施工可能なエア式静電塗装工法の開発のポイントは(1)飛散を低減する塗装機器の採用(2)第三者への被害を防止する養生対策の2つ。スプレーガンは塗料のロス率と飛散を軽減したガンを使用し、ダブルメッシュシートと組み合わせることで屋外現場での施工を可能にした。
ただ注意点としては、スプレー工法に比べ飛散が軽減されたとはいえ、養生対策は万全にする必要がある。また適用塗料は2液型溶剤塗料(エポキシ樹脂塗料、ポリウレタン樹脂塗料、フッ素樹脂塗料など)。電気が通電しやすい水性塗料、無機ジンクリッチペイントなどには使用できない。使用する塗料の粘性には注意が必要となる。霧化した塗料が効率よく被塗面に塗着するため、塗着後にダレが発生しないよう粘性をコントロールしなくてはならない。


更に塗装面積が少量であれば刷毛・ローラー工法の方がコストパフォーマンスに優れるケースがある。スプレー工法は一度に施工できる面積は大きいが、養生や飛散防止対策が刷毛・ローラーに比べ手間がかかるからだ。
エア式静電塗装の装置としては(1)静電スプレーガン(2)塗料用ポンプ(3)コンプレッサー(4)導電マット(塗料混合容器・機材洗浄容器)(5)アース握り棒(6)投光器(7)送風機(排風機)(8)アース線がある。アース線は地面に接地する。現場の状況に応じてアース分岐箱を利用することもできる。

阪神高速がエア式採用

鋼構造物に対する現場塗装の傾向として、刷毛・ローラー塗りに加えてスプレー工法が塗装仕様に反映され、特に静電スプレー工法が塗着効率の高さとともに環境負荷の少ないエコ工法としても注目されている。
全国的に見て現場での静電塗装に早くから着手したのが中部地区、次いで近畿地区であった。静電塗装工法には静電気の発生方法が異なる電気式とエア式がある。
中部地区では電気式の静電塗装が採用され、名古屋高速道路公社の実績がある。この方式のネックは電気設備に要するコストにある。


エア式は特別な電気設備を必要としないためコストメリットがある。エア式は阪神高速道路で試験施工が実施された他、中部地区では中里高架橋塗装工事(三重)、四日市南部橋梁塗装工事、23号線猿渡川高架橋橋梁塗装(名古屋)、北陸地区では片貝大橋外3橋塗り替え塗装工事の大型物件、奈良県の笠置山添線橋梁補修工事などに採用されている。今年度からは阪神高速道路からの発注のうち、多くがエア式静電塗装工法となっている。
講習会を開催した田伏健一理事長(大阪府塗装工業協同組合)は「生産性、安全性、環境性に効果のある工法としてこれから多くの現場で採用されていくものと期待しています。今後工法の更なる改良と普及のため、発注者、塗料メーカー、塗装機器メーカーなどとの意見交換を継続的に実施していきたい」とコメントした。


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