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2011年07月14日
世界トップの燃費低減10.5% 関ペ・NKM「タカタクォンタムX‐mile」
関西ペイントの船舶用塗料販社、NKMコーティングス(本社・東京、社長・本田芳裕氏)は17日、燃費低減10.5%を実現した新世代型船底防汚塗料「タカタクォンタムX-mile(エックス-マイル)」を開発、6月中旬から販売を開始すると発表した。本社で開催された製品発表会には関西ペイントの石野博専務取締役、NKMの本田芳裕社長、同社企画室長の岸上豊氏が出席。
冒頭あいさつした石野専務は「CO2削減の新エコロジーと、燃費低減によるエコノミーの2つのメリットでインフレファイターとして市場にアピールしていきたい」と強い自信を示した。
加水分解型船底塗料「タカタクォンタム」は上市以降15年以上が経過し、世界中で6,000隻を超える採用実績を持つ。加水分解タイプとしては世界トップクラスとの評価を得てきた。その次世代型となれば世界が注目する。それだけに"クォンタムを超えるクォンタム"といった高い性能レベルが求められていた。このため5年以上を新クォンタムの開発に注力し、震災でずれ込んだもののこの日の発表を迎えた。
競合各社に比べ次世代タイプで開発は遅れたものの、そのタイムラグを埋めるに十分なコンセプトを盛り込んでいる。最大のセールスポイントは燃費低減率10.5%の実現。2ケタの省エネ性能を全面的に打ち出したのは「X-mile」が初。「世界最大級の燃費低減」(本田社長)と自負する。
10%を超えるレベルを実現した技術は、まず第1に次世代シリル樹脂「シリルメタクリレート」の導入。現行のクォンタムのシリルアクリレートにメチル基を付与することにより、加水分解時の体積収縮の緩和に成功。通常のタイプに比べ、初期の平滑レベルを長期にわたり保持する性能が格段にアップした。またクラックやフレーキング(表面のはがれ)への耐性が強まった。
加えて自動車塗料技術を活用したレオロジーコントロールに新規性がある。数十ミクロン単位の自動車塗膜のレオロジーを数百ミクロンオーダーの船底塗膜に応用することは非常に困難が伴う。レオロジーの挙動そのも‐が大きく異なるからだ。しかしうまくコントロールできれば効果は十分見込めることになる。「X-mile」はこの効果で初期表面の平滑性を確保。拡大写真でチェックすると、その平滑度は一目瞭然。フロー性が向上したため、塗装作業性が従来品に比べ20~30%時間がかかる。高いレオロジー性を付与するには、ゆっくり塗る必要があるためだ。
10.5%の燃費低減の根拠として、同社は「X-mileプロトタイプの塗装により、ドック間のスピードロスの増加を1.5%以下に抑制できることが確認されている。MARINTEKのドック間の平均スピードロスデータ5%と比較すると3.5%以上の改善となり、このスピードロスをシャフトパワー負荷上昇(燃料消費)に換算すると約3倍に相当し、10.5%の燃費低減効果が見込まれます」(本田社長)と説明。
また燃費低減効果の検証を、横浜国立大学大学院海洋空間システムデザインコース・鈴木和夫教授が指導して行っている。平板模型での回流水槽試験で、現行クォンタムとの初期段階比較で約6%の摩擦抵抗軽減効果があるとの結果が得られた。
既に実船20隻でテストを行っており、6月中旬の発売から初年度5億円(200トン)、3年目には年間12億円の売上目標達成を目指す。グローバル展開のパートナーであるノルウェーのヨートン社のネットワークを活用した供給を行う。
これにより3年後、NKM+ヨートン連合で世界シェア27%を30%までにアップしたい意向。現行クォンタムからの移行とともに、新規シェアの拡大を図っていく。
◇「タカタクォンタムX‐mile」ラインアップと容量・価格
タカタクォンタムX‐mile001=外航船用低摩耗(20kg)50,000円、同002=外航船用中磨耗(20kg)50,000円、同003=外航船用高磨耗(20kg)50,000円、同005=内航船用低摩耗(20kg)50,000円、同006=内航船用中磨耗(20kg)50,000円、同007=内航船用高磨耗(20kg)50,000円。
◇10.5%の燃費削減は同社のシミュレーションによると、30万トンクラスVLCC(60カ月仕様)で11億5,700万円、大型コンテナ船(同)19億2,800万円、1万トンクラスの内航フェリー船で7,700万円の燃費を減らすことにつながる。重油価格は600米ドル/トン、USドル=85円で換算。
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