社会インフラ保全特集 社会資本を守る塗料・塗装の役割

「世界で揉まれた技術」で
インフラに貢献

ジャパンカーボライン

東京国際フォーラムの雄姿を守っている

重防食塗料の世界的なトップランナー・米国カーボライン社を親会社に持つジャパンカーボライン(本社・東京都江東区、社長・猿渡晋吾氏)。国内メーカーとはひと味違ったアプローチが光る。

カーボライングループは世界に100を超える営業拠点と25の製造拠点を構え、ワールドワイドにビジネス展開しており、「極寒の海上、灼熱の砂漠など世界の過酷な環境下で人類に必要な施設をまもり続けている当グループの重防食塗料。世界で揉まれた製品、技術、サービスを国内市場に提供し、社会インフラをまもるのが当社の役目」(猿渡社長)とミッションは明確だ。

重防食塗料のフィールドはその性質上JIS品が偏重されがち。海外品にとってはある意味逆境ともいえる市場でありながら、メキメキと頭角を現しているのが「世界で揉まれた塗料」の強みだ。その1つの分かりやすい例を「ラストボンド」という製品に見ることができる。

社会インフラの維持保全に必須のメンテナンス塗装で最も重要な工程が素地調整(ケレン)。さびの除去の精度が塗膜品質に直結するからだ。しかし現実的には、動力工具が入らない狭い局所、サンダーの火花を嫌う火気厳禁エリア、ケレンで穴が開きそうな部位など十分な除錆が行えない箇所が多数存在する。対応のしようがなく"お手上げ"と諦めていたこれらの場面で問題解決を図ったのが「ラストボンド」だ。

最大の特徴はさびへの脅威の浸透力。毛細管現象によってさびのすみずみまで浸透した樹脂成分がさびの助長を抑え、除錆不足を強力にカバーする。言わば物理的に取りきれないさびを抱き込んで抑える新たな発想で問題解決を図ったもの。その後、国内メーカーも同じような機能、目的を持った製品を相次いで投入したように、重防食塗料の1つのカテゴリーを形成するさきがけとなるとともに、性能本位でトップブランドに君臨している。

同社のもう1つのスタンスが独自性の発揮で、やはり性能本位で存在感を高めていきたい方向。その考えのもとで市場に強く打ち出していきたいのが、厚膜形無機系ポリシロキサン塗料「シロキサンエース」だ。キャッチフレーズは"ふっ素を上回る超耐候性塗料"。

社会インフラの維持保全を図っていく上で、当然のことながら長寿命化は大きなテーマ。シロキサンエースは無機成分をリッチに配合できる塗料設計となっており、塗膜はスーパーUV促進耐候1,000時間(実曝30年以上相当)で光沢保持率80%というふっ素樹脂塗料を軽くしのぐ耐候性を発揮。耐汚染性、耐薬品性、不燃性など無機由来の各種性能と、有機成分のハイブリッド化により耐屈曲性を兼備。「社会インフラを長寿命化する次世代の塗料」として市場からの期待が高まっている。

一方、同社の重防食塗料をこれまでの実績でみると、スタジアムやドームなど競技施設での採用が多いのも特徴。特に、日韓共催のワールドカップを迎えた時期にそれら競技施設への働きかけを集中。工事期間が限られたそれらの物件で、「塗り回数の低減による工期短縮と長期防錆性能の両立」という、世界で揉まれた技術がここでも認められ実績を伸ばした。2020年開催の東京オリンピックを控え、「競技施設に強い実績は大きなアドバンテージになる」とし、受注活動に一層の力を入れる。

「世界で揉まれた」製品と技術に加え、サービス面での充実も世界レベルを目指している。

同社の社員は技術部門だけでなく営業社員も防錆管理士の資格を取得している。「重防食塗料に特化したメーカーならではの現場対応力を発揮するため」だ。これに加えて現在、防食技術の世界的なインスペクター(検査員)資格であるNACEのCIPの取得にも各社員がチャレンジ、「メーカーとして単に製品を供給するだけでなく、千変万化する現場に、常に最適ソリューションを提供できるようスキルを高めていく」と、社会インフラをまもる仕事に万全の態勢を整える。

主な実績

  • 北陸新幹線 飯山駅 35,000m2
  • 北陸新幹線 上越駅 40,000m2
  • 九州新幹線 熊本総合車両基地 120,000m2
  • 九州新幹線 熊本駅 25,000m2
  • 九州新幹線 新玉名駅 12,000m2
  • 九州新幹線 船小屋駅 12,000m2
  • 九州新幹線 久留米駅 12,000m2
  • 博多駅大屋根 8,000m2
  • 関西空港 2期南側貨物地区上屋新築工事 内部66,000m2
  • 関西空港 2期南側貨物地区上屋新築工事 亜鉛メッキ部 19,000m2
  • 東京国際フォーラム ガラス棟 80,000m2
  • 東京国際フォーラム ホール棟 40,000m2
  • 等々力陸上競技場 6,000m2
  • 札幌ドーム 160,000m2
  • 埼玉スタジアム 60,000m2
  • 大分スタジアム 100,000m2
  • 東京スタジアム 40,000m2
  • 豊田スタジアム 30,000m2

企業プロフィール

1971年4月 米国カーボライン社と神東塗料、住友商事の3社均等出資により設立。2007年住友商事所有の株式を自社株として取得・消却。神東塗料の連結子会社となる。カーボライン社(米国ミズーリ州セントルイス)は、重防食塗料における世界標準ともいえる無機ジンクリッチペイントをはじめ、厚膜形エポキシアルミニウム塗料など、他に先駆けて数多くの重防食塗料を開発。世界各地の原子力発電所をはじめ、化学、石油、上下水処理、製紙などのプラント類、橋梁、交通、鉄塔などの大型構造物、船舶、石油掘削リグ、海上プラットホームなど海洋開発プラントの重防食分野に多くの実績がある。

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