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Web特集

2007年01月09日

CHINA COAT 2006及び現地企業視察ツアー 粉体塗料の生産、51万トン 

日本パウダーコーティング協同組合とコーティングメディアは11月7-11日の4日間、「CHINACOAT2006及び現地企業視察ツアー」を行った。塗料メーカー、販売店、塗装会社など20名ほどが参加した。 急速な経済成長を背景に躍進を続ける塗料・塗装マーケット。CHINACOAT2006の会場でその一端を垣間見るとともに、現地の家電メーカー3社を訪問し中国の塗装ラインの現場を視察した。 また今回のツアーでは、中国化工学会塗料塗装専門委員会のメンバーを始め粉体塗装関連企業のトップらと会談を持つ機会を得た。同専門委員会の曦氏によると、現在、中国の塗料メーカー数は1万2,000社で生産数量は350万トン(2005年度)。このうち粉体塗料に関してはメーカー数が2,000社で、生産数量は51万トンに及んでいるという。樹脂別ではエポキシ/ポリエステルのハイブリッドタイプが約50%で、ポリエステルのTGICが19%、HAAタイプが8%、エポキシ9%といった報告がなされた。 こうした話を裏付けるように、現地企業の粉体塗装現場で、生産量を重視したライン稼働を目の当たりにし、粉体塗装の汎用的な広がりを印象付けるツアーとなった。


来年6月に防錆油製造工場を新設 
広州パーカライジング


20061206-6-2.JPG来年に第2工場を新設予定

広州パーカライジングは1990年、日本パーカライジング、蝶理、広州農薬廠による日中合弁会社として創立した。2002年からは日本パーカライジング(95%)と蝶理(5%)による日本独資企業として展開しており、金属表面処理剤の製造販売を行っている。
同社があるのは広州市東部の広州経済開発区で、周辺にはホンダの工場や自動車関連メーカーが拠点を構えている。広州には多くの自動車メーカーが進出しており、日系メーカーの生産台数はホンダ36万台/年、日産24万台、トヨタ24万台と需要拡大は続く。


同社の販売先は日系自動車メーカーや日系及びローカルの部品メーカーで、ユーザー数は170社ほど。日系以外の自動車メーカーには販売はしていない。自動車関連産業の需要拡大に伴い同社の業績も好調に推移し、販売数量・売上はともに年率15%で成長しており、ここしばらく成長は続いていくと見ている。年間の売上高は3,000万元。従業員は56名。


工場では粉体(脱脂剤など)と液体(リン酸亜鉛、リン酸鉄など)の薬剤を製造しており、2-3カ月分の在庫を確保している。使用している原料のほとんどがローカル製で、界面活性剤など性能面を考慮して一部は日本から調達している。また、中国ではクロム規制はないが、ユーザーに欧米に輸出する弱電メーカーが多いためノンクロム化が進んでいる。


ローカルの前処理メーカーとの競合は激しく、「まず価格ありという考え」(荒真康総経理)。そんな中、同社では昨年、日本電子の電子顕微鏡を1,000万円で購入。設備が整っていない中国で日本並みの品質・技術サービスを提供することで他社との差別化を図っている。
今のところ前処理薬剤のみを製造しているが、防錆油の製造・販売を開始する。来年6月に敷地内に第2工場を建設予定。広州地区は高温多湿気候のため鉄が錆やすく、日系メーカーでも防錆油を使用しており、市場ニーズは見込める。その他にも需要次第では塗料や塗装設備の販売もしていく意向だ。

自社ブランドなどでOEM依存へ脱却図る
東莞千石家電有限公司


広州市から南西に位置する東莞市に東莞千石家電有限公司は所在する。千石(本社・兵庫県加西市、社長・千石唯司氏)は中国では深と東莞に工場を持ち、三洋電機や松下電器、ノーリツなどの電気製品や家庭用機器のOEMメーカーとして事業を展開している。


生産品目は電気ストーブ50万台、オーブントースター80万台、石油ストーブ27万台、カセットコンロなど多岐にわたる。同社の製品は日本を始め、アメリカ、ヨーロッパなどに出荷されている。今のところ中国国内への販売は行っていない。


視察した東莞千石家電有限公司は2003年に独資企業として設立。金型プレス加工や家電製品製造事業を行っている。敷地面積は2万m2。従業員は1,000名ほどで宿泊施設が隣接されている。工場は24時間稼働している。


20061206-6-3.JPG千石外観、従業員宿舎が近接
20061206-6-4.JPG豊富なワーカー数

塗装ラインは工場の5階に位置し、ラインの全長は350m。1つのラインで溶剤と粉体の塗装を行っている。視察した日は溶剤塗装を行っており、溶剤塗装は1または2コートに1ベークで塗装。4ガン搭載したレシプロ1台で吹いて、その後にハンドガンで2コート目を塗装する。ラインスピードは2.5m/min。最近はメタリック需要が増えており、2コートが多いという。粉体塗装の場合は1コート1ベークで塗装している。


同社の塗装ラインは台湾メーカー製。溶剤塗料も台湾及びローカルメーカー製を使用している。前処理剤のリン酸鉄もローカルメーカー製を使用。また、粉体塗料はアクゾノーベル社。
溶剤と粉体の現在の稼働率は7:3。メタリックやパール調の需要が高く、今後も溶剤塗装の比率が多くなると予想されている。同社としては、コストメリット面で粉体塗装の割合を増やしていきたいが、外観の問題がある。同社が設計から製造は行うが、製品デザインは弱電メーカーが行っている。メタリックの輝度感は粉体塗装では了解が得られないのが現状となっている。


三洋電機の協力工場としてスタートした同社はアメリカのストーブブームなどもあり、順調にOEM生産の受注数を伸ばしてきた。しかし、ここにきて家電製品の低価格化が進み、採算が合わず事業を撤退するメーカーも出ている。同社も日本で生産コストが合わなくなったために中国に拠点を移した。
更に中国経済の成長に伴って中国の人件費も上がっている。中国での生産メリットがなくなれば次はベトナムやインドなどの拠点も考えなくていけなくなる。そんな中、同社ではOEMだけでなく自社ブランド「アラジン」を立ち上げ石油ストーブや石油ファンヒータの販売を開始し、新たな柱を目指している。また、今は100%輸出しているが、市場規模が大きい中国国内にも販売の目を向ける。そこには販売ルートとしての日系商社が必要など課題はあるが、あらたな展開の必要性を感じている。

ラインスピードは分速6メートル
美的制令家電集団、美的厨房電器公司


今回のツアーでは、中国第2位の家電メーカー・美的(Midea)グループの「美的制令家電集団」(エアコン)と「美的厨房電器公司」(キッチン関連)を訪問。両社の粉体塗装ラインを視察した。
両社が立地するのは広州から車で2時間ほどの広東省佛山市順徳区。道路沿いには機械・設備や工具などを取り扱う小規模な店舗がひしめき合うように軒を並べ、美的の城下町的な雰囲気を漂わせる。その一方で幹線道路に沿って日本車や欧州車のカーディーラーがズラリと勢ぞろいし、景気の良さも同時に印象づける。


美的制令家電集団は現在、年間1,000万台のエアコンを生産しており、このうち200万台がここ順徳工場で作られている。案内をしてくれた工場長の夏金生氏によると「ほとんどが自社ブランド製品だが、一部OEMも受託、10万台ほどは東芝ブランドで日本にも輸出されている」という。
ここの粉体塗装ラインは全長600mのラインを2ライン設置、主にエアコン室内機の背板やコンプレッサーの外板などを塗装している。「ラインは昨年5月に新設。投資金額は約3,000万元(400万米ドル)」(同)ということだ。


工程は脱脂、水洗などを経てリン酸亜鉛による化成処理-塗装-焼付乾燥(180-210℃×15分)-目視によるチェック-脱荷の順。塗装ブースではノードソンのコロナガンを使用。10ガン搭載のレシプロ2台を対面配置、補正4ガンを併せ、1ラインで計24ガンを用いている。
塗料はポリエステル樹脂系でデュポン製の他、ローカルメーカー2社のものを採用。色数は3色で月間の塗料使用量は約21トン。


このラインを見て驚くのは「分速5-6メートル」(同)というラインスピードの速さだ。日本のこの手のラインに比べ倍の速さで、1ガン当たりの吐出量も200-250g/minに達する。これらに起因する問題点も散見された。


20061206-6-5.JPG粉体塗装ガン、吐出量は250g

まず、全体的につきまわり性が良くなく、スケの目立つワークがみられたこと。またエアー量が多く静電反発が生じ、ここで浮いた塗料をブローするための人員を2名配置するなどの対応が採られていた。更に化成処理から焼付に至る間で一旦外部に出るライン構成となっているため、ブツが付着しやすく、脱荷時の目視でNGとなるワークがかなりの数見られた。


ただしワーカーの数は豊富。一旦NGで弾かれたワークを、人手をかけて研ぎ作業。再度ラインに流し、歩留まり率99%を確保している。着・脱荷(10数人)や目視検査員(5名)、補正スプレー(4名)や余分な塗料のブロー(2名)など、生産量優先のもと、ワーカーを潤沢に使っているラインであった。
次に訪問したのは「美的厨房電器公司」。レンジフード、ビルトインタイプの殺菌器や食洗器、電子レンジ、オーブンレンジなどキッチン関連の家電製品を製造している。年産150万セットで99%は自社ブランド品だが、一部TOTOブランドで日本へも輸出。


20061206-6-7.JPG弾かれたワークは研いでラインに戻す

ここの塗装ラインでは被塗物の種類も多く、7色と色数も多い。このため、ノードソンの高速色替えブースを採用。ライン上に塗装ブースを2基直列配置、一方ずつでオフライン清掃を可能とし高速色替えに対応している。「設備は今年の1月に約15万米ドルで導入。色替えは5分で、樹脂製ブースのため95%を回収再利用している。ワークの識別、追跡、ガンのトリガリングや静電気などの制御を1台のシステムに統合した」(継承塗装部門長)自慢の設備だ。
ここも分速5.5-6mの高速ラインで、生産量最優先のスタンスがうかがい知れる。経済発展に伴い家電製品の需要もうなぎ昇り。美的の塗装ラインからもその一端が垣間見られた。


20061206-6-6.JPG高速色替えブースで多色に対応

出展企業700社を突破、成長し続ける中国市場  CHINA COAT 2006
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「CHINA COAT 2006」が11月7-9日の3日間、広州の国際会議場展覧中心で開催された。上海と広州で毎年交互に開催される同展は中国最大の塗料・塗装関連の国際展示会となっている。今回は716社が出展し、前回の658社を大きく上回った。地域別では、中国が379社、香港・台湾・マカオが74社、その他アメリカ・ヨーロッパなどから263社が出展した。日本からは24社が出展した。

日本からは石原産業、旭化成化学、DIC、三井化学などの化学メーカーの他、楠本化成、サンノプコ、松尾産業などの原材料関連企業の出展が目立った。塗料メーカーでは大橋化学工業が出展した。 全体的に顔料、添加剤、樹脂など原材料関連の出展が多く、顔料ではメタリック製品の出展が目立ち、金属やプラスチック塗装した製品を紹介していた。また、degussaやBASFなどカラーを全面に押し出した演出で来場者の関心を集めていたブースもあった。広州地区の特徴として、自動車産業だけでなく、木工家具工場が多いため木工用塗料及び木工塗料向けの添加剤などを出展し自社をアピールしている企業も多く見られた。

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大橋化学工業は中国に進出して21年になるパイオニア的存在。昨年、これまでの合弁体制から独資での展開に切り替え生産体制を増強している。既に操業を始めている青島、東莞に加え来年には上海に生産拠点を立ち上げ3拠点体制を整える。今回の出展では「独資としての『鴎哈希化学工業』ブランドを広めることが目的」(担当者)。高輝度、高光沢、高硬度など塗膜品質の高さと安定性を弱家電メーカーやコーターなどに広くアピールした。

DICグループは印刷インキの他、塗料用の特殊顔料、樹脂、自動車用高級顔料など同社の幅広い事業レンジを紹介した。特に自動車のアルミホイールではアクリル系粉体クリヤーで仕上げた実物を展示。「既に日系自動車メーカーのスペックで出荷を始めている」(担当者)とのことだ。

石原産業は今回が3回目の出展。顔料及び機能性材料としての酸化チタンの可能性をアピールした。「欧州の塗料メーカーなど一時期、価格優先でローカルメーカーに流れたが、品質の安定性で再度引き合いが増えている」(担当者)と活発な需要。品質の優位性をアピールするとともに、光触媒や導電性など特殊機能を紹介した。

共栄社化学は中国市場でアクリル系モノマーや塗料用添加剤を販売している。販売に関して「ディーラーまかせ」(担当者)であったため、今回自社及び製品知名度アップを目的に出展。木工用塗料の顔料分散剤などを紹介した。同社は台湾系ディーラーとの取引が多いため台湾系塗料メーカーへの販売が多いという。今後は有力な日系、中国メーカーへの販売に注力していく。

今回初めて単独で出展した楠本化成は高機能添加剤「DISPARLON」を広くアピールし、ディスパロンブランドを確立して差別化を図っていた。ブース内では水性塗料用、木工塗料用、UV塗料用、プラスチック塗料用など用途に適した添加剤をパネルで詳しく紹介していた。

協和発酵ケミカルは添加剤、機能性モノマー、樹脂原料などを販売している。塗料用原料の「ダイアセトンアクリルアマイド」を使用した木工用クリヤー塗料などを紹介した。

塗装機器では旭サナックが間接帯電式のエア静電ハンドガン「HB3000系列」、単色用小型CNC二液塗装機「ACW1200」などを紹介した。その他にワグナー、アネスト岩田などが出展した。

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出展企業の数は毎年増えており、今回で700社を突破した。特に中国、香港、台湾企業の増加が目立つ。中国の塗料生産量も年間350万トンと見られ、今後も成長が予想される塗料市場を反映した展示会となった。

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