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2010年05月12日

企業動向  技術  設備・機械:塗装機器

窒素利用のスプレーシステム スプレー塗装の概念を変える可能性も

イタリア・ユーロサイダー社(本社・フィレンツェ、社長・OTTAVIO MILLI氏)が開発した「ナイトロサーモスプレーシステム」(写真)の国内展開がスタートした。スプレー塗装において従来の圧縮空気の代わりに加熱した窒素ガスを利用することでVOC削減、使用塗料の低減、更には工程短縮に寄与するメリットがある。このほど国内輸入元がテイク(本社・東京都中央区銀座、社長・淺田博氏)、国内販売代理店が日本ジェット・オン(本社・東京都千代田区外神田、社長・山縣繁晴氏)に決まり、これを受けて両社は日本ジェット・オンの関連会社であるユーポンのラボ施設を利用してユーザーサービス及び販売体制を固めていく。
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窒素は無水でかつ不活性であることから食品、医薬、包装関連で保存・保管に幅広く利用されている。また最近では自動車などのタイヤの空気に代わり窒素(N2)を使用することで酸化防止による長寿命化と走行安定性が高まることから利用者が増えている。
窒素(N2)は空気中の78%を占める。この空気中から窒素(N2)を抽出する技術が今回のナイトロサーモスプレーシステムのキーテクノロジーだ。
ユーロサイダー社が開発したマイクロファイバー濾過システムによって空気中の酸素やダスト、油分、水分及び汚染物質を除去し99.5%の純度の高い窒素(N2)を得ることができるという。更に加熱することで塗料の粘度を下げ、溶剤使用量を削減することも可能。


また加熱窒素(N2)によってフラッシュオフタイムをほぼゼロにすることで塗装時間の大幅な短縮を可能にした。「試験塗装においてはウエットオンウエットで(従来比)40‐50%の大幅な工程短縮と(同)25‐30%の塗料使用量の削減が確認されている」(日本ジェット・オン 籠谷礼二営業本部長)という。加えて同システムにはイオン(+、-)化装置も取り付けられており、これによって被塗物表面の除塵を行うことで塗料の塗着効率の向上及び付き回り性の向上も期待できる。
ガンは使用しているスプレーガンがそのまま使用でき、コンプレッサーからガンまで圧縮空気を搬送している従来のホースをナイトロサーモスプレーのヒーティングホースに付け替えることで容易に切り替えられる。


連続的に塗装を行う場合は窒素(N2)貯蔵タンクを設ける他、コントロールユニットの追加で複数ガンにも対応できるようになっている。「ヒートアップの温度はガン先で常温から約40℃まで上げられる」(同氏)と制御自由度が高い。
既に欧米では建設機械、自動車部品、航空機、木工塗装及び自動車補修マーケットで実績を持ち、「建設機械などの厚膜が求められる塗装においては加熱した窒素(N2)が有効に寄与し、工程短縮と大幅な塗料使用量の削減に結びついている。また木工関連では1.5倍の生産性の向上、更に自動車補修でも工程短縮と生産性のアップから採用率が高い」(テイク・ナイトロコーティング事業部 今井春三営業部長)とコメントする。


極東地区の総代理店であるNITROTECH COATINGS PTE,LTD(本社・シンガポール、社長・Allan Morrison氏)の1年半に及ぶマーケットリサーチが終わり、国内においても自動車補修及び一般工業用向けのスプレー塗装を対象に販売を進めていく方向にある。既にユーポンのラボで試験塗装を行っており、「自動車補修、一部工業用製品の塗装については期待通りの結果を得ており、試験塗装を進めながらデータ取りを行いユーザーごとの対応を図っていく」(日本ジェット・オン 籠谷礼二営業本部長)考えを示す。
同ナイトロサーモスプレーシステムの価格は窒素(N2)生成量(抽出量)に応じてJ10‐J120まで7機種揃っており、価格は400万円台から2,000万円台となっている。「目的、使用量に応じて選択して頂ける。リースも組めるので塗料消費の多いユーザーは短期間に償却できるのではないか」(日本ジェット・オン 籠谷礼二営業本部長)と導入効果を強調。
VOC削減からさまざまな対策が進められる中で水性塗装のニーズは高い。しかし現状の水性塗装は作業性、仕上がり外観、コストアップなどの理由で採用が遅れている。今回の加熱した窒素(N2)を利用することによってウエットオンウエットで塗装が行えかつプレヒートゾーンがほとんど必要なくなることから水性塗装の新たな道を拓く可能性を持つ。


輸入元のテイクと日本ジェット・オンの両社は国内の販売に向け展示会への出展や定期的なセミナー及びオープンラボ日を設け体験塗装を通して同システムの有効性を体感してもらうとしている。


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