ニュース
2010年07月12日
"混ざり合い"が色彩活力に カラーワークス パレットビル 開放的劇場空間を創造
カラーパレットビルは東京・東神田に立地。決してトレンディスポットではない。むしろ周辺の繊維問屋街は衰退し、空ビルやシャッターを下ろした商店が増えている。しかしこのエリアは古くからのファッション文化が根付き、都心に近い。
この東神田が今大きく変貌しつつある。6~7年前から地域の商店街や住民が街再生の動きをスタート。いわば東京版のソーホーづくりに活気を見せる。
カラーワークスが新展開の拠点として注目した理由は、色彩を通じて街の再生・活性化に寄与できる可能性と同時に、従来以上に業種を超えた「人と人との混ざり合い」にポテンシャルを見出したからに他ならない。「既存のトレンディスポットはいろいろな意味で固定化され、イメージもコンサバティブ(保守的)なものとなっているので面白くない。むしろリアルかつ流動的な変化が起きているスポットに立地することがカラーワークスの使命に合致すると考えました」(秋山千恵美氏)とコメントする。
カラーワークスパレットビルのプロジェクトは半年前に始まった。東神田エリアの再開発に関与している小松裕行氏をプロデューサーに委嘱、建築設計は若手設計士40名に選ばれ注目されている吉村靖孝氏とカラーコーディネーター・秋山千恵美氏の3人がプランニング。築50年の古いビルのリノベーションを行った。
内外装はオールペイントでリニューアル。プロデューサーの小松氏は「塗料をこれだけ徹底的にハンドリングした経験は初めて。新鮮な手応えを感じた。率直な感想は、塗料は難しい。されどそこがまた魅力」と語る。設計した吉村氏は「自然素材を最大限に生かしていくコンセプトが自分では強かったので、逆行した方向。でも古いビルの骨格をうまく利用しつつ、廃材を極力排出しないエコなリノベーションとして塗料の活用には潜在的可能性を実感した」と感想をもらす。
完成したビルは古ビル再生には見えない。むしろ新築を上回る存在感とユニークな内外観。4階建て、地下と1階はレストランがテナント、2-4階がカラーワークススペース。ファサード(正面)は南向きであるため、側面と光の反射の変化を配慮してホワイトのニュアンスを調整し、よりホワイト感を引き出している。またパレットの名にふさわしく、正面外壁の凹部にカラーパットを配し、巨大なカラートーン配列を見せ、ユニークな意匠性を付与。
内部は階段スペースから色彩によるワクワク感が感じられ、プレゼンテーションスペースにはペイントカラーとF&B社のウォールペーパーとの組み合わせディスプレイ、塗装教室スペース、オフィススペース、屋上には植栽されたガーデンスペースを配置。
用賀のカラーワークスのショールーム機能からは大きくステージを変えている。業種を超えた人的交流から生み出される創造的な力をテコにカラーワークス自体が変身していくスタイルを象徴するかのよう。東京のソーホーに出現した新しい劇場空間ともいえる存在感がある。カラーワークススタッフは「これまで以上に刺激的な雰囲気がある。カラーワークスが街の再生と一体となって変化していくことによって、このバージョンがいろいろ形を変えて色彩提案につながっていけば」と話す。
秋山社長はパレットの方向性として「カラーワークスがこれまで築いてきたノウハウをパレットの在り方に込めている。これから大切にしたいポイントは開かれた形での展開。塗料の色彩力は基本ですが、それだけにこだわるのではなく、クロスオーバーする色彩の力をここから創造していく。完成形ではなく、流動性の中にこそ我々のビジネスモデルがある」と述べた。
◇所在地:〒101-0031東京都千代田区東神田1-14-2、TEL03-3864-0810、FAX03-3864-3375
★★★★★ニュースランキング
この記事の平均スコア:5.00|この記事の合計スコア:5 ※1日一回データルームページで集計結果が更新されます。