2017/03/17 14:40

復旧から復興へ、70社が集結 塗魂ペインターズ 熊本ボランティア

塗装による社会貢献活動団体「塗魂(とーこん)ペインターズ」(会長・宮嶋祐介氏)は2月中の土曜、日曜の計8日間を使い、熊本県南区の隈庄幼稚園(園長・山岡喜美子氏)で塗装ボランティアを行った。被災地での活動に全国から駆けつけた塗魂メンバーは70社にのぼった。最終日の26日にはライオンズクラブのメンバーが炊き出しを行った他、同園の先生や園児たちも参加し、メンバーとともに幼稚園の壁の塗り替えを手伝い、色彩で元気になった園児の姿が印象的だった。

今回ボランティアを主催したのはライオンズクラブ国際協会。同クラブ城南地区の永田伸治会長は「震災以降、眠れない子や怒りやすくなった子などが多くいた。そんな子どもたちの気持ちを少しでも明るくしたい」と今回の企画の主旨を話す。
塗り替えが行われた隈庄幼稚園は震災以降、100箇所以上にクラックが入り、地面のズレで水道管から安定的に水が出ないことなどから1カ月間休園。開園後には区の施設課が応急処置としてクラックを補修したが、余計に目立ってしまうため、怖がる子どももいたという。山岡園長は「開園直後も怖くて幼稚園に入れない子ども、性格が暗くなってしまった子どももいた」と話す。影響はそれだけではない。震災後は子どもたちの描く絵に色がなくなったという。


園長からそんな園児たちの状況を聞いた永田氏は交流のあった塗魂ペインターズのメンバーである遠山剛氏(ふじ美塗装)に相談した。そこで塗魂ペインターズの活動を聞き、ボランティア協力を依頼。昨年10月には古くなった遊具倉庫を塗魂のメンバーや園児たちとともに塗り替えた。遠山氏は「私自身震災後にガレキの山を多く目にし、色がなくなっていく感覚を経験しました。色をつけることで生きるパワー、魂をもう一度取り戻してほしい。色をつける仕事ができる我々だからできることを行いました」と最初のボランティアを振り返る。
今回行ったボランティアは幼稚園の外壁や柱、天井、室内廊下の壁など多岐に渡った。屋根の軒先の塗装には高所作業車を使うなどかなり大掛かりな工事となった。塗り替えにはメンバー70社が集まりともに塗装を行う。ボランティアに参加した塗魂ペインターズのメンバーは口々に「助けを求めているメンバーを助けたいという思いで来た」と話す。困っている人を助けるというとてもシンプルな理由。塗魂ペインターズの宮嶋祐介会長は「今回はメンバーのみんなが協力してくれて、こんなに大きな活動になった。このような輪をもっと大きく、強くしていきたい」と語る。

最後はみんなで塗装

最終日の26日には同園の先生たちが作った『みんなでいっしょにがんばろう』と書かれたのぼりを掲げ、園児たちが協力し塗魂メンバーとともに塗り替えを行った。一生懸命塗る姿に塗魂メンバーにも笑顔がこぼれる。ときには園児を抱きかかえながら届かないところを塗装するなど一緒に塗り上げた。園児たちともすぐに打ち解け、塗り替え終了後は塗魂メンバーと一緒に園庭内を駆け回るなど一緒に遊ぶ姿が見られた。
その後行われたセレモニーでは、園長から塗魂ペインターズやライオンズクラブに感謝状が送られた他、園児から協力者全員へ、ありがとうの気持ちを込めた手づくりの首飾りがプレゼントされた。また、関西ペイントのゆるキャラ「しっくい丸」が登場し、園児たちと触れ合った。その後、ライオンズクラブのメンバーが炊き出しのカレーを振舞った。


山岡園長は「たくさんの人たちの暖かさに私たちだけでなく園児も触れることができました。私たちは小さい頃からたくさんの人たちと関わることで感謝の気持ちや思いやりの心が育つと考えています。そういった意味でも塗魂さんをはじめたくさんの人たちと触れ合えたことは貴重な体験でした」と微笑む。
遠山氏は「全国から来てくれた仲間たちのおかげで無事ボランティアを行うことができました。現在熊本ではかつての姿を取り戻すべく、各地で復旧活動が進んでいますが、自分たちでより強く立ち上がれるように、これを機に復旧から復興へと歩みを進めたい」と力強く語った。

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隈庄幼稚園

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届かないところは抱っこしながら塗装

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左から山岡園長、塗魂宮嶋会長、遠山氏、ライオンズクラブ永田氏

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