Web特集
2006年08月31日
ペイントとクロスのコラボ、デザインリフォームで人気 ミツワインテリア
「当社に引き合いのあるお客さんのほとんどが、海外の住宅の写真集を持たれており、そこから具体的なイメージを提示されるケースが多い。リフォームで憧れていた空間にしたい、インテリアのグレードを高めたいというニーズが着実に増えている」と語るのは、同社のインテリアコーディネーター・梶川完之氏だ。
こうしたニーズの高まりを受け、同社はデザインリフォームに特化する方向を打ち出した。単なる原状復帰型のリフォームではなく、施主の要望に応えたデザイン性の高いリフォーム。
元々は壁装(クロス張り)をメーンとしていたが、施工が難しいとされる輸入の紙クロス、センスの良いウインドートリートメント、サンメントやシーリングメダリオンといった装飾性の高い造作など、デザインリフォームに欠かせないアイテムの施工技術を積極的に取り込んでいった。
そして昨年、自社の工事メニューに新たにラインアップしたのが“塗装用下地壁紙+ペイント”仕上げのスペックだ。
「海外の住宅写真の多くで、内装はペイント仕上げが多い。カラーバリエーション、マットで落ち着いた質感、トリムや照明とのコンビネーションも映え、とても洗練されたインテリア空間を醸し出している。それらにインスパイアされ、ペイントで仕上げてほしいとの要望が増えてきた。デザインリフォームを指向したとき、ペイントは外せない」と、ある意味で塗装業界のコンペチターとも言える、壁装の会社がペイントを積極的に扱いだした。「顧客の要望を適えるのが第一。カテゴリーの垣根はない」(同)とキッパリ。
インテリアの新しい潮流
同社が導入しているのはインテリアペイントの分野で最先端を走るカラーワークスの塗装用下地壁紙「カラーワークスペーパー」と英国のプレミアムペイント「ファロー&ボール」。
カラーワークスペーパーはバージンパルプからできた塗装専用の下地壁紙でヨーロッパではスタンダードなペイント下地材。石膏ボードなどの基材にこれを張り糊の乾燥を待ってペイントで仕上げる。一方ファロー&ボールは英国の歴史的建造物などで多用されているプレミアムペイント。上質な無機顔料を使用し、伝統と趣を感じさせる高級感ある仕上がりが特長。
下地ペーパーを挟むことで、基材の動きに起因するボードジョイント部などのクラックを防げるというメリットがある。加えて、ペーパーはフラットながらも、パルプ繊維の毛羽立ちが微妙な陰影を醸し出し、単たる平滑な塗装では得られない独特の深みと質感をもたらす。これにファロー&ボールの高級感が加わったグレードの高さは、インテリア仕上げの新しい潮流を予感させるほどの出来栄えだ。
同社のデザインリフォームは兄である梶川完之氏と弟の聡氏の2人で行う。「顧客の要望にこと細かに応えるため、工事が標準化できない。普通の職人なら嫌がってやらない」工事が多いため、完全に意思疎通できる2人で行うのがベストとの考え。
例えば、塗装紙+ペイントにしてもリフォームでの使用が大半。ペーパーがフラットで薄いため、下地処理は特に念入りに行う必要がある。
「既存の塩ビクロスを剥がし、ボードに残ったクロスの裏紙を可能な限り取り除く。その後、ヨーロッパから取り寄せたメーター幅の寒冷紗テープを任意の幅にカットし下地を補強。続いて下地の不陸をなくすため2~3回総パテを打つのが標準的な下地処理のパターン。ここまで下地処理に手をかける業者はまずいない」(聡氏)。
ただ、塗装に関しては「ズブの素人」だったので当初は塗装の下職に依頼していた。しかし、多能工的な要素を持つ聡氏は「自分たちでもできる」と判断し、自社で一貫して行うようにした。
「塗装専用のクロスだけあって、塗料の乗りが良い。刷毛とローラー目の違いも出ず、ムラにならない。マスキングさえしっかり行えば、仕上がりでの差はない」と、専用下地壁紙ゆえの塗装適性の高さを実感している。
憧れ空間にしたい
今年7月、中古マンションを購入し、引越し前にリフォームしたいという施主から請け負った仕事のテーマは「イギリスの住宅のよう内装」。原状はごく一般的な量産の塩ビクロス。これを「プラスター壁に何度もペイントを施したような趣のあるフラットな壁」にしてほしいとの依頼。
この施主は当初、別の工務店に仕事を依頼する予定だったが、ネックとなったのが壁の仕上げ。下地処理の難しさから、工務店の提案は「クロスの上から塗れる珪藻土」が精一杯。都心にマンションを購入し、生活の質にこだわる施主にとって「憧れの住空間」を実現することは譲れない条件であった。
これに対し、同社が提案した“塗装紙+ペイント”は「まさに自分たちがイメージしていたテクスチャー」と、単価が倍近いにもかかわらず即断即決、一気に成約。イギリスの伝統的な匂いを感じさせるペールグリーンのテイストが決め手になった。
また、新築マンションを購入したDINKSの夫婦が依頼した内容は「フランスのベッドルーム」。ディベロッパーでは実現不可能なので、引渡し後、わざわざ新設の壁紙を剥がしてリフォーム。フラットな下地紙を張り、天井と壁はラベンダーカラーのグラデーション、腰下はシックな黒でペイント。海外製シャンデリアの光が映える、映画の1シーンのような寝室になった。
「デザインリフォームのニーズに対して、ペイントは非常に有効。色の多彩さと組み合わせによる演出性、マットで落ち着いた質感、照明の映え具合など他の仕上げ材では得られないグレード感がある。クライアントも非常に喜んでくれる」(完之氏)。
梶川完之氏(右)と弟の聡氏