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2010年04月26日

マーケット:国内  法規・法務  行政・団体

住宅リフォーム 公的瑕疵保険スタート 塗装工事の保証期間は1年間

国土交通省は3月19日、住宅リフォームの欠陥工事を保証する公的瑕疵保険制度を創設したと発表した。同18日付で国交相指定の保険法人・日本住宅保証検査機構(JIO)が業務を開始、住宅リフォーム瑕疵保険制度が実質的にスタートした。構造耐力上主要な部分と雨水の侵入を防止する部分の工事については5年の保証期間が定められたが、塗装を含めたその他のリフォーム工事は保証期間が1年となる。

欠陥住宅、耐震偽装、事業者の倒産など住宅に関わる消費者の不安が高まっている。昨秋、住宅瑕疵担保履行法が制定され、新築住宅に関しては建築業者及び販売業者の瑕疵担保責任を義務化した。
一方、ストック重視の住宅施策の中で既存住宅に関しても消費者保護の枠組みが必要との見地から、前の国交相の諮問機関・社会資本整備審議会(既存住宅・リフォーム部会)が瑕疵保険制度の創設を検討、ここで提唱された基本路線に沿って今回リフォーム保険が具現化された。既に昨年12月にマンション大規模修繕保険と宅地建物取引業者が販売する中古住宅向けの売買保険がスタート、先月8日には個人間の中古住宅売買保険も発売。今回のリフォーム保険の創設で既存住宅に関わる瑕疵保険全種類が揃うことになった。


新築の瑕疵担保が義務なのに対し、リフォーム瑕疵保険は任意。また、新築が構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分を対象としているのに対し、リフォーム瑕疵保険ではリフォーム工事を実施したすべての部分を対象としているのが特徴。建築士など専門家による現場検査のスキームを踏襲、工事品質への消費者の不安を軽減するとともに、事業者が倒産した場合にも発注者(施主)が直接保険金を請求できるなど、工事後の瑕疵保証について安全網を整えた。
保険契約者(被保険者)はリフォーム工事を実施する事業者で、利用に際しては保険会社への事業者登録が必要。第1号で認可された「JIOリフォームかし保険」の場合、建設業許可もしくは過去2年間に新築1件以上(もしくはリフォーム工事3件以上)の工事実績を有することが登録要件。登録料は1万5,750円で、登録更新(1年ごと)は1万500円。


ただし、故意に悪質な工事を繰り返す業者(いわゆる悪徳リフォーム)や瑕疵による事故が多発する業者は登録抹消などの浄化作用が働くため、保険を利用できるか否かが業者選択への消費者のバロメータともなる。保険加入事業者はリストを公開する予定。
また国交省では、住宅リフォーム・紛争処理支援センターで業者から提示された見積もりに関する無料相談や住宅リフォームに関する弁護士や建築士による無料の専門家相談制度を1日からスタート。きちんとした見積もりとその根拠を示す資料などの整備は今後不可欠となってくる。
 これらの制度により「業者選択、見積もりの妥当性、工事の適切性、工事完了後の瑕疵保証といった消費者の不安を軽減。リフォーム市場の健全化、活性化に寄与する」(国交省担当者)と説明する。

工事品質の第一ステップに

リフォーム瑕疵保険の検査料を含めた保険料は工事請負金額帯により概ね4万円から7万円で、支払い限度額は最大1,000万円。保険料は事業者負担となるが、見積もりに入れ込むかどうかは事業者判断。
最大の関心事である対象部分と保証期間の関係は、(1)構造耐力上主要な部分が基本的な耐力性能を満たさないこと(2)雨水の浸入を防止する部分が防水性能を満たさないことについては5年間、それ以外の部分については社会通念上必要とされる性能を満たさないことに関して1年間の保証期間が定められた。
外壁、屋根の塗り替えなど塗装工事に関しては雨水の浸入防止工事に該当せず、1年間の保証期間になる。雨水の浸入防止は防水紙や防水テープ、開口部の枠の取り替え工事、ベランダの防水工事などで、塗装工事は単に表層の仕上工事・1次防水との位置づけ。サイディング材の目地などシーリング工事も同様。


保険法人が想定している塗装工事の瑕疵は著しい白化、白亜化、剥がれまたは亀裂が生じることで、変退色や塗膜の性能・効能など定量化できない部分については対象外。剥がれや亀裂にしても下地の極端な収縮など工事範囲外に起因している場合は免責となる。
保険制度はまだ始まったばかりで、今後さまざまな事例を通じて保証適用範囲が明確化してくると思われるが、塗装工事に関しては保証期間も含め、保険利用による施主への訴求効果は現状薄そうだ。ただし、保険が消費者の業者選択のバロメータになるという意味で影響は無視できない。


消費者は塗装工事に対して漠然と「雨漏り防止」をイメージしているケースも多い。保険利用により雨水の浸入防止5年保証を要求する場面も多いと考えられるが、この場合はっきりと断らなければならずモチベーションを下げる懸念もある。「屋根材や外壁材の適切な塗装メンテナンスが素材の耐久性を維持し、結果的に雨漏りを防止する可能性が高まる」などの論法をブラッシュアップしておく必要がある。
なお、JIOの他、住宅瑕疵担保履行法の指定保険法人5社も相次いでリフォーム瑕疵保険を発売する予定。


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