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Web特集

2006年05月10日

シリーズ: 水性自動車補修塗料システム

水性導入のための基礎講座・日本ペイント 水性自動車補修塗料システム(2)

・労働基準法では、労働者に人たるに値する生活を営むための必要を充たすべき労働条件を保障することなどを目的とし、労働者の労働条件の向上を図るよう努めることを使用者の責務として求め、有機溶剤や化学物質などによる疾病について労働条件や労働時間などを規定しています。


・労働安全衛生法では、職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とし、健康障害の防止措置(設備、保護具など)、有害物に関する規則(表示、安全情報の取得・提供など)、就業に当たっての措置(就業制限など)、作業環境(望ましい標準など)などが述べられています。
・悪臭防止法では、生活環境を保全し国民の健康の保護に資することを目的としています。人間の臭覚でその臭気を感知して算定し、物質を特定しません。規制基準値は事業場から排出される当該事業場の敷地境界線で地表における濃度(敷地境界線基準値)や事業場の排出口において排出口の高さに応じた濃度(気体排出口基準値)です。
・水質汚濁防止法では、公共用水域及び地下水の水質汚濁の防止を図り、もって国民の健康を保護するとともに生活環境を保全し、人の健康に係る被害が生じた場合に事業者の責任を定め、被害者の保護を図ると明記されています。


各自治体独自に条例や要領を定めて事業者に汚染対策を求めています。各自治体の実情を反映し、もっぱら地下水の保全を目的としたものや地下水や土壌に関して規定しているものなど、さまざまな特徴があります。詳しくは、環境省が出版している「VOCによる地下水汚染対策について」のパンフレット(図1)がとても分かりやすいので、ぜひご覧下さい。
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先日、環境省事務次官が「1)環境対策2)環境配慮・向上3)当たり前といった3つのステージがあり、今はまだ2)に差しかかったところだろう。環境向上が当たり前となることを願う」という話をされました。企業が環境活動をあえて唱えなくても、当たり前の製品品質となるよう進化したいものです。

1.2 諸外国の法規制について
1.2.1 はじめに


日本における塗料とりわけ補修に関わる法規制は、前章で記述したようにある意味では骨抜き、別の意味では自主努力に負荷する部分が大きいことが分かったと思います。私たちメーカーにとっては当初こうなればということに近づいたのですが、本当にこれでよいのかと疑問も持っています。水性塗料を使用するきっかけが極めてあいまいであり、明らかにVOC排出削減効果が少ない既存溶剤系での自主規制との競合という理不尽な状況に置かれつつあります。この状況から一歩水性塗料の使用に近づけるためにはやはり改正大気汚染防止法に謳われている官民一体の努力が必要でしょう。幸いなことに自動車メーカー、保険業界、地方自治体に動きがありこれを敏感にかつチャンスと捉えようとする考えも現れてきたのは救いかも知れません。いずれにしても法規制の動きがダイナミックにプロダクトチェンジにつながることはEUの動きを見ても明らかです。この章では諸外国の法規制の状況を紹介していきます。
1.2.2 EUのVOC規制


かなり古いデータですが表1にEU各国のVOC発生量を示します。フランス、ドイツ、イタリア、イギリスが多量に排出する国です。表2にはどの産業からVOCが排出されているかを示しています。塗装を合計すると43%にも達します。東京都の調べでも37%とあり、やはり先進地域では40%程度になるでしょう。


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現在のEUのVOC規制の流れは、1996年のEU指令に端を発します(表3)。指令内容は、2007年までにVOC排出量を60%削減するという非常に厳しい指令です。これを達成するためにマイルストーンや指令を上回る目標を立てて取り組み始めました。そのため2002年の情報では水性ベース普及率は各国で大きな差があります(図2)。


また業種ごとに細かく排気制限値が決められています。自動車補修現場は、規模が小さい工場が多いため適用除外が多く排気制限での実効率が低いことから、まずは2007年に数段階の規模別に分類した指令から補修用途に使用する塗料そのものの規制が始まります。
(EU指令2004/42)


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この指令での大きな特徴は、製品区分において塗装時における塗料中の最大VOCを規定した点にあります。この中で最も厳しいものがトップコートの値で表5に示す420g/Lを達成するベースコート塗料は、モノカラー以外は水性ベース塗料しかありません。従って現状のEU加盟国の水性普及率はバラバラですが、2007年以降水性ベース塗料の使用が事実上義務付けられることになります。
塗料メーカーや販売店は、ユーザーに対して各塗料の使用時でのVOC量をカタログなどで公表する必要があり、EUにおいては「作らない」「売らない」「持ち込まない」を徹底していくことになります。
クリヤーやプライマーに関しては溶剤型でも十分規制値を達成出来ますが、プライマーなどは非危険物となるメリットがあるためベースコートの次に水性化が進むと考えられます。EUに塗料を供給するメーカーは、ほぼこの規制値に適合する対応を終了しています。


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1.2.3 アメリカのVOC規制


アメリカにおけるVOC規制は、EUとかなり異なっています。1990年に改正された大気浄化法により主に大気圏内のオゾン規制と毒性、有毒ガスの規制を目的としています。そのためオゾン破壊物質や大気汚染度合いの高い溶剤の使用規制は進んでいます。
特徴として、欧州や日本のようにVOCの定義を250℃以下の沸点を持つ化学的に合成もしくは石油など化石資源由来のものと規定されているのと異なり、大気汚染に関わる物質を特定しています(表6 HAPs物質)。従ってアセトンなど一部溶剤で規制対象からはずれるものもあります。固定発生源(工場関連)のVOC排出基準も業種ごとに設定されています(表7)。
しかし、アメリカは州ごとに独自の規制を持っていることが多く、州ごとに規制状況を把握する必要があります。


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図1. 
VOCによる地下水汚染対策に関するパンフレット:環境省環境管理局水環境部
http://www.env.go.jp/water/chikasui/panf/index.html

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