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2010年05月11日
"塗装教室" 販促効果顕著に 塗料販売店への浸透が鍵
塗装教室の反響の大きさは予想以上だ。当然のことながら塗料という半製品は"塗ってナンボ"の商品性格。にも関わらず塗装を体験させることで、塗料の価値を実感させるという販促は少なかった。開催しても定期開催するケースはほとんどなかった。かつて塗装教室を開催した塗料販売店のトップは「参加者を集めるのが大変で手間がかかる」と語る。
塗装教室というアイデアを持つ塗料販売店は多いことが分かる。問題はその集客方法。これに決め手はない。新聞の折込チラシが一般的だが、コストがかかるのがネック。コミュニティ誌への無料告知、ポスティングなど、定員を満たす参加者を集めるのに苦労した経験を持つケースも多い。
いまなぜ塗装教室なのかを探る必要がある。これまでの塗装教室の集客パターンを見ると、集客力が高いことが分かる。しかし数回続けると集客力は安定化することが判明。その背景を分析すると、潜在的なニーズの発掘につながっていることが大きい。確かに生活者からは見えない塗料のパフォーマンスが厳然としてある。このため「塗料に関心のある一部の生活者の反応」との業界内意見も根強い。
しかしこの業界常識は180度覆された。参加者のアンケートから浮かび上がったのは、塗料への関心ではなく、住空間をなんとかしたいとのニーズ。特に内装の壁・床・天井への関心。ある参加者(中年女性)は「壁紙のシミや黄ばみが気になってしょうがない。仕方なくホームセンターで買った壁紙を上張りしてしまった。壁紙に塗れるなんて知らなかった」と語る。
一般生活者がインテリアを考える場合、盲点となっているのが壁などのインテリアアイテム。好きなカーテン、家具、ライティングを配置しても"いまいちしっくりこない"のは、インテリアの背景となる壁・床・天井とのコーディネートの欠落による。
インテリアアイテムとして塗料が注目されてこなかった理由は2つ。しかも単純な理由だ。住宅のサプライヤーが既製のものとした壁紙を、生活者のテイストと関係なく押し付けてきたこと。2つ目は壁の色や意匠を表現する力は壁紙を上回っているにも関わらず、塗料供給側が説明責任を果たしてこなかったためだ。
決して生活者が塗料を敬遠していたわけではない。塗料業界の因襲として「日本の住宅はペインティングに向かない」「欧米とライフスタイルが違いすぎる」との理由から、家庭塗料という消費者を刺激しないカテゴリーを作り上げてきた。ちなみに世界標準で見ると、家庭塗料はナンセンス。この神話が塗装教室によってもろくも崩れたのだ。
アンケート分析をまとめると、生活者は潜在的に住空間ニーズを強く持ち、環境・安全の配慮の下になんとかしたいというウォンツが存在する。ここに点火したのが塗装教室であったといえる。生活者にとって新しい発見であり、そのことは「壁紙の上に塗料を塗ってはいけないものだと思っていた」との意見に表れている。つまり選択として塗料は想定外であるが、塗料で何とかできるとの思いもあることが分かる。「塗料が臭くない」ことに驚く生活者が多いことにも潜在ニーズの大きさがうかがえる。
塗装教室の効果はストレートだ。参加者が即行動を起こし、そればかりでなく塗料を生活ツールとして認知し幅広く活用したいとのモチベーションを与える。参加者の90%が「もっと塗料を知りたい」「再度参加したい」と回答した結果は塗料文化につながる可能性を示す。ライフスタイルを実現するアイテムに塗料が十分なりうる。
しかし実態的には、販促の最も効果的な方法として塗装教室が塗料販売店に浸透しているわけではない。取り組みたいとの意欲はあっても、担当する人材がいない、企画・アイデアがない、その余裕がないなど、塗装教室に対して懐疑的な反応も依然強い。
塗装教室を事業計画として長期戦略に位置付ける必要がある。思いつきで開催してもムダとロスを生む。人・モノ・金の経営資源を計画的に投入、PDCAを回してノウハウ化していかない限り、塗装教室の定着はない。これを踏まえた企業にとって成果は大きく、新しい需要の創造という成長力をもたらし、塗料販売店の業態を変えるテコにもなりうることは確実。「塗装教室の参加者はほぼ100%固定客化できる。つまりペイントファンとなる。新しい提案で塗装教室をリフレッシュしていくことで、ニーズの変化も呼び込め、塗料販売店の地域における存在感は非常に高くなる」(塗料販売店)。
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