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Web特集

2006年11月21日

機能性塗料特集2006(メーカー動向)

水系シリコン新発売、ナノ技術駆使
水谷ペイント(屋根用/遮熱)


水谷ペイントは今月、屋根用水系シリコン塗料「水系ナノシリコン」を投入した。同社は技術的に困難とされているアクリル成分とシリコン成分の均一合成を、独自のシリコン樹脂開発技術とナノ技術によって実現。ナノスケールで融合した樹脂はシリコンの性能を最大限に引き出し、優れた耐候性を発揮する。すでに先行する「ナノコンポジットW」の技術が背景にある。


同社はこれまで屋根用水性塗料では、アクリル系の「水系ポリマー」、シリコン系では汎用タイプの「水系カスタムシリコン」、最高級グレードの「水系シリコン」を展開してきた。しかし、シリコン全盛の市場にあって水性タイプに対する評価は今一歩。信頼、作業性の面から依然溶剤系が強い状況にある。そこで同社はコスト対応力を持ち、かつ高性能の「水系ナノシリコン」を「カスタムシリコン」と「水系シリコン」の中位グレードとすることで、水性市場の取り込みを狙っていく方針。用途は新生屋根材、波形スレートの塗り替えなど。また濃色を中心に8色の遮熱色をラインアップする。


遮熱塗料においては、上位グレードの「サーモ工法」と汎用タイプの「快適サーモ」を揃える。「サーモ工法」は機能を持たせた下塗り、主材、トップコートの3種を組み合わせた厚塗型改修工法。遮熱機能の他、防音、防錆、防蝕性など多様な機能を発揮する。一方、「快適サーモ」はウレタン、シリコンを揃える弱溶剤系の2液タイプ。汎用性に優れる他、特殊顔料が赤外線を反射し、室内の温度上昇を抑える。

遮熱を軸に機能特化 
日本特殊塗料(遮熱)


日本特殊塗料は「プルーフロン遮熱(NC‐301遮熱工法)」を開発、上市した。これまでのプルーフロン遮熱工法に断熱機能を付与し「遮熱」「断熱」「防水」のトリプル機能を発揮する。
特長はウレタン防水層に断熱効果があり、寒暖の差によるコンクリート劣化を防止するとともに、優れた断熱性能を発揮。また上塗りに遮熱塗料を塗装することで、表面温度を最大22℃低下する遮熱性能がある。またライトグレー、ライトグリーン、ライトブルー、ホワイトなどカラーバリエーションも充実させた。


同社は機能性塗料への特化を進めており「遮熱」「防音」「断熱」「防水」などの機能を付与した商品体系確立を目指す。特に屋根・壁分野での遮熱機能はほぼ終了しており、同社の得意分野である床での展開に拍車をかける。


「機能を磨くことで、差別化と高付加価値化につなげたい。セールスも提案型に変えていく」(担当者)とコメント。遮熱塗料の体感ツールを開発するなど、見て・触れて・分かるシミュレーションの開発にも力を入れている。
実績が増えるにつれ、表面温度低下と室内温度の相関についてもデータが厚くなってきた。「夏場はコンクリートそのものが熱を持ち、夜になって蓄熱することが室内温度低下を阻害するひとつの要因。遮熱塗料はコンクリート躯体そのものに熱を付与しないことが分かっているので、体感できるシミュレーションを確立していきたい」(同)と人の感性に関わる実証に注力していく方針。

遮熱舗装に光触媒機能 
長島特殊塗料(遮熱)


遮熱塗料「ミラクール」を上市して13年――。この分野のパイオニア企業である長島特殊塗料はNIPPOコーポレーションと共同で汎用タイプの遮熱舗装「パーフェクトクールA」を開発した。従来の「パーフェクトクール」ではMMA(メチルメタアクリレート)を使用していたが、新タイプはほぼ同等の路面温度低減の性能を保持しつつアクリルエマルションに変更し、コストパフォーマンス性を高めた。


交通量の多い重歩行向けとは別に、駐車場や公園など軽歩行向けとして展開する。カラー対応も可能な5色を標準設定。遮熱舗装と景観の両面で効果を発揮する。
これと同時に同社は土木研究所と共同で「クールパービアスEM」を開発した。バインダーとしてエポキシ樹脂を使い、人工骨材を混ぜたもので、排水性舗装の表面に5mm程度の厚さで薄くならし、低音性や雨水浸透性を維持しつつ、路面温度を最大で20℃低下させる効果がある。保水舗装では水の浸透を妨げるネックがあった。


更にNIPPOコーポレーションと共同で窒素酸化物(NOx)除去機能を付与した「パーフェクトクール・ピュア」を開発。近く商品化し上市する予定。
同品は遮熱コート層の上にNOxを分解する光触媒層を形成し、クルマから排出される一酸化炭素(CO)を無害なイオンに分解する。
工場屋根、プラント、アスレチック施設などの分野でも遮熱塗料の採用が拡大しており「代理店を含め市場をフォローしていく体制を強化し

たい」。

幅広い分野で導入
日本ペイント(遮熱)


日本ペイントは遮熱機能を軸としたプロジェクトを推進中。汎用から工業用までの幅広い分野で遮熱機能導入を図る。
既に遮熱塗料の商品体系でも他社をリードする。アクリルシリコン系、溶剤系、水性系の3グレードで体系化。市場対応力で差をつけている。


汎用分野では屋根分野の他、軽歩行舗装分野での採用が拡大してきた。全国の主要テーマパークやショッピングセンターの歩行路での導入が目立つ。また工場屋根分野は設備投資の回復から、中堅クラスの工場屋根で使われるケースが増えている。


特に採用が増加しているのがプール床面。愛知県下の民間大型プール3カ所の他、沖縄県営プールでも採用。遮熱効果がストレートに客に分かるため、クライアントからの評価も高い。
また自治体のクールルーフ関連の対応にも注力している。東京・品川区が推進している実証実験「涼しさ回復プロジェクト」への協力など、官民学一体の動きをサポート。「一般の人たちの遮熱塗装に対する関心を高める必要がある」(担当者)


工業分野の遮熱プロジェクトも本格化してきた。既に同社子会社がトップシェアを保有するプレコートメタル分野の遮熱機能付与は「米国で既に多く採用されているため、日本でも採用率を高めたい」(同)意向。この他車両用、建材など多様分野での遮熱機能導入を進める。「性能に対するデータを蓄積していくことが最大の差別化につながる」との考え。

汎用展開を加速
関西ペイント(遮熱)


関西ペイントは水性1液タイプの路面遮熱塗料「ヒルムA」を今秋本格発売する。高い遮熱性能に加え、水性1液タイプというハンドリングの良さから、幅広い分野での普及を図っていく。
ヒルムAは2層構造とすることで、より高い反射性能を確立。1層目には反射性顔料を多く配合し、2層目の塗膜を透過した太陽光(赤外線)を更に反射する。また中空顔料を配合することで路面(床)の熱伝導を抑制。更に高浸透性樹脂の併用によって素材(コンクリート・アスファルト)への付着を高めプライマー機能を付与する。2層目は遮熱性顔料の選択と赤外線透過型顔料のバランスによって遮熱性を向上。また中空顔料の配合で断熱性を付与した。


同品の効果が実証されたのがモビリティランド・鈴鹿サーキットのケース。クライアント側からは夏場の照り返しによる高齢者や子供たちへの熱射を軽減したいとの要望があり、今春、同園内で試験塗装を行った。
その結果、真夏日の午後1時時点の平均で路面の表面温度を12‐13℃低下させる効果を実証。また独自の測定方法による輻射熱の軽減効果も実証し、今夏第1期工事として約6,000m2の本格採用に至った。
同社は汎用性の高さをセールスポイントに、プールサイド、駐車場、ショッピングセンターなどへ展開していく。また一般道路舗装用の開発も「ヒルム」を軸とした商品体系を構築し、充実させていく。

夏は涼しく、冬は暖かく 
エスケー化研(遮熱/消臭・抗菌)


エスケー化研の遮熱断熱工法「サーモシャット工法」は市場において着実に販売シェアを伸ばしている。
同品は特殊バルーンを含有する断熱性・保温性を持つ中塗り層を工程に組み入れた遮熱・断熱塗装のトータルシステム。室内温度の変化を低減させる機能を持つ中塗り層と遮熱性、低汚染性を持つ上塗り層により、夏場は涼しく、冬は暖かいという機能を有する。


標準仕様は「サーモシャットシーラー」を下塗り後、主材塗りとして「サーモシャットベースコート」の2回塗り。上塗りには遮熱塗料「水性クールタイトSi」の2回塗りで仕上げる。
断熱、保温性、遮熱性を保持する他、シロキサン結合の強固な塗膜を持つ上塗りによって、高耐候性及び低汚染性を発揮。防水性、防カビ・防藻性も付与する。


「エコフレッシュシリーズ」は、ゼロVOCを実現した超低臭型の多機能屋内用水性塗料。隠ぺい性に優れた汎用タイプの「エコフレッシュ」と高機能タイプの「エコフレッシュクリーン」を揃える。「同クリーン」は抗菌、防カビ性、ホルムアルデヒド吸着分解機能を有する反応硬化形塗料で、水性架橋技術を用いた塗膜は耐汚染性に優れる。また銀系抗菌剤と光触媒機能により、大腸菌、黄色ブドウ球菌などの細菌に対し、高い抵抗性を持つ。


光が当たる所では光触媒作用によりホルムアルデヒドの吸着分解と細菌を不活性化させる。光が当たらない所においても銀系抗菌剤が減菌に寄与するW効果となっている。

ラインアップ充実、ニーズに対応
大日本塗料(遮熱)


大日本塗料は屋根から外壁、路面と幅広い用途に対応した遮熱塗料シリーズ「エコクールシリーズ」を今年6月に上市した。水系、弱溶剤、溶剤の各タイプとウレタン、シリコン、フッ素の各樹脂形を揃え、用途、性能、コストに対応するラインアップの豊富さが特長となっている。


屋根、外壁向けでは、弱溶剤系タイプとしてフッ素樹脂系の「エコクールマイルドF」、シリコン樹脂系の「エコクールマイルドSi」、ウレタン樹脂系の「エコクールマイルドU」をラインアップ。水系タイプでは水性シリコン樹脂塗料「エコクールアクアSi」を上市する。いずれもモルタル、スレートの無機素材とトタン屋根などの金属部に適応する。


また中空バルーンを配合した溶剤系ウレタン樹脂塗料「ケーデーエコクール」を採用した遮熱・断熱塗装システムも上市。下塗りから上塗りまで計4回塗りの厚膜仕上げで、高い遮熱性と断熱性を発揮する。屋根向けでは、金属屋根の防錆力を高めた厚膜形長期防錆被覆塗材「クールエコン」も加わる。


路面用としては、新規市場として市場拡大が見込まれている分野となっている。溶剤速乾型のMMA樹脂系塗料の「エコクールMMA」、水系シリコン速乾タイプの「エコクールペイブアクア」を揃え、アスファルト面、コンクリート面に適用する。
標準色は屋根向け濃色10色、外壁向け10色、路面向け(公園、プールサイド)5色を揃える。

シラスバルーンで遮熱・断熱付与
中央ペイント(遮熱)


中央ペイントは火山性鉱物であるシラスバルーンを配合した無機質系遮熱・断熱塗材「CPエコ」を上市する。責任施工による工事販売を中心に、遮熱塗料市場では先駆的存在となっている。今夏も工場や倉庫など企業物件を中心に順調に販売量を伸長させた。


同品に採用されたシラスバルーンは火山性鉱物の微粉末を高温で熱処理し粒子を発泡させたもので、微細な空洞が熱を伝えにくくする性質を有している。ベース層の「CPエコベース」が赤外線の侵入を抑え、断熱、防水及びスレートの再生、保護機能を付与。またトップコートには無機クリヤーの「CPエコトップコート」を塗布し、可視光を遮断するという2層構造となっている。夏場には室内の温度を3-5度程度低減し、冬場においてもシラスバルーンが断熱性の役割を担い、保温性を有する。その他耐候性、防錆、遮音性を保持する。


標準仕様はスレート、トタンともにプライマーを塗布後、「CPエコベース」「CPエコトップコート」の各2回塗り仕上げ。膜厚は1mm程度。プライマーは、金属屋根からガルバニウム鋼板の物件が増えていることから、品揃えを強化。従来の「CPエコプライマーEP」に加えて、1液型エポキシプライマーを投入した。その他、シート状の「CPエコシート」も上市し、用途展開を図っている。
最近では、関西ペイントと共同開発で遮熱舗装用塗料を開発し、新たな市場開発に向けて勢いを増している。

道路、屋根用で実績高まる 
東日本塗料(遮熱)


東日本塗料は遮熱塗料の展開に注力している。超耐候性ハルスハイブリッド樹脂をトップコートにした「スーパートップ遮熱」をメーンに屋根・防水・道路用・外装と幅広い用途展開を進めている。「道路用においては渋谷ハチ公前、埼玉県庁前での暴露などゼネコン絡みの仕事が入ってきている。一方屋根用では東京都クールルーフ推進事業でも実績を高めつつある」とコメントする。


また同社はA4見開きのカタログを作成。片側に遮熱塗料をフィルム化、もう一方に通常の屋根用塗料をフィルム化し、太陽光に当てて熱反射を実感してもらうというもの。「簡易な比較実験でその場で分かることから好評を得ている」という。改修をメーンとする設計士などからの評価も高まっており「近い将来、屋根用は遮熱塗料がスタンダードになるのではないか」と同社は予想する。


それに合わせ製品ラインアップの強化を進めるとともに、建築外装を含め戸建であれば丸ごと遮熱塗料で覆うことで、紫外線からの塗膜劣化や構造物の基材の収縮を抑え、建物の長期にわたる保護が可能になる。更に「遮熱塗料の機能と断熱塗料の機能を合わせ持つ塗膜の開発を進めており、熱の出入りをコントロールできれば理想的な住環境の提案が行える」ということだ。
ここに来て塗料以外からの引き合いも増えている。「シートやコンクリート二次製品など異業種からの問い合わせもあり応用範囲が広がりつつある」と手応えを感じている様子だ。

高い光触媒含有率と低価格が特長
プラザオブレガシー(光触媒)


プラザオブレガシーは光触媒塗料「フェイスガード」を展開している。
同社では内装用「フェイスガード-イン」「同カラーコート」、外装用「フェイスガード-アウト100S」「同水性」、防水剤「フェイスガード-XP100」「同XP200」など多様な製品を上市。


同社の光触媒塗料はフッ化アパタイトを二酸化チタンに完全被覆することにより二酸化チタンの含有量が多く、高い光触媒機能を実現した。含有率は内装用で9%、外装用で3‐6%と高く、ユーザーからの評価も高い。「光触媒の親水性機能だけでは、排気ガスが多いなど過酷な条件下では厳しい。分解力の高い製品が必要」(荒木社長)。


コストパフォーマンスが高いのも同品の特長。主力製品である「フェイスガード-アウト100S」の設計価格は1,500円/m<sup>2</sup>。少量・一貫生産を行い、工場から業者に直送するなど、製造にかかるコスト以外をできるだけ削減した。荒木社長は「平米で3,000‐4,000円は高い。材料費が高くて業者が適正な施工費を取れないのが現状。材料が適正価格になれば、業者は良い仕事をするし、そうなれば施主にも喜んでもらえる」と強調する。


10月には外装用「フェイスガード-アウトカラーコート」を発売する。常備色は10色で、コンクリートやモルタルなどに適している。また、ガラス用も現在開発中。高い透明度、分解力を有し耐久性でも5年以上を予定しており、「今は耐久性の最終確認の段階」(荒木社長)にあり、来年中には上市予定という。

銀と銅のハイブリッド光触媒を開発
JHCC(光触媒)


光触媒塗料のトップメーカーであるジャパンハイドロテクトコーティングス(JHCC)は、外装用の「水性ハイドロテクトカラーコートECO700/500」を主力として、タイル用、コンクリート用、ガラス用、内装用などさまざまな用途に対応した品揃えとなっている。


売上は好調に推移しており、年率40%以上の成長を続けている。特に戸建て物件での採用が増えているという。登録施工店の拡大が寄与しており、全国に現在約3,000社が登録している。
9月に内装用の「水性ハイドロテクト内装コートECO2000」を改良、新発売した。同品は光触媒に銀と銅を組み合わせたハイブリッド光触媒を採用。高い耐久性と暗所でも優れた抗菌・防カビ性を実現した。これにより「従来のものでは対応できなかった種類の菌やカビにも効果を発揮する」(担当者)製品となった。


素材用途としてはセメント系素地、ケイ酸カルシウム板、化粧パネル、塗装パネル、旧塗膜への重ね塗りなど。木部や壁紙、浴室には塗装できない。
また、従来のローラー塗装に加えてスプレー塗装が可能になり作業性がアップした。食品工場をはじめ、病院や福祉施設、学校など衛生管理の要求が高い施設への拡販を図る。標準色は約100色で耐久性は約10年。2008年度には2億円の売上を目標としている。
「光触媒の認知はまだまだ低い。シェアを取り合うのではなく、今は新規開拓の段階。TOTOのブランド力、製品力で事業拡大に注力する」

高透明、高耐候性タイプを開発
日本曹達(光触媒)


日本曹達は光触媒コーティング剤「ビストレイター」を展開している。同品は保護接着層と光触媒層の2層構造が大きな特徴となっており、いくつかの特許(特許第3038599号など)を取得している。保護接着層が基材と光触媒層を強固に接着し、光触媒による基材の劣化を防ぐ。また、光触媒層は多孔質構造となっており、光触媒活性を最大限に発現できるよう設計されている。コート液は、ガラス、金属ばかりでなく広範囲のプラスチック基材に塗装が可能で、良好な防汚、消臭、抗菌、防曇などの機能を発揮する。


同社では、一般用コーティング剤と現場塗工用コーティング剤をラインアップしている。また、今年新製品として新規ライン塗工用コーティング剤「NDC‐170C/NDC‐171C」を開発した。同品は光触媒膜を環境変化による膨張収縮に耐える構造にし、高い透明性及び耐久性を実現した。その透明度はヘイズ率で0.9%。耐候性は通常10年と言われるサンシャインウエザオメーター試験3,000時間で光沢保持率80%以上を確保した。「性能、耐久性において、業界でもトップの性能」(担当者)と自信を持っており、現在各種ユーザーの評価段階にある。


現場塗工用コーティング剤においてもその高活性な性能は発揮することができる。特に、現場塗工では塗り残しを防ぐために、同社では保護接着層を着色させ、光触媒層コート時に消色するコート液もある。塗装方法はローラー、刷毛、スプレーと環境に合わせて選択できる。

水性タイプの発売で裾野広がる
シモダ(光触媒)


シモダが光触媒ビジネスに参入したのは早い。JHCC(ジャパンハイドロテクトコーティングス)が誕生する以前、TOTOが光触媒コーティングの汎用展開を試みていた時代から市場普及のパートナーとして活動してきた。


同社は現在JHCCの代理店として材料販売を担当、東日本に広がる同社の顧客を認定販売店とし市場普及を図っている。研修により同社が認定した販売店は現在100社ほどで、その先の登録施工店が不自由なく材料を入手できるよう流通網を構築している。
「水性カラーコートの発売により汎用的な広がりが出てきたのではないか」というのが同社担当者の見方だ。TOTOが外装コーティングに乗り出した当初「4液で反応に1日、強溶剤など使いづらい材料で販売に苦労した」という経験を持つだけに、汎用性の高い水性タイプに寄せる期待が大きい。


事実、この2年ほどは販売数量が伸びているという。「戸建て塗り替えなど裾野の広い分野で広がり始めている」というのが担当者の見方。情報化社会による施主レベルへの光触媒情報の浸透、また直需指向を強める施工店が付加価値の高い工事にシフトする動きが連動し、汎用市場での実需が萌芽していると捉える。
ただし「塗装工事の枠組みで提案すれば、他の汎用塗料とのコスト比較になり付加価値が下がる。改修工事のひとつの手法として独立性を持たせたプレゼンが有効ではないか。建物の長寿命化、景観、環境などの流れの中でまだまだ伸びる」と期待する。

複合工法で展開
ケーアイ(光触媒)


ケーアイは光触媒酸化チタン水溶液「ハイパーリキッドチタン」(商品名)と吸音天井ボード向けの塗り替えシステム「ぱうだあコート」(商品名)を組み合わせた複合工法を展開している。
天井ボードの塗り替えには一般的にエマルションペイントが使われているが、表面を覆ってしまうため吸音機能が低下するケースがある。特に石綿吸音天井材では使えないが、「ぱうだあコート」は組成分にシリカ粉を混ぜているため天井ボードの穴を埋めることがない。また微臭で防火や耐久性に優れ、吸音天井ボードを美しく再生させる。


「ぱうだあコート」はエアレスガンで吹き付け、1日で約1,000m<sup>2</sup>の施工が可能。臭気は施工の翌日にはなくなる。タバコやススの汚れ防止効果もある。
「ぱうだあコート」施工後「ハイパーリキッドチタン」をエアレスで吹き付けることで、防汚・消臭・防臭・抗菌・空気浄化・防カビなどの機能がグレードアップ。同品は酸化チタン分子自体が基材への固定化能力を有するため、光触媒の反応効率が高いという特長がある。また水性で屋内外の吹付ができる。
 ケーアイの毛利社長は「商品認知が進み、実績も多くなってきているので、もっと幅広く使ってもらえるよう複合システムを拡大していきたい。天井と壁を一体のものとして、室内環境の改善に効果あるシステムとして市場にアピールしていく」とコメント。機能のパフォーマンスを追求していく姿勢を示している。

無機系コーティング材で市場開発 
松下電工(光触媒/その他)


無機系機能性コーティング材の開発に特化する松下電工。8年前に上市した無機系光触媒コーティング材「フレッセラP」は、順調に需要を伸ばしている。
最も採用されている分野は、クボタ松下電工外装が販売する外装用サイディング材。消費者にとって一般品より20‐30万円ほど費用負担がかさむものの、機能が評価され採用率は年々増加。月十数万m<sup>2</sup>の実績に達している。一方、現場施工向けにおいては、指名及びリピーター物件を中心に展開し、目立った販売展開は見せていない。しかし先般山本窯業化工に採用されるなど、コラボ展開も進めている。


その他機能性に富んだ機能性コーティング材を上市する。
「フレッセラD」は撥水撥油コーティング材。内部に耐久性の高い撥水樹脂を形成し、塗膜表層に撥水基、撥油基を局在化させた。有機物、無機物の汚れに優れた低付着性を発揮。落書き防止塗料としての用途にも適する。


「フレッセラR」は親水性コーティング材で、1コートの施工で親水性、高耐久性を発揮する。親水性の指標となる水接触角では、初期3‐8°、暴露1年後5‐10°とガラス以上の性能を持つ。露がつかない性質から冷蔵ショールームへの用途にも適する。
「エアロセラ」は光の映り込みを抑えた低屈折率コーティング材。光の反射を抑え、耐擦傷性を有する。例えばプラズマディスプレーに映り混む室内の照明を抑えられることから、広範囲な用途展開が期待される。

化学物質を吸着分解、空間を無臭化 
大同塗料(光触媒)


大同塗料の室内環境対応型水性無機系塗料「Eat-Sick(イートシック)」は、屋根、床、プール用塗料を主力とする同社にとって新たな機軸となっている。
同品は室内空間の汚染物質対策及びシックハウス対策として開発された塗料で、上市して数年が経過した現在も売上を伸ばしている。


無機系シロキサンをベースにした同品は、ホルムアルデヒドなどの化学物質を吸着・分解する機能が最大の特長。吸着・分解には可視光型の光触媒を採用した。構造的には塗膜にホルムアルデヒドやアンモニアなどが吸着し、蛍光灯や自然光が当たることで光触媒作用が起こり、化学物質を酸化分解するというもの。塗膜は通気性を付与することで、吸着機能を高めた。機能は半永久的に持続する。


同社が行った吸着分解試験によるとホルムアルデヒド、硫化水素、酢酸、アンモニア、メチルメルカプタン、トリエチルアミン、ピリジンを20時間内で大きく減少。また抗菌効果も高く、大腸菌、黄色ブドウ菌、緑膿菌を24時間でゼロにまで減菌させた。タバコ、生ゴミ、トイレなどの生活臭の消臭にも効果を発揮する。


同品の設計価格は15kgで10万円以上。「価格に見合うだけの性能はある」(担当者)と、性能の確かさを強調する。主な実績としては、病院の解剖室やホテルなど。掃除機にも採用されたという。
同社ではプロジェクトチームを編成し、需要開拓を積極化させている。

営業開発力が際立つ 
扇屋塗料(光触媒・遮熱)


扇屋塗料の光触媒ビジネスが好調だ。JHCCの認定代理店として材料の供給を行う同社だが、認定した施工店は営業所のある三重県鈴鹿市から新潟まで300社ほどを数える。取引にはシビアな選択条件を持つ同社だけに、精鋭の施工店を抱えているのが強み。「戸建て改修など汎用的に広がっていることに加え、大型案件でも当社ルートでの受注が好調」と担当者。


例えば最近の事例では、工事が進められている首都高新宿線の換気塔で14塔のうち4塔を獲得した。また各地の大型集合住宅などでも採用が増加、更に大手リフォーム会社でもスペック化させるなど、営業開発力が際立つ。「材料供給だけに収まらず、その先の需要をいかに開発していくかが代理店の責務」との方針に則った活動が成績に結びついている。高付加価値品に注力するという同社の方針ともシンクロした光触媒ビジネスにかける期待は大きい。


一方、鉄道車両関係に強い同社。JRなど顧客の懐深くに入り込み、各種のソリューションに向けた提案力で信頼を勝ち得ている。そのひとつとして結実し、実績が出始めたのが新幹線車両への遮熱塗料の採用。


塗料のサプライヤーとして早い段階から、メーカーに対してアクリルウレタンの遮熱グレード化を進言。車両内の快適性の向上、冷房の効率化などメリットが認められ、先端を行く新幹線車両で採用された。これを基点に他の鉄道車両へも採用増へ向けた働きかけを強化している。

高品質塗装に最適 
日本ワグナー・スプレーテック(光触媒)


日本ワグナー・スプレーテックは、光触媒専用塗装機「HV9100―TC」を上市している。
光触媒塗装はいかに薄膜で均一に塗布するかが、施工品質に大きく関わる。そこで同品はHVLP技術による独自の霧化技術を取り入れ、専用ノズルを開発。施工性に優れた塗装機を完成させた。


特長は1)低音システムを採用(特許取得済)2)フィルターの詰まりを知らせる警告ランプ付き3)霧化エアー入口フィルターは二重ろ過方式でメンテナンスが容易4)霧化エアー入口と冷却エアー入口を分離し、モーター加熱や損傷を防ぐ5)クラス最大能力の4段階タービンモーターを採用6)厳しい条件下での使用を可能にするため、本体はアルミキャストとドローンスチールハウジングを採用7)サイドカップはHVLPで初のアルミ製圧送式で吹付角度を自由に調整できる。


機能性に富んでいることから、バスタブのリフォームなど高品質塗装を要求される用途にも実績を持つ。
電源はAC100V 50/60Hz、消費電力は1030W。最大風圧は0.044MPa、重量は10㎏。


また大面積塗装用として、エアコート専用機「MCシリーズ」をラインアップする。エアコートとは、ノズルチップで霧化したエアレス塗装霧を包み込むようにして、空気(エアーカーテン流)を流す方式。これにより、スプレーパターンから飛散する塗料や被塗物に跳ね返るオーバースプレーを減少させる。

耐候性を強化しLCAに寄与 
三井化学産資(木材保護)


木材保護含浸塗料「ノンロット」を展開する三井化学産資は、全面改良を行い「ノンロット 205N Zカラーシリーズ」を投入した。
「ノンロット」は木の通気性を生かした膜を作らない浸透タイプの木材保護着色塗料。木材の防腐、防虫、防カビ機能を保持し、木の香りを損なわない木目を生かした仕上げを演出する。


今回開発した新製品は、従来品の特性を生かしつつ、耐紫外線性、撥水性、防腐性を強化した。特に耐候性、耐変色性においては、樹脂コンテンツを高めたことと特殊顔料を採用したことで、格段に性能を高めた。促進耐候試験では2000時間をクリアした。


また長期的な木造建造物の維持を図るため、メンテナンス性に配慮した塗料設計が施されている。初回塗り替え年数は従来の3年から4-5年に伸長。2回目の塗装を施すことで、10年耐久を実現した。以後、塗り替える度に耐久年数が伸びることから、ライフサイクルコストの低減に寄与する。その他低臭性、防汚性や養生テープが付きやすいなどの機能を有する。


施工は同品の2回塗り仕上げ。塗装間隔時間(晴天時)は2‐6時間。荷姿は18リットルから14リットルに変更。ただ粘度が上がったことにより、塗布面積は変わらず80m<sup>2</sup>/リットル(2回塗り)。14リットルの他3.5リットル、0.6リットルも揃える。色はZレモンイエロー、Zホワイト、Zアンティークブラウンの新色3色を追加し全14色。クリヤー3タイプを揃える。更に今回から1缶(14リットル以上)以上のオーダーから調色対応を開始する。

ハイブリッド技術で高機能化 
恒和化学工業(無機・有機)


恒和化学工業が高機能塗料として強力にプッシュしているのが「ダイヤスーパーセランシリーズ」だ。
「スーパーセラン」は同社の得意技術である無機と有機のハイブリッド技術が結集して生み出された製品。無機の特長である超耐候・超低汚染・難燃性及び高硬度に、有機の特長であるフレキシブル性・耐酸性・耐アルカリ性を付与することで無機と有機の優れた点を両立したのがセールスポイント。


耐候性に関してはスーパーUVによる耐候試験で、フッ素樹脂塗料が20-25年で劣化が始まるのに対し、同品は25-30年経過しても光沢保持率80%以上を保持。フッ素の耐候性を上回る。また汚染性は、有機系低汚染タイプの塗料と比較し、あらゆる項目で優れた特性を示す。特に硬度は6Hと高く、低汚染形塗料では困難とされていた塗り重ね性も全く問題がない。


更に塗膜が硬いにもかかわらず亀裂追従性に優れたフレキシブルな点は有機ハイブリッドによる同品ならではの特性。外装に求められるあらゆる機能を高いレベルで満たしていることで、建築物は言うに及ばず、防食分野でも活発に採用されるなど同社の柱のひとつに育ってきた。


スーパーセランに加え、ターペン可溶タイプの「スーパーセランマイルド」を加えたことで採用の裾野が広がっていたが、このほど「スーパーセランアクア」を新たにラインアップしたことで、水性タイプの供給体制ができた。これにより、汎用性が一層高まり更なる需要増大を見込む。

磁石掲示用マグネットペイント 
ニシムラ(特殊機能)


ニシムラ(東京・江戸川区)が昨年春から国内展開を始めた「マグネットペイント」が動き始めた。
同品の製造元はオランダ・マグペイント社。アクリルエマルジョンをバインダーに、防錆・微粒化の独自技術を施した鉄粉を混入し、同品を塗布した面に磁石がくっつくというもの。ペイントするだけで、あらゆる壁がマグネットウォールに変身するという特殊機能塗料で、磁石による掲示用途で需要が出始めた。


「安全性や糊残りの問題から画鋲やテープによる掲示が敬遠され、磁石による掲示が増えている。市販のマグネットボードに対し、壁そのものが応用できるのでスタイリッシュで面白みがある」と担当者。またこれまで掲示板やピンボードを設置できなかった曲面にも機能が付与できるので、内装設計の幅が広がる。


キッズ向け英会話教室のチェーンで採用された例では、一見なんの変哲もない壁が同品を施すことでマグネットウォールに大変身。アルファベットや動物の図柄などの磁石教材を使った楽しい授業が繰り広げられている。
また、千葉の公共施設では廊下の壁面500を掲示スペースに利用することを計画。ここでも同品が全面的に採用された。「当初予定していたホームセンタールートでの販売よりも、建築物件での実需の方が動きが早い」(同)のは同品の持つ楽しさが、建築物件に付加価値をもたらすためと見ている。このため設計やデザイナーなどへ向けた告知活動に力を入れている。

塗る断熱材の裾野が広がる 
日進産業(断熱塗料)


日進産業が今春発売した、塗る断熱材「ガイナ」が好調だ。宇宙航空開発機構(JAXA)からロケットに用いる塗布型断熱材技術のライセンス許諾を受けて開発した製品で、他社とは一線を画し「断熱」に軸足を置いた展開をしている。既に月1,000缶(14kg入)ペースの出荷に乗り、従前品の「シスタコート」を合わせると月に1,600缶超の出荷を誇る。


ガイナは水性アクリルシリコンをバインダーに断熱性能に特化した特殊セラミックビーズを配合。セラミックビーズの種類、粒径、配向性など核心部分でJAXAの技術を応用している。断熱、遮熱、耐久性の他、防音、透湿、防菌など住空間の快適性向上、防汚などの機能性向上といった15のアメニティ機能をうたっている。


学校や病院などの公共物件、住宅、店舗、工場や倉庫の屋根・外壁など「改修需要が多い」のは、改修の前後で比較実感できる性能評価が最大の営業ツールとなっているためだ。
また同品は断熱をうたっているだけに内装での需要が多いのも特長。公庫基準などがあり、従来の断熱材に置き換わるというわけでないが「例えば100ミリ使っていた断熱材を50ミリに軽減できることで空間を広く取れる」などのメリットが打ち出せ、設計の幅が広がることを強調する。
こうした特質が評価され、既にハウスメーカーでの標準仕様の動きや地域のパワービルダーでのスペック化など同品の採用に向けた動きは裾野が広がっている。

抗菌コーティング市場を革新 
ジーアンドアイ(抗菌)

ジーアンドアイはナノレベル抗菌・防カビコーティング剤「ナノベールMS」(商品名)を展開している。ナノレベル(100万分の1ミリ)のセラミック超微粒子をバインダーとして、これに安全性の高い薬剤を組み込み、優れた抗菌性(406菌)、防藻性(32藻)、カビ抵抗性(60菌)を発揮する。


使用している薬剤の安全性が高いのが特長で、歯科分野で定評のある昭和薬品化工が開発したもの。人体に有害な物質を一切含んでいない。
同品は常温のセラミックコーティング剤で、主成分はチタニア化成物(固形分0.5%以下)など。施工はスプレーで標準0.5-1μの皮膜を形成。耐久性は「皮膜がある限り性能を保持し、5年間の保証も可能」(担当者)としている。


抗菌レベルは国内の増殖する60菌すべてに効果があり「抗菌性能では他の追随を許さない」とコメント。実績によって抗菌性能が評価されている。
現在同社は販路拡大のため、全国規模の代理店ネットワークを形成中。同時に名古屋市内に専用ラボ(研究所)を確保。技術フォロー体制を整えた。
市場ターゲットはあらゆる建物からラインものまでと幅広い。ラインユーザーに対してはラインテストを実施している。また戸建てから集合住宅、工場など汎用分野へのPRは代理店と一体となって展開する。「当社は生産工場を持たない開発ベンチャー企業というスタンス。抗菌性能に関する技術対応力を高めて、代理店に販売しやすい環境作りを進める」という。

剥離せずに物性保持 
トウペ(プラスチックリサイクル)


トウペは鈴鹿富士ゼロックスと宏和塗料とで共同開発した、家電製品などのプラスチックマテリアルリサイクルを簡易にする塗料「リペレS♯1100」と、その塗料を使ったプラスチックリサイクル技術「リペレシステム」を展開している。


一般的なリサイクルを行う場合、色別に仕分けしたり、再生樹脂を補色したりと手間やコストがかかる。
また、プラスチック成形品に塗装したものをリサイクルする場合は、従来の塗料では熱可塑性プラスチックとの親和性が悪く、塗膜が混入した再生樹脂は伸びや強度など物性の低下を招いてしまう。そのため事前に剥離作業をしなくてはならない。現状は回収製品を燃しているか、花壇やベンチシートなどの下等再生を行っているところがほとんどだという。


同社が展開する「リペレS♯1100」はOA機器や家電製品に多く使われているABS樹脂やHIPS樹脂などのスチレン変性樹脂との親和性に優れ、一緒に溶けると塗膜は樹脂中に微細に分散する。そのため塗膜を剥離しなくても樹脂物性を維持できるメリットがある。
また、リサイクルによる樹脂色の変色もリペレ塗料で再塗装を行うことで外観上の美観が得られ、再度のリサイクルが可能である。


「リペレシステム」ではリサイクル時の部品筐体の仕分け作業や再生樹脂の補色が不要。また、鈴鹿富士ゼロックスが持つ成形方法や新規に開発した添加剤などを使用することでより簡易にマテリアルリサイクルを可能とする。

屋上と地下で需要が顕在化 
シンロイヒ(蛍光・蓄光)


シンロイヒは蛍光顔料の国内トップメーカーとして印刷インキ、捺染用カラーベース、塗料、樹脂着色など広範な用途に供給している。また自社でも加工品としての各種蛍光・蓄光塗料やフィルムを製造販売、この分野のリーディングカンパニーとして定評がある。


ここ数年の動きとして、地震などの災害に備えた防災・安全活動が各方面で活発化しておりこの分野での需要が旺盛だ。高さ45m以上のビルの屋上に義務付けられているヘリコプターの緊急離発着用マーキング用途や学校などの屋上に設けられる防災用ランドマーク表示。いずれも視認性を高める目的で蛍光塗料の採用が急増してきており、同社の製品も好調な出荷を続けている。
輝度や耐候性の向上といった製品モディファイ、下地に合わせた仕様確立など専門メーカーとしての技術力、提案力が採用を後押ししている。


また地下の防災で活躍しているのが同社の蓄光フィルムだ。東京都議会は昨年3月、地下鉄駅舎内に10m間隔で非難誘導明示物を設置することを条例化。災害により照明が消えた後でも、蓄光機能による自主発光で非難誘導に有効とし、同社の蓄光フィルムが採用された。この他洞道や地下街、駐車場など地下空間は急速な広がりを見せており、多用なアプリケーションでニーズに応えている。「サイン・ディスプレーなど目に見える空間がターゲットと思われていたが、屋上や地下など目に見えない分野で市場が立ち上がってきている」とし、施設管理者などへ向けた指定活動を強化している。

反応硬化形に最適 
好川産業(刷毛・ローラー)


好川産業は水性反応硬化形塗料に対応した刷毛及びローラーの品揃えを充実させ、販売展開を強化している。
塗料の高機能化が進む一方で、効率の良い作業のためには塗装ツールの適応力は不可欠。ユーザーにとっても使用塗料に応じた刷毛やローラーの重要性が増している。特に建築用水性塗料はエマルジョンタイプから架橋力の強い反応硬化形へと進化しており、同社は独自技術を駆使した反応硬化形塗料専用の刷毛及びローラーを開発した。


刷毛では、「名水」「GPフレッシュ」が代表的製品。反応硬化形塗料の場合、羊毛や馬毛を用いた獣毛刷毛では、含みがよく、しなやかさがあるものの、塗装中に刷毛内部で固まるという弱点がある。またナイロン刷毛では、含みが少なく、ツッパリ感があるという欠点を有する。そこで同社は、断面の違うPET樹脂繊維を組み合わせることで、従来にはない含み性とコシの強さを持った化繊刷毛の開発を実現した。「名水」は用途性が広い最高級品。「GPフレッシュ」は弾力性と仕上がり感に重点を置いたコスト性に優れた刷毛となっている。


ローラーでは、独自の配合技術を駆使した特殊ポリエステル繊維とフィラメント(長繊維)が泡の発生を抑え、効率の良い塗装を実現する。「ハイブリッド」は反応硬化型から強溶剤まで対応する万能マルチローラー。「紫陽花」は毛丈20の中長毛タイプで凹凸のある外装塗装に適する。「優雅」は4mmの短毛タイプ。スプレーガンに近い、繊細な仕上げを演出する。

ツヤ消しタイプの防汚コーティング 
菊水化学工業(無機系)


菊水化学工業はこのほど水性無機系コーティング材「ナノヴェール」を開発、近日にも本格販売を開始する。
同品はシリカ材をナノスケールで塗料化した無機系クリヤーコーティング。超親水性塗膜を形成し、優れた防汚性、耐候性を発揮する。既にナノ技術を採用した塗料では、有機・無機の複合塗料「ナノペイント」を先行販売しているが、開発時期はほぼ同じ。同品は原料から一新し、全く新しいものに仕上げた。


同品が開発された経緯としては、光触媒塗料の存在がある。責任施工で、かつ高グレード品としての動きを主体とする光触媒塗料に対して、同品はあくまでも汎用品としての位置付けで販売拡大を目指す意向を示す。そのため設計価格は1,500円/m2と使いやすい価格設定にした。
同品はツヤ消しのクリヤータイプ。無機系でありながら割れに強い塗料設計を施したことで、汚れが付きやすい弾性塗料への対応も可能にした。


担当者は「防汚性といってもお客さんのイメージはそれぞれ違う。ツヤ有り、ツヤ消しの汚れの付き方が違うことも知らない方が多い。クレームのほとんどは説明不足によるもの。当社としてはユーザーにとって、施主に提案できる付加価値になることを期待している」と話す。


用途としては、新築及び改修の外装部のトップコート。施工は低圧スプレー及びローラー。同社の主力製品である創造的漆喰風仕上塗材「グラナダ」のトップコートにも適している。

木材の延焼を抑える 
玄々化学工業(防炎)


玄々化学工業は固有技術を応用した機能性製品の開発を強化し、ニッチ市場の掘り起こしに注力している。11月末には、表面塗布型防火薬液「ファイヤーディレー F4」を発売する。
以前から同種の製品を上市していたが、ホルムアルデヒド放散等級F☆☆に相当することから積極的な販売を控えていた。そこで今回、新たに再開発し、F☆☆☆☆レベルを実現。水性エマルジョンタイプで塩素、臭素などのハロゲンを含まない環境対応形としてリニューアルした。


同品の特長は木材、合板の防炎処理。店舗の内装、オフィス、木製倉庫、物置、フェンスなどの屋内外の木造物に塗布することで、延焼を抑制する。日本防炎協会の防炎合板の規格に適合する他、国土交通大臣認定の不燃材料として現在申請している。
同品は透明性クリヤータイプ。下地として塗布し、上塗りに通常の塗装をすることも可能。屋外の場合は、上塗りとして、防カビ性能を持つ屋内外木部用水性塗料「ユートンAQUA」が適している。また専用ステインに混ぜ込むことで、着色材としても使用可能。用途性が高いことから担当者は「難燃剤を樹脂注入している木材は着色できない欠点がある。同品であれば、無処理材にも防炎機能を付与できる」と今後の展開に期待を見せる。


施工は刷毛及びローラーで、100g/m2を塗布。指触乾燥(20℃)15分、硬化乾燥は3時間。同品は11月22日から東京ビッグサイトで開催する東京木工機械展に出展する。

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