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2010年05月17日

企業動向  技術  製品:塗料

PVDFタイプのエマルジョン塗料化に成功 「VINYCOAT PVDF アクア」 東日本塗料・三井物産ケミカル・アルケマ

東日本塗料はフランス・アルケマ社が保有するPVDFタイプのフッ素樹脂エマルジョンKynar Aquatec(カイナーアクアテック)をベースにした水性1液エマルジョン塗料の製造に成功。このほどライセンス契約を結ぶとともに、橋渡しをした三井物産ケミカルが塗料販売を行うことで共同で事業を進めていくことを明らかにした。

東日本塗料は4年前に塗料事業の主体を溶剤タイプから水性タイプに大きく舵を切る中で、原料メーカー、化学品商社などとディスカッションを図り、マーケットのニーズを探っていた。そのような時に三井物産ケミカルから今回のテーマが持ち上がった。
Kynar Aquatecは焼付タイプのフッ素樹脂(PVDF)のエマルジョンタイプで、優れた環境対応を示すものの、エマルジョンの安定を保ちながら塗料配合を設計することが難しいことから塗料化が遅れていた。今回3社のコラボレーションによってクリヤーコートの「VINYCOAT PVDF アクア」の製品化に成功した。


「塗料化を進める中でPVDFの樹脂コンテンツが50%を切らないレベルを維持し、塩ビの可塑剤の移行を抑えるとともに耐汚染性を高めるためポリマー技術を援用すると同時に塗料の極性を親水性にした」(東日本塗料)。
既に塩ビシート(反物)に向けてサンプル出荷を行い、評価を進めている。「塩ビシートに対してはベタツキもなく、軟化素材への追随性もいい。光沢保持率を含めた塗膜性能は良好だ。評価の中でさまざまなニーズが上がってくると思うが、すべてに対応するのは困難なので最大公約数的なところで対応を図っていきたい。特にライン適性を含めた粘度、固形分の調整やハンドリング性は求められる。その中からスタンダードな製品を見極めていく」(三井物産ケミカル)とコメントする。


塩ビシートは耐摩耗性などの要求性能が高く、かつ現状では2液の溶剤系塗料を主体に使用されている。同社は今後の環境対応をにらみ、水性塗料のメリットを訴えるとともに「塗料単価は数倍アップするが、ユーザーサイドが『新しい素材』と位置づけられる付加価値の高い製品提案を行っていく」(三井物産ケミカル)考えを示す。
販売を担当する三井物産ケミカルは今年度中に海外(中国、東南アジア、米国)にもサンプルを供給し、2012年3月期までに10億円の売上高を目指す。これに伴い東日本塗料は生産設備を整えるとともに、海外においてはライセンス供与を行っていく方向だ。「当面生産に注力していくが、国内でもマーケット調査を行い、我々のルートで供給できるところは供給していく」意向。


なお製品はPVDFのコンテンツによって360、361、362の3製品をラインアップ。また乾燥条件は常乾から120度の強制乾燥まで対応可能だ。


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