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2010年03月01日

マーケット:海外  企業動向

塗料事業復活へのシナリオ、オリジン電気 上海工場2月に稼働

オリジン電気(本社・東京、社長・柏木俊雄氏)は電源機器からスタート、塗料に関しては表面処理研究の一環として1947年から事業化している。現在ではエレクトロニクス、メカトロニクスの事業を上回る規模に拡大し、同社を牽引するまでに急成長した。09年3月期の売上では、エレクトロニクス部門の売上高151億円を超える159億円を塗料事業(ケミトロニクス)が達成。
しかし一昨年のリーマンショックは同社の事業構造を根底から震撼させた。10年3月期の上期の連結売上は前年に比べ半減近く落ち込み、201億円台から113億円と危機水準になってしまった。損益面では営業損失12億円に達し、四半期純損失は40億円に達した。この中には特別損失、法人税等調整額などが含まれるとはいえ、期初のテーマである「構造改革と新規事業創成」の成果が鋭く問われている。


ここでは同社の塗料事業に焦点を合わせたい。現況について藤澤実事業部長は「本格回復には程遠いが、国内自動車関係が回復基調となり、デジカメなどの光学関係の輸出が好調、海外に関しては第4クウォーター以降の回復に期待したい」との見通しを示す。


塗料事業の売上は08年3月期159億円を達成、その内訳は国内89億円、海外70億円、非連結12億円。これが09年3月期には国内74億円、海外68億円、非連結6億円と売上高142億円に減少。10年3月期予想の売上は119億円を見込んでいる。塗料事業復活の鍵となるのが海外拠点の売上動向。これについて藤澤氏は「主力のOAや携帯電話の回復が予想以上に遅れていたが、下期に入り中国のノートパソコン用などの受注があり回復に弾みがつくのでは」との期待を示す。


金融危機による需要のシュリンクにより塗料事業の構造が大きく変化した。上半期の比較を見ても、売上分野比率は自動車が30%から34%と4ポイント伸長し、自動車関連需要の回復テンポの速さがうかがえる。これに対し携帯電話を含む通信は21%から17%に減り、家電も8%から6%に減。OAは30%から2ポイント増の32%。光学関係は7%と変化なし。


中国を主体としたアジア地域に対しては、ここ数年積極的な拠点投資を実施してきた。その象徴ともいえるのが上海オリジンの新工場立ち上げ。同生産拠点は天津、東莞に次いで3番目。規模はほぼ天津拠点に匹敵する。延べ床面積は9,300m2で、R&D機能を付与している点も天津工場と同じ。上海工場の稼働は2月を予定しており、これに対応し市場攻勢を強めていく。「中国市場は懐が深く、成長力はポテンシャルを含めると巨大。この市場にキャッチアップしたサービス・供給体制の基本ができあがったので、ブラッシュアップして競争力をつけていきたい」という。中国での事業の立ち直りに手応えがある。


海外では北米への対応が課題。アクゾノーベルとの間でグローバル提携を解消し、昨年10月1日付で米国のI.V.C.インターナショナルコーティング社と業務提携を結んだ。当面同社の生産拠点を通じ、日系自動車部品メーカーへ塗料供給をスタート。この春からの塗料生産を予定し、技術供与に関しては環境対応塗料が中心となる。
I.V.Cは1978年設立、従業員は108名のスモールメーカーだが、北米に5工場(ミネソタ、ミシガン、アトランタ、インディアナポリス、アリゾナ)の他、中国・広州とイギリス・マンチェスターに工場を有し、粉体塗料とプラスチック用塗料に特化。「現在新工場を建設中で、北米のデル、アップル、パッカードなど大手ユーザーに供給しており連携を強めることでwin-winの関係に高めていく」(藤澤氏)という。


一方国内市場に関しては選択と集中がテーマ。自動車関連とともに新規分野で需要を創造する。その一環として投入したのがプラスチック用塗料初の塗膜自己復元タイプ。また業界初となるバイオプラスチック塗料の開発、更に新規分野ではLED照明用塗料を開発、実証テストに入っている。
「今回の金融危機で市場局面が大転換した。成長力のある海外事業に関しても戦略を変え対応していかなくてはならない。企業力のトータルな力量が市場から試されている」(藤澤氏)。


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