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2011年02月23日

マーケット:国内  企業動向  技術

トピックス 自動車塗装・コンパクトラインの追求 塗装技術協会 講演会

日本塗装技術協会は2月4日、日本ペイント東京事業所で講演会「自動車塗装の最新技術動向とStrategy」を開催した。当日は会員など160名ほどが受講した。今回は自動車塗装に焦点を当て、材料、設備、海外動向、カラーデザインをポイントに最新の技術動向を解説し、今後の方向性を探った。


「自動車塗料の技術動向」 加佐利章氏(関西ペイント)

自動車塗装に関して、加佐利氏は「2000年以降、『いかにコンパクトで省エネルギーの塗装工程を考え、それに対応できる塗料を開発していくか』という流れに一気に変わった」と指摘。塗料メーカーとして"塗装工程ありき"の中で技術開発を進めてきた。
そこで重要視されてきたのが塗装工程の短縮化で、その1つが3wetシステムの改良となっている。今後の重要テーマの1つが「水性3wet2プレヒート」から「水性3wet1プレヒートシステム」への移行。
必要な要素技術としては、ある一定の膜厚の水性塗料同士をドライアップなしでいかに塗り重ねを成立させるか。これまでは混層による色不安定、仕上がり不良、ワキなどの重大欠陥が生じるため2プレヒートを余儀なくされてきた経緯があり、「この部分をブレークスルーできる明確なロジックに裏付けられた技術(塗料と設備)と自動車メーカー担当者様とのコンセンサスが必須」(同氏)。

「自動車塗装の海外動向」 柴藤岸夫氏(BASFコーティングスジャパン)

柴藤氏は最近の海外メーカーの自動車塗装の取り組み状況を紹介した。
GMは現在10工程ほどあるリン酸処理工程を、工程が少なくかつ常温で処理できるプロセスに取り組んでいる。更に3wetでは、溶剤型ハイソリッド塗料を使用しメキシコのTolucaで2007年から稼働しており、水系3wetへの取り組みも進められている。
フォードはVOC・CO2対策は水系ではなくハイソリッド塗料で取り組むという一貫した姿勢を示す。その理由としては①更なる高固形分化が期待できる②塗着効率が良い③塗装ブース条件の制御を厳しくする必要がない。
ハイソリッド3wetラインを2006年オハイオ、2009年インド、2010年メキシコに立ち上げている。
BMWはMINIの塗装ラインに特徴がある。このラインは中塗りを省いた工程となっており、既存工場の現有設備の中で生産能力を倍増させる必要性から生み出された。
電着塗装された車体は上塗りゾーンに移り、耐チッピング性及びUV光の遮断などの中塗り機能を持った第1水系ベースコート、その後に通常の水系ベースコートを塗装する。その後フラッシュオフし、2液クリヤーを塗装し焼付乾燥の工程に入る。
このラインは車がMINIという特殊なデザイン及びカラーパレットであることが幸いし、2004年1月のプロジェクト開始からわずか2年半で立ち上げに至っている。

「100%電気自動車LEAFのカラー戦略と想い」 吉富京氏(日産自動車)

吉富氏はカラーデザインについて①記憶に残りやすい。そのため商品を印象付ける重要な要素となる②色によって雰囲気が変わる。そのためお客のニーズに対応できる③誰もが意見を出しやすい。そのため理論立てて説明できなければならない―と説明した。
また、ブランド力向上については「親近感、信頼性、独自の価値観の3つの要素がうまく融合する必要がある」とした上で、そこでデザインが重要な役割を担うとの見方を示した。
同社では昨年電気自動車LEAFを発売した。「他社に先駆けて電気自動車のマーケットをリードすべく、LEAFのカラーデザイン開発には全社一丸となった想いと戦略がある」。
カラーは「環境イメージの起死回生をアピールする色」をコンセプトにしたアクアブルー。近年の自動車カラーでは、ホワイトやブルーがトレンドとなっており、そのトレンドをリードする意味も込められている。「その中で秀でるカラーデザインを目指した。世界一美しいブルーを創るという想いが込められている」。3コートパールメタリックを採用している。

「自動車塗装の動向と将来展望」 石井正彦氏(トヨタ自動車)

石井氏は車両軽量化に向けたボディー外板の樹脂化に対する技術課題として、樹脂部品の塗装での焼付温度の低温化を挙げた。「インライン塗装化には100℃以下の低温焼付塗料の開発が必要」と指摘した。
また、意匠開発の今後の方向性について言及し、世界的にシェアが高い無彩色のホワイトパールやシルバー、ブラックなどで新規質感の開発を進めていくとした。コンパクトカーを中心に拡大している有彩色では「車両コンセプト、お客様の嗜好に合ったカラーの開発が必要」と同氏。その他として、欧州コンセプトカーなどでは艶消しや印刷、フィルム仕上げなど多様化傾向が見られると紹介した。
最後に更なる高機能化塗料として、爪や鍵でも傷が付かない・復元するものや、汚れがつかない・水洗いだけできれいになる塗料など、「使いやすさを追求していくことが魅力ある商品につながる」と述べた。
その他に「自動車塗装設備のCO2削減と最新技術」(石田浩三氏・大氣社)の講演があった。


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