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Web特集

2005年07月25日

シリーズ: 揺れるライン塗装

揺れるライン塗装 No.126 三進金属工業 生産性アップに向け大型色替えブース導入

電動移動ラック、立体駐車場の製造メーカー・三進金属工業(本社・大阪府泉北郡忠岡町、社長・新井宏昌氏)は最新鋭設備を備える同社福島工場の縦吊り粉体塗装ブースを新設。色替え時間短縮により生産性の向上を図るとともに、環境対応への取り組みを強化していく方向だ。今回、大型のラックや棚板を塗装する福島工場を取材した。

物流経費のコストダウンはどこの製造メーカーにおいても難しい問題である。しかし、製造から消費までのビジネスフェイズを一元的に管理し、必要なものを、必要なとき、必要なだけ供給するロジスティックマネジメントを構築しないと企業収益の向上にはなかなか結びつかない。
三進金属工業は物流機器の設備・施設と立体駐車場のスペシャリストとして空間を有効利用する「スペースセービング」から空間の機能と価値を高める「スペースコントロール」へと物流の効率化、省人化、省スペース化に向け取り組んでいる。

同社の福島工場(福島県石川郡平田村)は最新鋭設備を備えたアジアの物流拠点を目指し、2001年に竣工した。総敷地面積7万坪の広大な敷地を有し、そのうち工場面積が8,163坪、事務所606坪、ショールーム147坪というもの。同工場は自然を生かした建築デザインや公園スペースを配するなど未来型のファクトリーパークとして設計された。


同社は福島工場竣工に先立ち、平成元年から3年がかりで福島県郡山市に3工場を建設したが、10年を経るなかで「分散している機能を集約し、集中コントロールすることで合理化が図られると判断した。塗装は第1と第3工場で行っていたが、すべて福島工場に移管して立ち上げた」と福島工場の安藤良二工場長は当時を振り返る。


現在の溶剤塗装はスチール棚板並びに鋼製フロアー、H型鋼などの厚物をメーンに、平成元年に導入したNO2ディスクとエアー霧化静電レシプロ塗装タイプ、平成13年に導入したマイクロベルで塗装を行っている。また粉体塗装設備も第3工場から移設したもので、ラック支柱やスチール棚板を中心に横吊りで塗装を行っている。

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更に福島工場立ち上げに当たり環境整備を図り、ISO9001及びISO14001の認証を取得すると同時に、塗装ラインは無排水処理にするなどエコファクトリー要素を強めた。

樹脂パネルで清掃時間の短縮

今回、導入した色替え粉体塗装ブースはラックの棚板や柱に対応したもので、従来横吊りで行っていたものを縦吊りで塗装する仕様にした。従ってブースの高さは5,000mm、長さ7,000mmという大きなブース。更に上部と下部で自動補正を入れる仕様だ。


また溶剤塗装ブースと並列に設置されており、溶剤塗装を行うときはラインから移動させ、粉体と溶剤塗装の交互運転で生産効率を図る仕組み。


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導入した色替えブースは昨年後半に市場に投入したランズバーグ・インダストリー製の「ダイヤモンドパウダーブース」。側面と天井パネルに電気絶縁性と透明度の高いポリカーボネート(PC)樹脂を採用し、清掃を容易にするとともに、透明度が高いので外部から塗装状態が確認出来る他、さまざまな集塵・回収装置との組み合わせが可能といった特長を持つ。


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今回は高さのあるブースであることから天井にPC樹脂を採用し、側面はステンレスを用いることで構造上の強度を持たせる安全設計となっている。
「天井にPC樹脂パネルを採用することで塗料の付着が少なく、容易に清掃が行えるとともに、採光にもなりブース内が明るい」と製造部塗装ライン班長の熊田祐氏は導入効果を強調する。また色替え時間は4人で15分と導入から間がないが、効率よく行われている。「タンクは色ごとに持ち、自動洗浄装置との組み合わせで短時間清掃を図っている」(熊田班長)と説明する。

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塗装は1レシプロ20ガンを対面に設置。ガンはゲマ社が誇るOptiガンにコンタミを防ぐサポートで覆うAXタイプガンを採用。1ガン当たりの吐出量は80~100g/minに設定している。平均膜厚は40~50μm。ラインスピード5m/minとかなり速い。


また対応色はブルー系とベージュ系の2色がメーンとなっており、ブルー系をメーンに粉体塗装を行っている。「当社の標準色は20色、更にユーザー指定色もあり、またユーザーニーズで粉体・溶剤系に対応出来るようにしている。現状塗装は溶剤7に対し粉体は3の比率」(熊田班長)にあり、今後環境への配慮から粉体塗装の比率が高まっていくとの読みだ。

無排水処理システムを導入

同社の塗装ラインは前処理―粉体・溶剤―焼付乾燥という構成。ライン全長は550m。前処理は湯洗脱脂→本脱脂→皮膜調整→水洗→水洗→水洗→水洗→水切り乾燥(130℃×20min)の工程で、シャワー方式で行われている。その後、粉体塗装・溶剤塗装が行われ焼付乾燥に移る。焼付温度(粉体塗装)は170℃×20minに設定。


また同前処理ラインにはライン内停止システムが導入されている。特殊な薬剤をミスト処理するだけで2~3日間そのままの状態で放置しておいても錆びることがない。従って前処理槽内にストックしておけることから稼働と同時に塗装を行うことが出来る。
更に乾燥炉からの廃熱を利用し排水を蒸発させることで無排水処理を可能にした。


その他、同社の横吊り塗装ラインには、第3工場よりリプレースした、横吊りの粉体ブースが1台設置されている。ステンレス製の1レシプロ6ガンを対面に設置。ガンはトリボガンを採用している。メーン色のブルー系とベージュ系の2色に対応したもので、仕上がり外観やC型鋼などへの入り込み性、付き回り性を考慮してのものだ。


溶剤塗装はディスクタイプのドライブースと通常の水洗ブースにレシプロを用いて塗装を行っている。塗料はエポキシメラミン樹脂、アクリル樹脂塗料を使用している。
品質管理は同社の定めるISO9001に則って行われるが、現場においては目視と膜厚管理、更に粉体塗装は防錆テストをメーンにしている。

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また、産廃物についても従来の凝集沈殿排水処理よりも、蒸発式排水処理システムを導入することにより、処理費用が大幅に削減し環境にも大きく寄与している。


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脱溶剤化から粉体、電着に

鋼板が値上がりするなかで、材料の手当てが行えるメーカーに仕事が集中し始めている様子。同時に競合メーカーと厳しい競争を演じている。「どう付加価値を高めていくか、スペースの有効活用に向けた提案力が大きなカギ」(安藤工場長)という。特に近年災害対策から耐震性、免震性のニーズが高まっている。既に同社は振り子の原理を応用した「転がり支承」という独自の技術を生かした免震工法を開発、製品化を図り差別化を進めている。


その一方で環境対応からグリーン購入ネットワーク(GPN)に加盟し、産業のグリーン化にも積極的に取り組んでいる。「塗装においてはVOC規制から脱溶剤化を進めていく。今後粉体塗装、電着塗装に切り替えていく方向だ。特に電着塗装に関しては本社サイドで検討を行っている」と安藤工場長は環境対応を強調する。


また粉体塗料については「レベリング性に優れた薄膜タイプや省エネ対応の低温硬化タイプの粉体塗料を求めている」(同氏)と更なる生産コスト低減に向け取り組んでいく姿勢だ。

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