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2010年01月07日

企業動向

ケーススタディー・塗料販売の現場から 色彩情報発信、信頼の輪広げる 明豊(茨城)「ファンタジー」

明豊(本社・茨城県水戸市、社長・金子要氏)が色彩情報発信ベースとして開設した「Fantasy=ファンタジー」がビジネスの輪を広げている。色彩提案からカラーサンプルの作成、塗装プロセスの確認まで一環してできるため、汎用工業用問わずクライアント(顧客)の信頼性を高める効果につながり、新しいビジネス連携が具体化してきた。
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設計士研修会であいさつする金子社長

開設して1年余り、現況について金子社長は「短期的と長期的な面で評価する必要があるが、手応えは十分。ひとつひとつ積み上げていけば他社には絶対マネのできないオリジナル・カラービジネスを創り上げることができる」と自信の表情で語る。 短期的な成果としては改修・メンテナンスビジネスに反映されている。戸建住宅ばかりでなく、工場などの物件に対しカラーシミュレーションを提案。その際ファンタジーまで足を運んでもらうことが原則。シミュレーション資料だけで済ませるケースもあるのだが、色彩デザインの感動を実感してもらうことを大切にしている。

そこにはクライアントを主役としたストーリーが組み込まれている。大半の施主は改修に対して信頼できるところに依頼したいとの意向が強い。このことは逆に言えば改修品質が見えず不安を抱いているということでもある。しかし施工品質ひとつとっても見える形で示すことはできない。 ここで色彩提案が重要なポイントとなってくる。カラーコーディネートを通じて改修全般について説明するチャンスが生まれる。しかも色彩はどのような改修にも必ず付きまとう。いや、色彩を無視した改修は大きな欠落がある。色彩提案は売り込むためのツールではなく改修品質を見せる戦略といえる。

事実、戸建て塗り替えの顧客は80~90%の高い確率でカラーシミュレーションによって満足度が高まっている。子供を含め家族全員でカラーシミュレーションを楽しむ光景がファンタジーでは日常的なものとなっている。 工業用ユーザーとの接点作りにも寄与。塗装スペックの選択からカラーサンプルまでがその場でリアルタイムにできる。スピードによる時間短縮はユーザーの塗装の見方を変えた。「コストをほとんどかけずにカラーデザインで大胆に変更できるメリットは計り知れない。商品化をダイナミックなものにする」と声が出る。

ファンタジーはいわゆるハコモノではない。その背景には10年近く同社が地道に改修ビジネスを構築してきたノウハウがある。社長とともに先頭に立ってきた取締役営業部長の袖山弘氏は「私共の役割はコーディネーター。塗装など専門業の方々に良い仕事をしてもらえる環境づくりが役割。クライアントが求めるレベル以上の仕事を一緒になってする。同じ目線で現場に立って、サービスを考える。必要とあれば厳しいアドバイスも」と語る。 専門業者との信頼関係がなければ改修ビジネスの品質はない。こんなエピソードがある。塗装の現場でのこと、完成近くなって地面に塗料の飛沫が付着していたのに気付くと、職長が手でひとつひとつ拾って清掃していた。これを見た袖山氏は涙が出るほど感激した。クライアントの目にはふれないところでの気配り、これこそが究極のサービスと考えてきたからだ。

今、袖山氏は専門工事をひとつのモジュールと見立てたネットワークシステムを構想している。塗装、防水、左官、電気工事などを同一の立場で技術連携し、相乗効果を生む新しい施工サービスの在り方。明豊はリーダーではなくコーディネーターに徹するスタンス。そこにこそ塗料・塗装をコアにした専門性が深く発揮できると思うからだ。 新しいビジネスの輪のひとつ、設計士との連携がスタート。11月25日、設計士を対象とした初の塗装研修会が開催された。ある物件の診断調査から設計との接点ができ、ぜひ交流をということで開催はとんとん拍子でまとまった。筑西地区の設計士の代表である柴崎清氏(AOI建築設計事務所代表)は「設計の立場から見て、塗装と植栽はよく分からないのが実感。もっと知識があれば活用できるのですが」と話す。今回は柴崎氏の呼びかけで同地区の設計士15名が集まった。

テーマは遮熱塗料などの最新スペシャリティ塗料。日本ペイント販売宇都宮営業所長・松尾政博氏と小林聴氏が講師となって建築外装塗装の流れ、JIS改定についての説明の後、「UVプロテクトクリヤー」「ニッペクリスタコート」「オーデノータック」「サーモアイ」の製品説明が行われた。2時間余りの研修の間、設計士が熱心に聞いている姿が印象的。質問も活発で「ライフサイクルコストと耐久性の相関をもっとクリアにしてほしい」など要望が出されていた。 設計士研修会は今後、水戸地区などでも開催していきたい意向。「塗料・塗装の最新情報を設計の方々も求めていることが実感できた。切り口を変えたり塗装を体験したりもできる研修会を企画していきたい。これを機に設計士との関係づくりを推進し、我々も勉強させてもらいたいと思う」と金子社長はコメント。

柴崎氏は「もっと塗料・塗装のことを知りたくなった。特に環境や健康・安全に塗料が役立ち、高い意匠性をもっていることも再認識できた」と感想を述べていた。

設計士研修会であいさつする金子社長


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