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2010年01月06日

企業動向

レンガサイロを復元、エージング塗装が活躍 辺見デザイン×フォーアーツ

大阪にある大手飲料メーカーのレンガサイロがエージング塗装によって鮮やかに蘇った。企画・施工を受けたのは、辺見デザイン設計事務所(大阪市、所長・辺見将氏)。施工はデコラティブペイントを専業とするフォーアーツデザイン(本社・東京、社長・ヨザン弥江子氏)が行った。
同レンガサイロは築約80年。通りに面した2面はレトロな雰囲気漂う趣のあるレンガ意匠が残されており、今回施工したのは南面に当たる240m2。元々、隣接する建物と直接くっついた形で覆われていた部分だったが、隣接物件の取り壊しをきっかけにレンガ修復の依頼が舞い込んだ。


当初は修復の方法として、ブリックやサイディングを貼りつける案も浮上したという。しかし、クライアント側から「レンガ意匠の趣を残したい。既存レンガが1段積みのため、あまり荷重をかけたくない」などの要望もあり、依頼を受けた辺見氏は大学時代からの知り合いであるフォーアーツデザインの木本俊則氏に相談。ペイントで復元すれば既存の意匠との調和が取れ、コストパフォーマンスも良いとのことからエージング塗装による施工に踏み切った。
施工は古いモルタルを剥離した後、再度モルタルで下地づくり。そこでレンガ目を入れ、上塗り、クリヤー塗装、汚し塗装という手順。左官の後、上塗りで追っかけるという段取りで効率化を図り、2カ月間で施工を完了した。


施工面の高さは18mで、凹凸の造形が施されている。レンガ目を入れるための緻密な計測、既存意匠との調和などエージング塗装の技術が結集している。特に今回は実際のレンガ意匠が間近にあるため、絶えずそれを確認しながらの作業が続いた。レンガの積み方、錆び方に至るまで、どのようにしてこういう汚れ方になったのか。まるで過去を推理し現在を炙り出す探偵さながら。「往年の雨での汚れを再現する方法を検討した結果、筆で描くのではなく、塗料を流す方法を実行した」(木本氏)と話す。上塗りに使用したのは、ターナー色彩の「エージングカラー」。レンガ調の意匠を出すために使用した5色を何度も重ねながら、レンガ意匠を浮かび上がらせた。


施工完了後、クライアント側のトップは想像以上の出来栄えに感動の声。間近で見ても触ってみても、それが塗装仕上げかどうかは素人では見極めがつかないほどの仕上がり。「説明しないと分からないというのは、ある意味で皮肉」と辺見氏は笑う。
これまで商業店舗やテーマパークなど空間演出として用いられたエージング塗装が、このように実物件の修復物件に採用された事例は稀。ペイント技法の新たな領域が期待される。


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施工前

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施行後


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