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2010年02月24日

企業動向

「インテリアの壁」を買う 国内初のリテイルストアオープン B.M.ジャパン

米国ベンジャミンムーアペイント(以下、BMペイント)の国内総輸入元・B. M. ジャパン(代表取締役・庄司園子氏)は今春、コンシューマーをターゲットとしたリテール(小売)ストア「Benjamin Moore AOYAMA Flagship」を東京・南青山(青山通り)にオープンする。ライフスタイルの変化から特にここ1~2年、「室内壁仕上げの選択肢としてペイントの市場性が高まっている」と判断したことに加え、新たなマーケティング手法で明確な顧客層を浮かび上がらせたことで自信を深めた。家具などと同じように「インテリアの壁を買う」をコンセプトとした国内初のリテイルストアの挑戦が始まる。
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デザインドウォールの一例

北米のようなコンシューマーに近いペイント文化、とりわけ塗料・塗装による内装需要創出の声を業界で初めて発し、BMペイントを国内に導入、既に20年近くが経過した。この間、設計指定活動や塗料流通代理店網の構築、壁装材大手・サンゲツとのコラボレーション、ドライウォール工法の導入などの展開を図ってきたが、内装仕上=ビニル壁紙といった日本特有の住宅文化、建築事業者のコストや手離れ優先といった障壁に阻まれ、必ずしも当初の期待通りには進展していなかった。


ところがここ1~2年、「需要環境に変化が現れ始めた」と手応えを実感。「長引く不況で外から内へとライフスタイルが変化する中、『住空間の質』にこだわる層が増え、中でもインテリアで大きな面積を占める「壁」が注目され始めている。ホテルライクな上質なインテリア空間、セルフリノベーションによるカジュアルな生活シーンなど『求める空間』を実現する上でカラーバリエーション、テイスト、デザインの自由度などペイントならではの効果が認知され始めている」(同社・八田朋子氏)と説明。こうした機運の高まりを背景に出店の方針を固めた。


同ストアが立地するのは、衣食住に感度の高い層や外国人が多く集まる青山通りに面し、インテリアショップも多く点在する国内のライフスタイルのトレンド発信基地的なエリアだ。
ストアは2フロアで構成され、1階11.02坪、2階17.6坪のスペース。1階は大型ディスプレイに収録された約3,500のオリジナルカラーサンプルから自由に色を選びその場で注文、店頭調色機で「カクテル感覚でブレンド」して持ち帰る北米スタイルのペイントショップ。スピード調色そのものもパフォーマンスとして見せる。
2階は実際にベンジャミンムーアペイントでペイントされた壁、空間を体感してもらいながらデザインの相談や施工の注文も可能なショールームスタイルとなっている。


ストアのコンセプトは「インテリアの壁を買う」。半製品の塗料自体では差別化を図りづらいことから、ベンジャミンムーアペイントで彩られた上質な「壁」や「空間」を買ってもらうスタイル。このため店内の壁面にはペイント仕上げの多彩なバリエーションを表現するとともに、照明はすべてLEDとし、光の色や強度、光と影の演出などで「BMペイントの壁に包まれた上質な空間」をより際立たせていく。
中でも打ち合わせスペースの正面を彩る「デザインドウォール」は、壁一面の中に多彩な色やテクスチャーを樹脂リッチな同品だからこそ表現できるシャープな見切り線で塗り分けた「インテリア壁」。壁そのものを商品(材工で20~30万円)として販売していく。「注文してから家に来るまでにワクワクする高級な家具や調度品と同じような感覚」での受け止められ方をイメージする。


同社では今回の出店に当たり、BMペイントの実際の使用者数十件を訪問。年齢層や年収、家族構成、勤務先、好きな音楽や週末の過ごし方などを調査し、ライフスタイルの共通点を見出すことに成功した。それを基に顧客層のプロファイルを設定して架空の顧客モデルを作り上げ、その客層に向けて商品開発、宣伝・販促をする「ペルソナマーケティング」の手法を展開。立地場所の選定、ストアの作りこみはこれを反映してのものだ。
更に顧客モデルは、「米国ドラマ『24‐TWENTY FOUR-』などが流れているCSテレビ『FOXチャンネル』の視聴者が桁外れに多い」ことも判明。現在、650万世帯が視聴しているという同チャンネルにCMを流す予定で「的確なターゲットに効果の高い宣伝」も行っていく構想。こうした顧客モデルがリードユーザーとなり、需要の裾野が広がっていくことを期待する。


「これまではインテリアシーンにペイントを広めたいとの理念的な性質が強かったが、やはり理念だけでは広がらない。ビジネスとして構築するためには、ターゲット選定と適切なアプローチ手法、具体的に空間を体験できるステージを用意するなどスキームが必要。わずか10坪のスペースでビジネス化できるスキームが確立されれば、他地域への横展開も可能で、地域の事業者に移植していきたい。逆に今回のプロジェクトが通用しなければ、国内でインテリアペイントの普及は不可能」(同社・倉本正氏)と不退転の決意で臨む。


なお、「Benjamin Moore AOYAMA Flagship」のオープンは2月下旬~3月上旬を予定。住所は東京都港区南青山2‐22‐19三和青山ビル1・2階。オープンに伴い現在の千代田区富士見のオフィスから全面移転する。


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