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2010年03月15日
大規模修繕、公的保証スタート MKS、完成保証は会員のみ対象
同協会は集合住宅の大規模修繕に関わる塗装・防水・設備など専門工事業による日本初の職種横断的な組織として一昨年12月に発足。マンション管理組合など発注側に対する保証事業を柱とし、昨年6月に完成保証・瑕疵保証のダブル保証制度をスタートさせた。
ところが、スタートして間もない8月に保証事業の一時中断を発表。理由は国交省からの要請によるもの。消費者保護を目的に、昨年10月に新築を対象とした瑕疵担保履行法が施行されたが、国交省ではそれ以前から既存住宅のリフォームにおいても同様の瑕疵担保保険の構築を検討していた。
具体的には、新築の瑕疵担保保険と同様、国土交通大臣指定の瑕疵担保保険法人による公的保証で消費者保護を図ろうとの主旨。国は基本的にリフォーム市場の整備、拡大、健全化を図っていく上で、個別の事業者や団体による私的な保証から公的な保証に集約していきたいとの考えがある。このため同協会の保証事業に待ったをかけ、整合のための調整を図るとともに、一方でマンション大規模修繕への公的な瑕疵担保保険適用では、事故リスクのデータ蓄積、物件規模に応じた支払限度額設定など専門性の高い同協会に協力を求める必要性もあった。
国交省、指定保険法人、同協会による協議の結果、昨年12月18日に国交省より瑕疵担保保険法人・ハウスプラス住宅保証に大規模修繕瑕疵担保の認可がおり、新たに「大規模修繕工事瑕疵保険(略称)」が商品化された。
保険に関しては、ハウスプラス住宅保証への事業者登録が必要だが、登録を行えば一般の事業者でも利用できる。ただし適用は瑕疵保証のみで、完成保証までセットで適用されるのはMKSの会員のみ。また事業者登録でもMKSが会員の申請代行を行うため、一般では必要な建設業許可証の写しの提出、内容審査などが簡略化されるメリットもある。更に保険の適用は元請業者が基本となるが、下請専門の小規模会員については協会の保証利用会員枠を設け保険を利用できるようにする。
MKS独自の保証である「完成保証」は、会員元請業者が倒産などで工事が継続できない場合、他の会員社による代替履行の提供によって発注者保護を図る。旧完成保証では管理会社の下請工事でも適用できたが、今回の保証ではマンション管理組合、賃貸マンション所有者からの元請工事に限定する。
この他、前受金は一切受領しない、出来高払いの請求は請求時点の80%以内とするなど協会の標準契約約款に沿った保証利用条件が設けられている。なお、現在協会と全国マンション管理組合連絡協議会などマンション関係3団体で標準工事請負契約約款の書式を作成。民間連合協定工事請負約款委員会に最終案を投げかけており、これまで標準請負約款がなかったマンション改修工事のスタンダード化に向けた取り組みも行っている。
ただ、完成保証制度には保証限度額設定があるため会員でもすべての物件に対応できない場合もある。この点については、「事故リスクなどを見極めながら限度額の拡大を順次進めていきたい」(協会事務局)としている。
一方、瑕疵保証に関しては1)構造耐力上主要な部分2)雨水の侵入を防止する部分3)給排水管路4)給排水設備5)電機設備6)防錆工事を行った手すり等が対象となる。ただし、1)か2)いずれかの工事が含まれていることが必要で、3)~6)単体工事での保険申込、適用はできない。「設備単体工事も多いと伺っているので課題として認識し対応していきたい」(保険会社)。
瑕疵保険の特徴は通常の損害保険では行われない現況、施工中、完了時の検査を伴うことが義務づけられ、施工品質に関する消費者の不安を軽減する。また施工者が倒産した場合、発注者から保険金の直接請求ができるのも特徴。
瑕疵保証期間は工事完了から5年間が基本。ただし、手すり等は2年間、屋上防水工事に係る部分は10年の保険期間延長特約が可能。保険金の支払限度額は1住棟の延べ床面積に応じて5,000万円(200m2未満)~5億円(30,000m2以上)までで、保険料(検査料含む)は工事の組み合わせによって算定される。「限度額は会員社の実績データを基に算定、十分にクリアできる額を設定している」(事務局)。
瑕疵保証は1住棟ごとの保険契約だが、完成保証に関しては複数住棟であっても総請負金額(税込)の0.3%が保険料となる。
新保証制度は今年3月1日から運用予定で、運用後、事故リスクの実態検証による完成保証限度枠の拡大、保証料・保険料の低廉化と保証範囲の増加、国の助成制度(検査料の助成)など今後の検討項目を挙げている。
あいさつした坂倉徹会長は「旧保証制度を一旦中断する事態となり、混乱を招いたことは大変申し訳なく思っております。本日、晴れて新しいかたちで瑕疵保証と完成保証の仕組みをご説明できるに至りました。皆様方にご理解いただくとともに、皆さまのお力もいただき、この制度を成長、進化させていきたい」と述べ、説明会に集まった関係者に向け協力を求めた。なお、同説明会は今月中に全国主要7都市で開催される。
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