Web特集
2005年05月18日
歳事記 汎用の「鬼」が勇退 日本ペイント販売取締役相談役 斉藤安彦氏
国内初のメーカー販社の創設から今日までを第一線で担ってきた。「やはり思いに残るのは第1回の関東ニッペ会総会当日のこと」と、つい先日のことのような鮮烈な印象があると言う。
その日は折しも大雨であった。「雨降って地固まる」との意を強くした。当時、日本ペイントは工業用主体で汎用に関してはライバルメーカーに後塵を拝していた。「これからは汎用の時代になる」と確信しての船出であったが、総会にこぎつけるまでにはいくたの曲折があった。その辺は多くを語らないが、汎用事業を力強いものに再編するとの熱い思いが特約店にも十分伝わったことは事実。近代化された汎用流通という理念は共有化された。
その日から31年目の4月24日、この日開かれた関東ニッペ会で相談役からの6月退任が発表された。「ご意見番としてあと1年」と留任を望む声も強かったが、「新しい世代に新しいスタイルの販社作り」へバトンタッチすべき時期と固辞。
振り返って、「汎用トータルではニッペがトップになれたのは特約店を始めお客様の支援があったからこそ」と感謝の弁。その一方で「市場変化のスピードは速くなるばかり、汎用市場が抱える課題も山積。かつてのような汎用事業に熱い思いをかける情熱がやや薄れている。これは打つ手や方向性が定まらないせいでは」と顔をやや陰らせる。
後輩へのメッセージとして「汎用市場の重要性はかつてよりも強まっている。グローバル競争に勝ち抜いていくためにも足元の汎用の地固めは絶対条件。メーカー販社で先行した力で汎用を夢のある事業につなげてほしい」との言葉に力を込めた。