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2010年01月06日
ミラクール、東南アジア展開を加速 シンガポール政府機関から遮熱効果認証
シンガポール政府はヒートアイランド対策に積極的に取り組んできた。その一環として2年間をかけミラクールを採用した遮熱効果の実証テストを実施。この研究にはシンガポール政府機関であるBCA(BUILDING CONSTRUCTION AUTHORITY シンガポールの建設省)、JTC(JTC CORPORATION シンガポール半官半民の国有地管理及び開発会社)の他、シンガポール大学などのチームが参画。
具体的にはテニスコート2面分のスペースを使い、遮熱塗料を施した面と一般エマルション塗料の施工面を設定。色相は同じとした。試験方法はASTM(アメリカの環境基準)に基づき、日射反射率を中心に測定した。データは地表から1mでの温度変化を集積。
その一方で体感によるテストも実施した。30人のモニターに対し、体感的に暑さを感じる程度を記録。その結果は「大変暑い」と感じた人の割合は非遮熱施工面で30人中12人であったのに対し、遮熱施工面では5人に減少。また体感部位でも「暑い」は半減した。
シンガポールの年間平均気温は26℃と高い。実証データを基に遮熱施工した場合、建物の冷房効率を7.69%低下させる効果があることがシミュレーションされた。電気代に換算すると4.8%の削減となる。また年間平均気温26.88℃が25.53℃と1.35℃下がる可能性を示し、ヒートアイランド対策に効果があることを公的に認証した。
シンガポール政府が主催したエコ建材展でこうした実証成果をパネル展示したところ、見学に来たタイ、マレーシア、インドネシアの関係者が注目。東南アジア地域での遮熱施工への関心が高まるきっかけともなった。更にシンガポール政府の建物でオールエコ建材を採用。太陽光発電などのエコ仕様の一環としてミラクールが路面に採用されている。
ミラクール販売は総合商社・兼松が30%の比率で資本参加、また道路舗装大手のNIPPOコーポレーションも30%出資、残り40%はシロキが保有。東南アジアにおける遮熱塗料ビジネスは兼松の海外拠点が中心となって展開するスタイル。
今回のシンガポール政府系機関からの認証は東南アジア展開を優位に進める鍵となる。「気候・風土が違うため国内の実証データは役に立たない。環境先進国であるシンガポールは東南アジア各国の政府がベンチマークしているので、ここでの認証データは大きな武器になる。シンガポールのミラクール採用の拡大を基点に東南アジア市場へ浸透させていきたい」(ミラクール販売・深江常務)と意欲を見せる。
ミラクールは長嶋特殊塗料が開発した遮熱塗料で、遮熱分野のパイオニア製品。14年近い実績と約300万m2を超える施工実績がある。その後シロキが資本参加し、昨年からは兼松とNIPPOが資本参加。国内市場は不況の影響から工場屋根分野の需要が激減。道路舗装分野は開発途上にあり、同社を含め海外に活路を求める動きが活発化している。
中国、タイなどに進出した日系企業の工場屋根での施工実績は既にあるものの、現地レベルでの遮熱施工の実績づくりは始まったばかり。こうした中でミラクールの実質的な公的認証はローカル市場での遮熱塗料の拡大を促進するものと期待されている。
「ミラクールにとって非常に大きなインセンティブになる。国内市場は参入企業が活発な反面、市場競争がシビアになっている。価格だけの競争を回避したい。そのためにはきちんとした品質と信頼される対応を維持していくしかない。と同時に海外、特に東南アジアマーケットでのミラクールのブランド力を強化する上で今回のシンガポールでの実証データが役立つ。兼松の海外拠点での展開に期待したい。中期的には内外のバランスでビジネスの足元を固めていきたいと考えている」(ミラクール販売・深江常務)。
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