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2010年05月25日

マーケット:国内

"汚れ除去"市場に成長力 外壁洗浄の現状を探る(建築塗料・塗装特集2010から)

築10年超のストック建築物市場で大きな変化が起きている。それを象徴するのが洗浄マーケット(俗称・洗い)の台頭だ。かつては建築洗浄といえば、高圧洗浄または洗浄剤の塗布が中心であり、塗り替え工事の前処理の位置づけ。ところが建物外壁でタイルパネルやサイディング材が主流になるにつれ、洗浄でリフレッシュするニーズが強まってきた。主役級にせり出してきた洗浄マーケットをレポートする。

洗浄剤メーカーは多いが、ビルメンテと一体で展開するジョンソンなどに対し、塗装工事の前処理で対応する大塚刷毛などに大別され、その両方にまたがっているのが専業メーカーのミヤキといった構図。しかもOEM製品も多く、製品関係は錯綜している。
また、施工に関しても、洗い屋と呼ばれる専業が存在し、塗装請負会社がそこに外注するスタイル。しかし、市場の縮小から内製化の動きも強まっている。洗い屋は大手もあるが、建物クリーニング専業の零細業者も多く、ピラミッド構造を形成する。


大手の洗い屋はビルメンテや建物管理会社の下に組織化されているケースが目立つ。ビルメンテ会社が受注した物件を下請する形で、他から参入しにくい市場構造が見られる。
塗装工事の前処理として行われてきた洗浄分野はあまり注目されてこなかった。あくまでも塗装工事の付帯との見方があったからだ。このため請負塗装会社はクリーニング業者へ外注するスタイル。塗装工事の減少につれて、内製化が顕著となっているが、「洗浄システムの認識とノウハウに甘さがある」(関係者)との見方が強く、うまく洗浄システムをビジネス化できていない実態がある。

前処理から主役級に

建物のメンテナンスの中で洗浄市場が注目されている背景には、巨大なストックが存在する。築10年以上の建物ストックは"汚れ"問題が発生。雨じみ汚れ、クルマからの排ガスによる汚れ、サビ汁汚れなど、汚れは拡大する一方で、対策が遅れ気味。加えて景観への関心から、劣化対策以前の汚れ除去へのニーズが高まっている。とはいえ汚れ除去にコストはなるべくかけたくないとの市場マインドが強く、施工単価は材工で700‐800円と低いのが特色だ。このためパフォーマンスの高い対策が求められる。


ここ数年の傾向として、洗浄市場が大きく成長し、前処理のプロセスから主役級にせり出している。洗い仕事だけ発注する物件の増大が目立つ。建物の外壁素材の変化がこれに大きく関係する。乾式パネル(窯業系ないし金属系)の外装ストックが大半を占め、塗装工事では意匠を塗りつぶすことになるため、浸透性のあるタイプ、ないしクリヤータイプの採用が目立つ。また汚れ除去をして、リフレッシュするニーズが強まっている。
戸建住宅は従来まで高圧洗浄で汚れを落として塗装に入るプロセスであったが、最大200程度の高圧洗浄で汚れを完全に除去することが難しく、特にカビや藻といった菌類が内部浸透しているため、塗装して1年以内にカビが発生しクレームになるケースも多発。ハウスメーカーからは高度な洗浄システムを求める声が出ている。

適正な洗浄剤選択

総合洗浄システムメーカーのミヤキは、汚れの複合化に対し、汚れを放置しておくと素材が劣化し耐久年数が短くなるところから、効果的な洗浄剤の選定が不可欠と訴える。
外壁汚れを大別すると1)エフロレッセンス2)シーリングオイル汚れ3)鉄サビ4)水アカ5)表面劣化に分かれる。こうした汚れの種類に合わせ酸性タイプの「ピカソ」「ビートル」、弱酸性「ピタゴラス」、弱アルカリ性「アクロンAB」アルカリ性「オリーブ」の洗浄剤をラインアップ。
選択を誤まると大きなクレームになるケースも。「汚れの性質を知ることがポイント。アルミパネルや塗装鋼板の場合、経年変化によって表面の酸化皮膜や塗装が劣化しツヤ退けやチョーキングなどが発生します。洗浄剤の使用を誤ると、表面を溶解して素地が露出し、劣化を促進して汚れも付きやすくしてしまう」と警告する。


また、塗装副資材の一環として汚れ対策に対応してきた大塚刷毛の担当者は「洗浄剤の選択が正しければ、汚れ除去はビジネスチャンスになる」と話す。これまで塗装業者は一般的に汚れ除去への関心が低かったため、いち早く汚れノウハウを確立したところが塗り替え工事でも優位になるためだ。
このため同社は塗料販売店とタイアップして洗浄システムの研修会を実施しており、参加した塗装業者から好評。「洗浄の大切さを知った。このノウハウが良い塗装工事に直結する重要な工程なので、この点を訴えることで施主の信頼性は向上する」と前向きの姿勢を示す。


同社では「トレ~ルンシリーズ」に加えピカシリーズをラインアップ。木部のアク・汚れの「アクトリン」の他、排水処理で安全性の高い生分解タイプ「バイオクリーンシリーズ」を展開。
洗浄剤は強酸タイプから環境や作業者の安全を配慮したエコシステムに転換しつつあり、汚れ防止と環境・安全との両立とともに、パフォーマンス(品質とコスト)の競争に入っている。


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レンガタイルのエフロ除去(写真提供:ミヤキ)


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