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2010年08月17日

法規・法務  環境  行政・団体

VOC排出抑制 環境省平成20年度 12年度比35.4%減 景気後退で削減目標達成へ

平成22年度までに平成12年度比30%削減を目標とするVOC排出抑制法は、その最終年度にあたる。景気後退から削減目標を上回る結果が得られている中で、23年度以降の規制の方向性に関心が集まる。VOC対策の最終目的である浮遊粒子状物質の削減を目指す上で、因果関係など不確定要素も多く、調査精度の向上を図るために改善検討が続けられている。

環境省は平成21年度のVOCインベントリ分析を行い、平成20年度のVOC排出量推計結果は91万1,546トンと前年度比9.5%減、基準年となる平成12年度比で35.4%減となり、目標である平成22年度30%減を前倒しでクリアしたと発表した。
これに対し環境省は「ベストミックスによる自主取組の効果と景気後退による産業活動の停滞が寄与したとみられる」と説明。21年度は引き続き景気後退が続いたことから20年度実績を上回る削減率を想定。最終年度となる22年度については「景気回復から揺り戻しが想定され、予断を許さない」と説明するも、30%削減は達成するとの手応えを見せている。


インベントリを詳しく見ると、発生源品目別のVOC排出量で最も多い塗料は、排出量32万8,754トンと対前年度比10.8%減、12年度比では38.5%減と全体平均を上回る削減結果に。全体シェアは36%となった。物質別では、キシレン類及びエチルベンゼンが最大で9万6,026トンと前年度比12.4%減、12年度比55.5%減。続くトルエンも8万6,513トンと前年度比15.2%減、12年度比56.8%減といずれも大幅に減少した。


都道府県別では、愛知県が最も多く5万9,889トン(12年度比43.2%減)、以下静岡県4万8,946トン(37.5%減)、埼玉県4万5,598トン(49.1%減)、神奈川県4万2,195トン(40.1%減)、茨城県4万1,722トン(33.7%減)の順。
また業種別排出量トップである輸送用機械器具製造業は11万6,081トンと前年度比10.9%減、12年度比36.8%減となった。


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自主的取組を拡大か

平成18年4月にスタートしたVOC排出抑制法の目標達成が現実味を帯びたことで、今回初めての試みとなった法的規制と業界団体による自主行動計画によるベストミックスによる制度設計はひとまず成功の形を見せている。業界団体40、9,792事業者が参画する自主的取組の効果も20年度実績でVOC排出量28万3,000トンと12年度比46%減。法規制対象施設を上回る寄与度を見せている。


しかし、これらのインベントリにも多くの課題を残している。削減効果の把握に努めることを目的とする一方で、VOC排出抑制対策の取組みを評価するための排出量削減要因の解明を行う必要があるためだ。そのため21年度、22年度の排出量推計調査に向け、排出量削減要因の解析法令取扱分類別排出量の精度向上及び業種ごとの把握アルコール系工業用洗浄剤の大気排出率の設定都道府県別排出量の検証などについて、検討・改善を行っていくとしている。


また来年は、見直し規定を定めた法施行5年後にあたる。平成23年度以降の制度設計に対し、産業界の関心が集まるところ。中央環境審議会大気環境部会は6月1日、揮発性有機化合物排出抑制専門委員会(第13回)を行い、今後のVOC対策の在り方の検討について議論を交わした。
環境省は今後のVOC対策に際し、VOCの物質別SPM生成能、超越大気汚染・発生源別寄与、VOCと光化学オキシダントの因果関係の検証、原因物質の対策技術及びコストなどの情報収集を必要とした上で、新たな知見を踏まえた今後の対策の検討をしていきたいとの方針を示す。つまりVOC排出削減については、ベストミックスによる制度設計が寄与したと評価する一方で、VOC削減の本来の目的である浮遊粒子状物質の削減に向け、因果関係の解明を含めた精度向上を図りたいとの意向を持つ。


そのため環境省は、23年度以降のベストミックスの再検討も視野に入れ、年内にワーキンググループを設置する予定。先述した情報収集も含めて、合計3回の検討会を経て、年内をめどに検討結果を報告するとしている。
同委員会では、今後も事業者の自主的取組による対応を拡大させたいとの意向が垣間見られる。ただ、精度向上には業界団体に属さないアウトサイダーの参画が不可欠との認識。自主的取組への参画拡大を図るため、「産業界のモチベーションを引き上げる制度設計をお願いしたい」との意見が出された他、「アウトサイダーに対して更なる情報提供が必要」「金融優遇、税制優遇などインセンティブも必要ではないか」との意見が出された。


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