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2009年12月11日

企業動向  技術  製品:塗料

先行投資、優位確保を狙う オリジン電気 復元/植物樹脂用を開発

オリジン電気(本社・東京、社長・柏木俊雄氏)は自己復元性をもつプラスチック用塗料の開発に成功した。携帯電話やITモバイル製品などで小さな傷の自己復元ニーズは高く、「先行することでユーザーニーズをいち早く吸収し、改良につなげていきたい」(開発担当者)との意向。またこれと同時に植物樹脂に対応した環境性の高い2液ウレタン塗料を開発。植物由来材料であるPLA(ポリ乳酸)素材向けの対応を可能にし、サンプル活動をスタートさせる。「将来ニーズを先取りする新製品で差別化することが重要になっている。攻めのマーケティングを強化する」(常務取締役塗料事業部長・藤澤実氏)と先手を打っていく。
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金属ブラシでの傷も瞬時に復元

「エコネットNS」は環境配慮型の耐擦傷性2液ウレタン塗料で、高光沢で傷に強いという特色がある。光沢性仕様は擦り傷が付くと目立ちやすく、ピアノブラックの色目には傷が浮き出て見えてしまう。こうした擦り傷対策としては、保護クリヤーを塗装する2コート仕上げが一般的。「エコネットNS」は加飾と耐擦り傷性の両方をワンコートで実現した。またTXフリーの環境対応設計を導入。同品は既に採用実績がある。
今回同社が開発した復元性塗料は「エコネットNS」とはコンセプトが異なる。傷を付きにくくするのではなく、傷が付いても瞬時に復元するコンセプト。塗膜が自己復元する機能は自動車ボディ向けには開発されているが、プラスチック用塗料としては存在しなかった。


復元塗料の開発は3年前に着手。まず復元性のある樹脂を探索したが、塗料に求められる密着性や耐久性の面で適当なものがなかった。このため独自の樹脂の開発からスタートしなければならなかった。
「いろいろな配合でチャレンジしましたが、復元する弾性と耐擦り傷性の両立は難しかった。イメージとしてはスポンジのように衝撃を吸収し、元に戻るようにしたかった。配合の組み合わせからたどりついて樹脂を設計できたという感じですね」(技術課技術2係・工藤早希子氏)という。
 復元塗料はまだ製品名も決まっていないが、自動車部品ではピアノブラックの色目でユーザーが採用を検討。家電などの分野ではユーザースペックのテストが進行している。


色相に関してはメタリックシルバーができ、カラーバリエーションもニーズに合わせて拡大していく。傷を復元するニーズが高く、家電製品などは長期使用で塗膜が剥がれるケースも目立つ。競合他社に先行し、幅広いニーズを吸収することでバージョンアップしていきたい意向。
現在復元塗料としては2液硬化タイプとUV硬化の2つのシステムが開発されている。


次の先行開発の「植物由来樹脂塗料」はTXフリーの2液ウレタン塗料。CO2削減に向け再生可能な植物資源が注目されている。植物から植物へ循環するカーボンオフセット指向は今後ますます強まってくる。
植物に由来する原材料の生産は国内で年1万2,000トン台。このうち46.6%をポリ乳酸系が占める。
同社がターゲットにするのはポリ乳酸に来由する素材。塗料設計する上で植物に由来する植物性固形分を40%以上含有させている。これはバイオプラスチック関連の業界が25%以上をバイオプラスチックの条件としているためだ。この基準を上回るバイオ樹脂塗料ということになる。いわば基材と塗料も植物由来の原料がベース。TXフリーの設計とした。


しかしハードルは高く、「温度・湿度に弱い点は改良する必要がある」(技術課技術2係・可兒聡氏)と認める。開発のポイントは専用硬化剤の開発にあった。「従来の有機系樹脂の素材と条件が違うため、硬化剤を独自に工夫した」(同)という。塗膜性能は溶剤系塗料と同等レベルを確保した。
仕様としてはポリ乳酸(PLA)系素材に対し下塗りに植物由来樹脂塗料クロを塗装、「エコネットEYメタリック」を上塗りする2コート。今後でんぷん系やセルロース系の植物由来素材に対応したバイオ樹脂塗料を開発していく。

蒸着塗料、バージョンアップ

昨年上市した蒸着用塗料「UVコートVP」シリーズの拡販に力が入ってきた。同塗料では後発であるため、差別化のポイントを1)3パターンの塗装仕様をセット(UV2コート、UV3コート、UV+熱硬化)2)高性能化による耐久性・耐指紋性に置いた。
これによりユーザーの量産レベルに柔軟に対応できる塗装仕様を組むことが可能。「当社システムの強みを鮮明にできるので、今後ライン評価を進め完成度を更に上げていきたい。サンプルワークを開始している」(開発課開発グループ・小田隼人氏)とコメント。

金属ブラシでの傷も瞬時に復元


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