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2010年01月22日
ケーススタディ・塗料販売の現場から 阿吽の呼吸を標準化 販管システムが顧客満足向上に寄与 ミツイ塗料(広島)
広島市のミツイ塗料(社長・満井宏昭氏)は建築用塗料の扱いがほぼ100%。町場の塗装店を中心に口座数は200件ほど、従業員14名の塗料販売店だ。満井社長は30代と若く「まだまだ会社を大きくしていきたい」と事業意欲は高い。 2年前、社長のそんな思いに応えて1人のキーパーソンが入社した。現在システム管理、業務全般を見ている田村泰彦氏だ。「金融を始めさまざまな業界でSE(システムエンジニア)として活躍、コンピュータだけでなく幅広い知見や仕事への取り組み方などのビジネススキルを会社に注入してほしかった」(満井社長)と採用の経緯を語る。
建設関連の業界は初めてだったという田村氏。入社して最初に受けた印象は「業界特有の慣習なのでしょうが、とても非効率な部分が多い」ということ。中でもまず目に付いたのは建築汎用店に共通した悩みでもある「受注時の情報量の少なさ」とそれに起因する受注業務の煩雑さ。 「『例の赤い塗料』や『先月納めてもらったローラー』など商品名を特定しない注文も少なくない。納品先も『○○区の現場』『先月納めてもらった現場』など情報量が少なく、その度に台帳を調べて品物や納入先を特定、お客さんに『この塗料だと思いますが間違いないでしょうか』と確認の電話を入れ、特定できない場合はメーカーにまで調べてもらうなど、受注業務ひとつで3者にとって時間面、精度面の負荷が発生している」と感じた。
塗料店としては早い段階から販売管理システムを導入していたものの、「煩雑な業務への高度な対応には限界があった」こと、仕入、在庫を含めた社内整備の必要性から満井社長に業務システムの入れ替えを進言。今年1月にニューマネジメントシステムの塗料販売業専用販売管理システム「スーパー塗料」を導入。1カ月のテストランの後、2月から本稼働させた。 新システム導入後に即効果が表れたのは受発注の現場。とりわけ同システムの『過去履歴検索機能』は「強力な武器になっている」という。
スーパー塗料の過去履歴検索機能は現場名、商品名の一部、品種(塗料、調色品、副資材)などさまざまなキーワードで過去の取引履歴を検索できる。検索機能の汎用性が特長のひとつだ。「お客さんの注文があやふやであっても、電話を受けながらキーボードを叩けば要求している商品や納入先が瞬時にピンポイントで特定できる」と説明。ペーパーベースの台帳で数十分かけて探していた時間的なロス、再確認の電話による客先への負荷など煩雑性を解消した上「正確性も高まった」と評価は高い。 「『例のあれを、どこそこの現場に』などの注文が慣習的になっているのはそれが一番お客さんにとって楽な方法だから。いわば仕入先に対して阿吽の呼吸を求めているわけで、それに応えられる体制をこちら側が整えればいい」と田村氏。満井社長も「システム導入の目的も結論的には顧客満足度の向上がすべてで、対応の素早さ、精度向上にお客さんも気づいてくれているのではないか」と自信を覗かせる。
一方、仕入れに関しても過去履歴の活用により誤発注の防止につながる他、過去の入値の確認、売価の設定がスムーズになり仮伝の減少にも寄与する。「市況の厳しさから現場ごとなど都度で価格交渉するケースが増えているため仮伝を100%なくすことは難しいが、減少しているのは間違いない」と効果が出始めている。 ちなみに同社では、主力仕入先の日本ペイントとの間でEDI回線を開設、「ニッペさん以外も含む全仕入量の40-45%は電子発注」とEDIの活用度が高く、仕入業務の効率化がかなり図られている。 同社は基本的に営業マン(4名)が受注、発注、納品書の発行までを行う業務スタイル。「コンピュータの習熟度など若手とベテランとの差はあるが、徐々にシステムを活用した作業スタイルに移行。全体的には業務の効率化が図られ、後処理の事務員の作業が軽減し精度が向上。パートの削減にもつながっている」と直接的なメリットも出ている。
また、「これまで営業マンが調べ物や見積り(見積りソフトも導入済み)に費やしていた無駄な時間を削減、余剰時間を本来の営業に向ける」ことで販売力を高めたい意向だ。 満井社長は更に、今回のシステム更新によるメリットとして「在庫の適正化」を挙げる。「広島のお客さんはとにかく短納期への要望が強い」という地域柄、機会損失、信頼低下を避けるためにも「これまではやや過剰気味に在庫を抱えていた。今回のシステムで過去1カ月、2カ月、3カ月といった発注商品一覧が出せるので、売れ筋、死に筋など商品ごとの動向が把握できる。データで適正在庫が可視化でき、それに伴いキャッシュフローも改善」と効果を挙げる。 同社では新たな有効利用の方法にも着手。得意先によって現場ごとの納入明細を求められることがあり、「これまでは何時間もかけて資料を作成していたが、得意先ごと、現場ごとでソートをかけて個別のシートに移すだけなので10分ほどでできる」と大幅に時間を短縮。「得意先の事務効率向上、コスト低減にもつながることから、当社なりのサービスとして他のお客さんにも提供していきたい」との構想。
更に、サンプル配布に関しても「例えば売上一覧から上位のお客さんをピックアップし、履歴検索で当該サンプル品をまだ販売していない得意先を抽出することも可能で、ただ漫然と配ることに比べれば何倍も効果が高まる」と有効利用のためのアイデアも広がる。 満井社長は「システム導入が売上や利益貢献につながっているというところまではまだ見えないが、厳しい市況の中でそれほどダメージを受けていないのは得意先の満足度向上が反映されてのことだと思う。今後もミツイファンの拡大に全力を尽くす」と気を引き締める。
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