Web特集
2007年02月13日
シリーズ: 水性自動車補修塗料システム
水性導入のための基礎講座・日本ペイント 水性自動車補修塗料システム(12)
Ⅱ)手研ぎ-水研ぎ
プラサフを600-800番ペーパーで面出し研磨を行い、濃彩色系は1000番ペーパーで目消しを行います。
Ⅲ)サンダー研ぎ
400番ペーパーをダブルアクションサンダーに装着し、プラサフ全体を研磨します。濃彩色系は600番で目消しを行います。
(2)研磨面出し後の確認
研磨面が平滑になり、パテや鋼板の透けがなければ研磨仕上げは完了です。
水研ぎの場合は、この時点で乾燥機などを使用して、水分を完全に乾燥させます。なお、エアブローだけでは塗膜中の水分を完全に乾燥できないことがあります。不完全な場合は、経時でブリスターなどの不具合が発生する原因となるので要注意です。
〈参考〉パテや鋼板が透けたり露出した場合
・もう一度、脱脂清掃後にプラサフの塗装を行う。
この状態で上塗り塗装を行うと塗料が吸い込まれて、つや引けや肌違いの原因となり、また、錆の発生原因となる。
(3)上塗り用の足付け研磨
プラサフの研磨が完了すると、上塗りのための足付け研磨を行います。上塗り塗装には「ブロック塗装」と「ぼかし塗装」の2種類があり、研磨方法も異なります。
1)ブロック塗装用の足付け
プラサフ部の研磨が完了すると、パネル全体を足付け研磨します。研磨の目的は、上塗り時に目的の肌が得られるように旧塗膜の塗り肌を削り、平滑にすることです。研磨部に光沢が残っている場合は、旧塗膜の塗り肌が残っており研磨不足の状態です。
2)ぼかし塗装用の足付け
プラサフ部の研磨が完了すると、ぼかし塗装を行う範囲よりやや広めに、足付けたわしやウエスなどに、足付けコンパウンドを付けてこすり研磨を行います。研磨の目的は、旧塗膜に細かい傷を付けて表面積を広げ、密着力だけを確保し、旧塗膜の塗り肌は残します。これは、ぼかし部分の上塗りは非常に薄い膜厚で仕上げるため、元の肌が残っている方が補修部と未補修部の塗り肌が合いやすいためです。
3.3 ベース(塗装環境など)
3.3.1 調色の基礎知識
プラサフ工程の次は、調色工程です。
〔調色の目的〕
塗料には、顔料種類によって、いろいろな色があります。単一の顔料を使った塗料を「原色」といい、この原色を2つ以上混合して、求める色に合わせる作業を「調色」または「色あわせ」といいます。
自動車補修塗装においては、補修する箇所周辺の色に調色して、元の色に復元するために行います。
更に、用いられる「原色」がいわゆる顔料原色(白・赤・黄・青など)の他に、メタリック原色(アルミ顔料)、マイカ原色(パール顔料)の光輝材を多用しているために、他の分野での調色よりは高いレベルの精度と技術が求められます。
※原色とは、別の色に分解できない色、2つ以上の色を混合しても作り出すことができない固有の色です。
3.3.1(a) 色の基礎知識
1)色と光
色は、感覚(臭覚・味覚・聴覚・触覚・視覚)の一種「視覚」で、光が目に入ることにより感じます。色が見えることにより、物体の位置や大きさ、形状などが確認できます。
(1)色とは
物体に当たって反射、透過した光が目に入ると、網膜を刺激して信号化され、視神経で脳に伝えられ色として感じます。したがって、光がなければ色を感じることはできません。
(2)光とは
光は波の一種で、γ波から超波長までいろいろな波長の波があります。
光を分類すると、色として感じる可視光線と、色を感じない不可視光線に分けられます。可視光線の波長域は380-780ナノメートルで、その他は不可視光線の波長域になります。
※ナノメートル(nm):1nmは1μmの 1/1000の単位です。
通常は、可視光線のすべてが目に入るため、白色にしか感じませんが、光をプリズムで分光すると赤-紫までの帯状に並んだ色の列が見えます。これを「スペクトル」といいます。
(3)色の分類
色を視覚別に分類すると、光源色と物体色に分けられます。
(4)光の三原色
可視光線を波長域別に大別すると、短波長域(青)中波長域(緑)・長波長域(赤)の3種類に分けられます、これを光の「三原色」といいます。すべての波長域を混ぜ合わせると、光は白に見えます。
※この原理をうまく利用しているのが、カラーテレビです。
(5)物体の三原色
物体の三原色は、赤・黄・青で、この3色を任意の割合で混ぜ合わせると、ほとんどすべての色ができるといわれています。これを色の「三原色」といいます。
※カラー写真やカラー印刷では、赤紫・黄・青緑が「三原色」といわれています。
(6)物体色の見え方
物体に光が当たると、表面で反射する光と吸収される光があります。
この反射や吸収は物体ごとに異なり、それぞれ固有の色として見えます。
※自動車などの塗膜も同様に、光が当たると反射と吸収が行われ、固有の色として見えます。
2)色彩
(1)色の三属性
色は「色相・明度・彩度」から構成されています。これを色の三属性といいます。
○色相:りんごの色は赤、レモンの色は黄、海の色は青というように、誰もがその「色あい」を思い浮かべ区別した言い方をします。このように、それぞれ区別される「色あい」を色相と呼んでいます。
○明度:色と色を比べて、明るい色とか、暗い色というように、色には「明るさ」の度合いがあります。
たとえば、消火器の赤とアズキの赤では消火器の赤のほうが明るく、アズキの赤のほうが暗いと区別できます。更に、アズキの赤とレモンの黄色では、レモンの黄色の方が明るい色です。このように色相に関係なく比較できる「明るさ」の度合いを明度と呼んでいます。
○彩度:同じ黄色でも、レモンと梨を比べますと「明るさ」というよりも、レモンは鮮やかな黄色で梨はにぶい黄色というように「鮮やかさ」に大きな違いがあります。このように色相や明度とは別に「鮮やかさ」の度合いを示す性質を彩度と呼んでいます。
(2)色の大別
色には、無彩色と有彩色があります。
○無彩色:白や黒、灰など明るさ(明度)だけの属性を持っている色の総称です。
○有彩色:赤や青、黄など色あい(色相)、明るさ(明度)、鮮やかさ(明度)、すべての属性を持っている色の総称です。