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2010年03月26日
新発想から"撹拌機革命" 金属ゴミと塗料溜まり回避 ヤマテック
これまで工業塗装で塗料の混合・撹拌及び塗料缶の塗料の掻き取りに使用されてきた撹拌機の回転体は一般的にクラウン型の撹拌羽根であった。しかし、現場においては塗料缶の隅に塗料溜まりができたり、容器との接触によって金属ゴミが発生し、それが原因で不良に結びつくなどの問題が発生。また空気の巻き込みや塗料の飛び散りといった現場ならではの数々の問題点が指摘されてきた。これらの問題点は塗装するといった本質から外れることもあり、解決に向けた取り組みはなされてこなかった。
今回の発明のきっかけは同社の村田和久専務が塗装ゴミとして糸状の金属粉の発生に目を付けたところから始まる。村田専務は電気関連の仕事を経て3年前にヤマテックに入社。全く塗装の知識を持たず、経験もなかったことが幸いした。既成概念に捉われず純粋に原因の究明ができた。
「一般的なクラウン型の撹拌羽根は塗料缶との接触で糸状の金属ゴミが発生しやすい。またストレーナーによる除去も透過しやすく、ダイヤフラムポンプ内やバルブ類のトラブルの原因になる」と説明する。特に塗料缶の塗料の掻き取りにおいては、一見大きく掻き取れそうであるが、実際は点接点、もしくは線接点であり、非常に効率が悪く缶に対して損傷を発生させてしまうという。
そこから、羽式では抜本的な問題解決にはならないということで、羽根などの突起のない形状を考案し、かつ機能的に撹拌が行える構造を追求した。その結果が半球状で回転軸の中心部分に吸気口を設け、側面部分に吐出口を付け、それをつなぐ通気路を備えた独特のものとなった。吐出口は複数設けられ吸気口及び通気路は複数の吐出口ごとに個別に設けられているのが特徴。
撹拌の原理は1)撹拌体が回転することで横穴部(吐出口)の流体に遠心力が加わり2)竪穴部(吸気口)は横穴の吐出により負圧がかかり流体を吸い込む3)回転体に沿って発生する過流を吐出流体によって整流するため強い撹拌流が発生するということだ。水槽内の実験では竜巻のような流体の上昇にともないいくつもの対流が起きているように見える。
「容器内でいくつかの撹拌流が生まれており、それが液体表面に大きな乱れを生じさせない。また流れが横方向に発生し、かつ吸入が下方のため撹拌体を流体表面に近づけても空気の巻き込みが極めて小さく、(塗料の)飛び散りの少ない撹拌が可能になっている」と村田専務はコメントする。液体の吸い上げ形状によって撹拌流が常に変わるため、プロペラタイプの撹拌では容器の中央に塗料の溜まりができるというが、それも解消された。更に同タイプは起動時の振れが極めて少ないため固定式、ハンディタイプともに攪拌中の安定性が高いという。
同社では60‐70㎜の径の撹拌体を用いて200‐650回転/分で使用しているが、1㎏缶から20ℓ缶まで対応可能(調色カップの撹拌も可能)としており、更に対象液体はシンナー(低粘度)から40秒の高粘度塗料まで使用できるという。また回転体の素材は金属、セラミック、樹脂、ゴム、木材など使用条件に応じて適宜採用可能となっている。
相談を受けた知的財産総合支援センター埼玉では特許流通促進の一環として塗料・塗装業界にとどまらず他産業にも広く紹介する方向で検討している。「まさにコロンブスの卵。関連する特許はなく全く新しい発想」と高く評価する。
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