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2010年08月27日

企業動向  技術

塗料使用量30%減、VOC量40%減 中国塗料 次世代・加水分解型船底塗料

中国塗料(社長・植竹正隆氏)は塗料の使用量を30%以上、VOC量を40%以上低減可能とした新規加水分解型ポリマーを採用した船底塗料「SEAFLO NEO」(シーフローネオ)を上市した。新規ポリマーは独立行政法人・日本中小型造船工業会と共同開発。ポリマーの低粘度化とレベリング性を向上させ世界初の技術を確立した。同社は次世代・加水分解型船底塗料の柱としてグローバルに展開していく。

「SEAFLO NEO」は従来の加水分解型船底塗料の設計思想を180度転換したところに画期性がある。一般的に加水分解タイプは、塗装直後は表面粗度が高く、船底の運行に伴う摩擦抵抗により塗膜が溶解、防汚剤成分が流出し平滑化することで燃費効率を高めるメカニズムであった。


共同開発した新規加水分解ポリマー(国際特許申請)は溶剤含有量を減らしたにもかかわらず低粘度化を実現。ワニス組成に関しては公表していないが、低粘度ワニスの使用により塗料中のVOC量40%以上の削減を可能とした。通常は低粘度化に伴って溶剤分は増える傾向にあるが、新規ポリマーは逆の設計思想を持ち込んだ。VOC40%以上低減は塗料そのもので達成し、総使用量レベルで見るとトータル60%以上の低減が見込める。船底塗料の分野のVOC排出削減は一番遅れていただけに、市場関係者からは一気に低VOC化が加速するとの見方が出ている。


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またSEAFLO NEOの特徴は、塗装直後から極めて摩擦抵抗の少ない超平滑塗膜を形成する。新規ポリマーを含有したワニスのレベリング性が高いためだ。これによって船舶が静置(係留など)した場合でも防汚性能が低下しにくい。


そして最大のメリットは30%以上の塗料使用量の削減。塗装工程や合計膜厚は通常と同じ。固形分のコンテンツが高い分、使用量は減少する。価格設定は未定だが、造船所側にとって採用メリットは大きい。


一方加水分解型船底塗料のセールスポイントである燃費効率に関しては、従来タイプに比べ3~5%の低減レベル。この水準はSEAFLO NEOのラボテストでの数値8%減をベースに期待値を想定したものなので、実船での燃費効率は上回る可能性が高い。加水分解型船底塗料として世界トップレベルの燃費削減が期待されている。


事実、4月より船主、造船会社などにSEAFLO NEOのデモンストレーションをしたところ、「非常に手応えがある」(担当者)と採用に向けた動きが本格化する気配。実船テストは弓削丸で1年あまりの実証データがあるものの、練習船のためデータの信頼性があまり高くなく、8月初旬、大型コンテナー船で塗装された。塗装は中国・香港のドッグで行われ、修繕船での採用だ。


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更にSEAFLO NEOはポリマーの塗膜更新性の制御により、防汚持続性能を大幅にレベルアップ。防汚効果は60カ月(5年間)以上持続という世界トップレベルを確立。しかも船舶の種類や運航条件に左右されることなく防汚持続性を保持する。このため幅広い運航条件に対応できる防汚性能と燃費低減効果を有している。


同社は外航船用としてSEAFLO NEOを拡販していく。中期的には同社・加水分解型船底塗料「シーグランプリ」に匹敵する中核商品に育成したい考え。現在世界的には高速船の船底塗料としてシリコンタイプの採用が増えているが、シリコンタイプは塗装条件が厳しく、高コストなどの制約がある。中国塗料のシリコンタイプ「CMPバイオクリン」の引き合いも増えているが、同社では運航条件に左右されないSEAFLO NEOの市場性は非常に高いとの見方を示す。



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