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2010年02月28日

マーケット:国内  行政・団体

日塗工 平成21年塗料製造業実態調査 金融危機、需要構造変える 平均純利益1.6%(過去5年で最低)

日本塗料工業会(会長・酒井健二氏)は平成21年塗料製造業実態調査をまとめ発表した。20年度の塗料生産は167万8,000トン(前年度比9.9%減)、金額ベースで7,836億円(4.4%減)であった。売上原価率が前年度比1.8ポイント、営業費比率が0.7ポイント上昇するなど収益を圧迫した。純利益率は1.8ポイント減の1.6%と過去5年で最低の水準にまで落ち込んだ。リーマンショック以降の市場変化を鮮明に映し出すものとなった。

◇調査内容 集計企業107社。A規模企業(従業員50人以下)37社、B(50人超~100人以下)24社、C(100人超~300人以下)27社、D(300人超)19社、D'(300人超で塗料売上高比率50%以上)12社。

〈塗料製造業の規模の状況〉

集計企業107社。資本金1億円以上42社、そのうち塗料部門の割合が50%以上は33社で、全体の資本金の63.9%、総売上高37.5%、従業員数42.7%、塗料売上高78.9%、塗料生産量72.2%を占める。
塗料売上高はこの5年間で7ポイント増の7,836億円。塗料生産量は9ポイント低下し167万8,000トン。
この5年間に総売上高15億円以上の企業は12社減少、15億円超~30億円以下の企業は6社減少、30億円超~60億円以下の企業は5社増加、60億円超の企業は43社から42社の1社減。

〈売上高の動向〉

塗料部門の売上高はこの5年間に36.7%から3.1ポイント上昇して39.8%となった。塗料売上高7,836億円のうち同業者向け売上高は940億円で12.0%を占めている。その差の6,896億円が純出荷金額(塗料需要金額)に相当する。規模別での同業者向け売上高はA規模企業36.3%、B規模企業29.7%、C規模企業12.1%、D規模企業7.9%。

〈財務に関する事項〉

(1)貸借対照表
資産合計のうち、流動資産及び固定資産の構成比は平成19年度と比べ流動資産構成比が3.1ポイント低下した。純資産(資本)比率は53.0%と19年度より1.8ポイント上昇。その理由は純資産(資本)の減少(19年度比2.9%減)より負債の減少(19年度比9.6%減)が大きかったことによる。


(2)損益計算書
売上総利益率は19.6%で平成19年度より1.8ポイント低下した。A規模企業12.9%、B規模企業16.9%、C規模企業22.8%、D規模企業19.1%。
販売管理費は19年度より0.7ポイント上昇し17.9%、人件費は売上高比で7.9%と横ばい。営業利益率は1.7%となり、19年度に比べ2.5ポイントもの大幅低下。当期純利益率は1.6%と1.8ポイント低下。その他費用に含まれる研究開発費は2.2%と19年度比0.1ポイント上昇した。


(3)製造原価
製造総費用に占める材料費率は79.5%と19年度より0.9%低下した。労務費率は9.6%と0.1ポイント上昇。


(4)財務状況の推移
総資産は平成16年度を100としたとき20年度は102.8と増加した。資産の部では流動資産は減少し、20年度は16年度比94.9となった。有形固定資産は若干減少しているが、無形固定資産及び投資が大幅に増加。純資産(資本)比率は20年度53.1%と16年度に比べ2.2ポイント上昇した。
総売上高は平成16年度を100とすると20年度は108.4と上昇したが、19年度比では5.1ポイント低下。売上総利益が85.3と低下したのは売上原価が116.0%と大幅に上昇したことによる。販売管理費は16年度の20.3%から17.9%と低下している。これは人件費率が9.5%から7.9%へ、荷造り梱包費・運賃率が3.0%から2.6%へ低下したことによる。営業利益率は4.5%から1.7%と大幅に低下。当期純利益率も2.4%から1.6%に低下した。
この5年間の製造総費用のうち材料費は平成16年度より24.2ポイントと大幅に上昇。一方労務費は4.9ポイント低下。減価償却費は36.2ポイント上昇している。

〈経営分析〉

(1)経営分析計数
平成16年度から経営資本の圧縮に努めた結果、20年度の経営資本回転率は19年度に引き続き1.2に上昇。営業活動の効率を表す指標である経営資本対営業利益率は5.0%から2.1%に低下、売上高対営業利益率も4.5%から1.7%に低下した。従業員1人あたり年間生産高は42万9,000円増加したが、従業員1人あたり年間加工高は312万9,000円減少。


(2)収益性
平成16年度比で1企業あたり売上高は123と上回ったが、1企業あたり総利益は96と下回った。1企業あたり営業経費は107と上昇、営業利益は46、純利益は80と大幅に低い指数。
A規模企業は営業経費の指数が最も減少しているが、営業利益は16年度で指数が0を割った。
B規模企業は営業経費の増加率が一番大きく、営業利益は45と低い指数となった。
C規模企業は営業利益、純利益の指数水準が最も高い。
D規模企業は営業利益の減少比率が2番目、純利益の減少比率が3番目。


(3)健全性
当座比率は120.1%と製造業平均の68.1%を上回っている。総資本対純資産比率も53.1%で製造業平均の49.3%とほぼ同じ。純資産対固定資産比率は100.2%で製造業平均の82.1%より高い。


(4)原価構成
平成16年度比で57.5%であった原材料費率は20年度64.1%に上昇した。人件費率は3.0ポイント低下。経費率も1.3ポイント低下。営業利益率は2.8ポイント低下した。
A規模企業は原材料費率が70.7%と1番高く、人件費率は15.7%と2番目に高い。
B規模企業は原材料費率がA規模企業に次いで高く、人件費率は15.0%と低下、営業利益率は19年度より0.8ポイント低下した。
C規模企業は経費率、人件費率が1番高く、原材料費率は1番低い。営業利益は19年度より2.2ポイント低下したが、規模企業で1番高い。
D規模企業は19年度に比べ原材料費率、人件費率、経費率の構成比が上昇したため、営業利益率は3.0ポイント低下した。


(5)損益分岐点の解析
変動費比率はA規模>B>C>Dの順。限界利益比率はその逆にD>C>B>A。固定費比率はC>D>A>B。高いCと低いBの格差は5.7ポイント。損益分岐点売上高比率はA>C>B>D。AとDの差は19.1ポイント。16年度に比べ全体で4.7ポイント上昇しているが、B規模のみが10.7ポイントと大きく低下している。

〈生産に関する事項〉

(1)生産能力と稼働率
機械設備生産能力は298万4,000トンでD規模企業が62.2%を占める。従業員生産能力は220万8,000トン。平成16年度以降、機械設備生産能力は7.6ポイント低下している。


(2)生産形態
出荷数量・金額に対する自社生産と商品仕入及び輸入品の割合は、数量で78対22、金額で77対23。19年度に比べ自社生産比率は数量で2ポイント低下、金額で2ポイント低下した。輸入品数量の割合は出荷数量全体の0.1%。同業者向けの出荷数量は14.8%。


(3)塗料品種別動向
出荷数量の多い上位品目は厚膜型エマルション17万1,151トン(9.5%)、水性樹脂系16万2,510トン(9.0%)、エマルションペイント16万1,093トン(8.9
%)、エポキシ樹脂系14万523トン(7.8%)、ウレタン樹脂系12万8,572トン(7.1%)、トラフィックペイント8万2,294トン(4.6%)。
溶剤系塗料は36.3%(ラッカー含む)、水系塗料は27.4%、シンナーは21.5%。
出荷金額の多い上位品目はウレタン樹脂系947億8,200万円(13.7%)、エマルションペイント586億1,800万円(8.5%)、水性樹脂系570億3,000万円(8.3%)、エポキシ樹脂系557億1,400万円(8.1%)、アクリル樹脂系焼付353億100万円(5.1
%)、厚膜型エマルション307億2,600万円(4.5%)、アクリル樹脂系常乾261億4,200万円(3.8%)。
全体として溶剤系は16年度比0.3ポイント低下し、水系は横ばい。

〈労務関連〉

常勤役員を含む従業員総数は18,627人で、男性15,463人(83.0%)、女性3,164人(17.0%)。臨時従業員の割合は14.2%でA規模12.5%、B16.8%、C13.1%、D14.4%。対前年度比で従業員総数は2.8%減少したが、臨時従業員は9.3%の大幅減。
全企業従業員1人あたり年間労働時間は1,945時間で前年度比37時間減少。1人あたり年間支払賃金は591万5,000円で前年比27万1,000円減少した。年代別では30代31.6%、40代24.6%、50代以上23.7%、20代19.0%、10代1.1%。19年度に比べ10代が0.3ポイント増、50代以上は2.1ポイント減。

〈需要構造〉

19年度に比べ特殊用途用(構造物・船舶・道路車両補修・路面表示)は3.0ポイント、汎用(建物・家庭用)は0.1ポイント増加した。

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