Web特集
2007年04月02日
プラスチック塗料・UV/EB特集2007(企業動向)
多官能アクリレートで差別化
東亞合成
東亞合成の光硬化事業が拡大基調にある。国内マーケットはディスプレーやエレクトロニクスなど電子材料分野が年率2ケタアップと好調に推移。一方従来からの塗料、インキ関連は横ばい状態にあるものの、環境対応から水性ニーズが高まっている。
同社は多官能タイプのアクリレートをメインに高機能、高品質のニーズに応える格好でシェアを伸ばしてきた。特に電子材料分野においては耐久性の向上、反射防止などのニーズに応える材料開発とともに、一部配合品の供給も行っている。昨年同社は高屈折率のノンハロゲンタイプを開発、またレジスト向けには現像性を付与した変成多官能アクリレートも製品化し、サンプル出荷を進めている。「アクリル酸を自製しているのでそのメリットを生かし、多官能タイプで差別化を図っていく」考えを強調する。
一方、プラスチックのハードコート用は環境問題から水性UVのニーズが高まっている。「VOC低減に向け各塗料メーカーは取り組んでいる。水性UVの場合、光開始剤など後添加が難しいので我々原料メーカーと共同で開発するケースが多い。塗料としては既に処方は出来上がっている。携帯電話の端末などは外資系ユーザーが先行して採用する可能性が高いと思う」と状況を説明する。
また台湾、中国の生産も順調にあり、特に中国マーケットはここ1-2年の間に数量ベースで国内を上回る勢いにあることから同社はサービス体制の充実に努めていく方向だ。
水性UV樹脂をサンプルワーク
大日本インキ化学工業
大日本インキ化学工業の光硬化樹脂事業が順調に推移している。電子材料を中心にプラスチック、建材関連のハードコートも堅調。「昨年後半から塗料分野も上向いている」という。ここ数年、電子材料が牽引になってUV樹脂は2ケタ伸長の伸びを示している。
同社は数年前から開発に取り組んできた水性UV硬化樹脂(ユニディックシリーズ)のサンプルワークを進めている。コアーシェルタイプのエマルションで、コアの部分はアクリロイル基を持ったUV硬化樹脂に、シェルの部分は疎水性基と親水性基を持った水分散ポリマーが覆っている格好。基材の性能要求によってコア部分のUV硬化樹脂を選択することでニーズに対応できるとしている。
「従来のUV硬化塗料と比較してVOCは5%以下に抑えられることから環境対応として期待している」という。代表的な樹脂特性値は固形分35%、粘度200mPas、PH8というもの。また塗膜性能的(光開始剤4%)には塗膜外観、密着性、鉛筆硬度は従来の溶剤UV塗料同等にあり、耐摩耗性は水性タイプの方が高い数値を得ている。「ラボ試験では初期の付着性も良好であることから、今後ライントライアルで適正を確認していく」と説明する。
一方、ディスプレーを中心とした電子材料分野は高機能が求められており、「帯電防止、耐指紋防止、反射防止、耐摩耗性とニーズのレベルは高い。ポリマーメーカーとして樹脂サイドからの差別化で優位性を出して行きたい」とコメントする。
複合化技術で高機能に対応
第一工業製薬
第一工業製薬はUV・EB硬化原料に「ニューフロンティア」、水性ウレタン樹脂に「スーパーフレックス」と各シリーズを擁し多彩な展開を進めている。
昨年、国内の光硬化材料マーケットはディスプレー、半導体などに牽引され総じて5-6%の伸長率と見ており、木工関連を中心とした塗料分野は横ばいとの推測だ。「ディスプレーを中心とする電子材料分野が高い伸長幅で推移している。この分野が全体的な底上げに寄与している」とコメントする。
しかしながら数量の伸びとは裏腹に収益性の悪化を懸念する。「競争の激しさが増す中で、勝ち組と負け組みが鮮明になってきたようだ」との状況にある。
プラスチック素材への環境対応として同社はUV・EB硬化材料、水性ウレタン樹脂をベースに取り組みを強化している。「オール水性化に向け技術の構築を進めている。特に密着性が大きな課題であるとともに、硬化システムにおいてもUV硬化樹脂と水性ウレタン樹脂との複合化も検討している」と説明する。
また高機能化への対応では同社の臭素をベースにした難燃剤の技術を用いて高屈折率を発現。更にはコア事業である界面活性剤の技術を用いて水性の密着性能を高めるなど自社の持つ技術を複合してさまざまな機能付与を図っていく考えだ。
モノマー関連では昨年低刺激性の製品をラインアップしたが、「ユーザーニーズに対応し同じ骨格の中で更にモディファイして提供している」と現状を説明する。
多官能モノマーで機能を追求
大阪有機化学工業
大阪有機化学工業は自社のエステル化製法で培った独自技術をベースにコーティング、インキ、塗料分野に幅広く単官能及び多官能アクリルモノマー「ビスコートシリーズ」を展開している。
ここ数年、ディスプレーを中心とする電子材料分野が好調に推移していることから関連モノマーの伸長幅も年率2ケタを維持している。
多官能モノマーとしては、昨年から「ビスコートV-1000」のサンプルワークを開始した。「硬度、粘度の異なる2種類をラインアップし、ディスプレー関連で評価を進めている。体積収縮率が低いのが特徴」と説明する。同1000は14官能以上の多官能タイプ。
特に電子材料分野は高機能化が求められていることから、「高硬度・低粘度・硬化収縮の改善に向け開発に注力している。従来のウレタンアクリレートとは異なる系の多官能タイプで開発を進めている」と現状を説明する。
また硬化システムではアクリルとオキセタンを組み合わせた「OXEシリーズ」を展開している。従来のラジカル反応とともにカチオン反応も行えるデュアル硬化。「異なる反応性を有することが生かせる用途でのリサーチを図っている」とコメントする。
更に単官能モノマーの「DOLシリーズ」は皮膚刺激性が低いのが特徴で、P.I.I 値が1.0以下を達成。拡販を進めるとともに、接着剤、希釈材として使用されているTHFAの代替マーケットを取り込んでいく意向だ。
ポリマー変性技術生かす
三井化学
三井化学はUV・EB硬化樹脂として「オレスターRAシリーズ」を展開している。同社が有するポリマーの変性技術を生かした特長ある製品展開を進めている。
環境規制の強化が進むなかで、同社はノンソルベント化に向け取り組んできた。既に無溶剤タイプではプラスチック、インキの分野で実績を持つ。しかしながらプラスチックの水性UV化については基材への密着性が大きな課題となっている。「親水基を持つので使える材料が限られ、現在の2液ウレタン塗料同等の性能を発現するのは厳しい」と許容範囲の狭いなかでの開発に苦慮している状況だ。
またプラスチック向けは伸長しているものの、製品グレードが増える傾向にあるとともに、ワンロットのサイズが小さくなっている。「ユーザーの素材変化が早く、ポリカやアロイ製品が増え、それに合わせて合成を変えるなど品質とともに細かな対応が求められている」と状況を説明する。特に素材への密着性が大きなテーマとなっている。
同社はMMAからポリオレフィンまで幅広い樹脂を有していることに加え、ポリマー技術を駆使することでニーズに対応している。「骨格を変えずに機能付与できるところがポリマーメーカーの強み」と強調する。
今後、従来のプラスチックのハードコートにとらわれず、光学フィルムやディスクなど広義のプラスチックのハードコートに向けた展開にも力を注いでいく考えを示す。
バリエーションに富む製品戦略
ダイセル・サイテック
「ディスクやディスプレーのハードコート及び接着関連で伸張著しい」とダイセル・サイテックの光硬化事業は好調だ。出荷数量で2ケタの伸長幅にあり、「液晶関連は2011年の地上デジタル波の切り替えまで需要は続く」と同社は見る。
環境問題が大きなテーマになる中で、プラスチックのハードコートは環境対応というよりも機能重視で動いており、すぐに水性、無溶剤の方向にはなりにくい。同社では数年前からウレタンディスパージョンタイプを紹介、既に水性UV塗料の処方はできているようだ。「引き続き水性UVの対応は進めていく。工業用と同様に現場施工においてもUVキュアーのニーズがある。従来のフロアーポリッシュの代替に使用されている」と説明する。
またUV硬化によるソフトタッチ用樹脂の展開を進めている。ウレタンアクリレートで上塗りのベースコート用に使用するもの。「触感UV塗料用樹脂で仕上り感が柔らかなレーザータッチ。携帯電話や化粧品のボトル関連で引き合いが増えつつある」という。
更に欧州で販売を進めている自動車補修用のUV樹脂やアルミサッシ用の高耐候性UV樹脂の展開も国内で行っていく意向を示す。前者はパテをUVで行い研磨工程を入れてベースコートを塗装、クリヤーをUV硬化塗料で仕上げるというもの。UV樹脂はモノマー希釈タイプと、溶剤希釈タイプを揃える。後者はディスパーションタイプを新たに開発、高耐候性UVディスパーションとして展開していく。
ナノ粒子ディスパージョン展開
ビックケミー・ジャパン
ビックケミー・ジャパンはUVコーティング用にナノ粒子ディスパージョン「NANOBYKシリーズ」を展開している。
同ディスパーションはアルミナ、シリカのセラミック粒子を水に分散させたタイプ。ナノ粒子を塗料中に完全に分散安定化させることで耐スクラッチ性の向上が図られるとともに、塗膜の光沢、透明性及び可とう性に影響を与えないといった特長を持つ。「アルミナ、シリカを分散させているから硬くなるというメカニズムではなく、添加物によって塗膜中にマトリックス構造が形成され塗膜そのものが緻密になるイメージ。かといって粘弾性は変わるかというと変わらない」とコメントする。
欧米ではプラスチックのハードコート及び木工関連のハードコートに採用されている。国内においても塗料、インキなどのハードコートの分野で展開を進めている。同ディスパージョンにはアルミナが50%、同30%とシリカ25%含有製品を揃える。
また同社は木工塗料、プラスチック塗料向けのUVコーティング用にシリコン系のレベリング材「BYK-378」を新たに上市した。同品は泡を安定化させずにスリップ性を大幅に向上させるシリコン系表面調整剤。
「下地への濡れ性が向上するのでハジキが防止でき、主成分がポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンを使用していることから、一般的に塗膜の透明性、光沢に影響を与えない。また溶剤形、無溶剤及び水系塗料に使用できる」と特長を説明する。
電材フィルム関連などで2ケタ伸長
大日精化工業
大日精化工業のUV・EBコート材事業が順調に推移している。フラットパネルディスプレーなどの光学フィルム用途、半導体ダイシングテープなどの電材用途が好調、光ディスクなどの情報関連にも支えられ年率2ケタ伸長にある。昨年秋口からディスプレー関連、半導体関連で小幅ながら生産調整に入ったものの「通年に影響が出るというほどのものではない。今年も出荷は旺盛に推移するものと見ている」とコメントする。
ディスプレーなどの光学フィルム用ハードコート材は高機能化が求められている。「帯電防止性や光の屈折特性など年々性能が高度化しており、同時に品質も高まっている」と状況を説明する。また、高硬度のニーズも高い。
旺盛な需要に対し、コスト的には年々厳しさを増している。競争が激しいことに加え、機能性確立サイクルが短いことから、いち早く製品化を図る開発体制を組み、高付加価値追求に対応する方向にある。
また環境関連では建材用途で無溶剤化を図るなどの対応を進めてきたが、全般的なコーティング分野への対応が課題。「水性化のニーズはあるが性能面で溶剤タイプ同等の性能を発現させるのは難しい。多くの分野で性能重視の傾向であり、また回収装置を使用してクローズドシステムで対応するメーカーもあり、当面現行のまま行くのではないか」と予想する。
RoHSに関しUV・EBコート材で対象物質の使用はない。
世界標準の品質確立へ 武蔵塗料
武蔵塗料は国内メーカーとして初めてEU域内に生産拠点(ハンガリー工場)を立ち上げ、昨年12月から操業を開始するなど、「世界のムサシ」に向けダイナミックなグローバル展開を続けている。 目標は明解だ。「プラスチック用塗料で世界トップを目指す」(福井修平社長)。世界11拠点を有し、アジア、欧米までを視野に入れ、BRICs地域もカバーしていく方針。「ブラジル、ロシアへの進出要請もあるが、拙速にやる必要はない。当社の目指す世界標準の品質を確保しながら進める」(同)とのスタンス。 同社が技術で指向するのは新素材への対応。製品の薄型化などにより、プラスチックは強度を高めるためガラス繊維などとの複合化に向かっている。「新素材の動きが活発になっており、これに対応するには密着性が付いて回る。プライマーの開発や発色性のよい下地など開発のスピードを上げて取り組んでいる」(技術開発担当者)という。 このため開発スタッフを増員する一方で、技術ノウハウの共有化を進めている。「水性グループ間だけでなく、各担当分野間の垣根を低くして、コミュニケーションの密度を高めている。技術スタッフの平均年齢が若いせいかスピードへの感度はあると思う」とコメントする。 携帯電話から弱電分野まで幅広いプラスチック分野をカバー。自動車用プラスチック分野の拡大も図っていく。「プラスチックに関してはムサシのブランド力を浸透させていく」との指向。
色で勝負を鮮明化
カシュー
カシューはプラスチック用では携帯電話に特化した展開をしてきた。カラープレゼンテーションを武器にしたデザイン戦略で、国内メーカーとして初めて海外大手ユーザーであるノキア、モトローラ、ソニー・エリクソンなどに塗料を供給。携帯電話向けでトップランクに位置付ける。
技術開発面では低VOCシステム用として、プラスチック用水性塗料を開発。クリヤーコートに関しても水性UVが開発され、採用が決定した。水性に関しては海外ユーザーの方が積極的に採用する動きを見せているという。今回の水性UVの採用を突破口にして、水性システムの浸透を図っていきたい意向。
携帯電話以外の分野で同社がターゲットにしているのは薄型テレビのハウジングの塗装。ラッカータイプのスペックが主流だが、インテリア性が高まる傾向にあり、カラーデザイン面での提案を強めていく。
自動車用の内装部品についてはTXフリーへの対応が中心。「ここ1-2年はTXフリーでの競争になっている。対応力を高め、承認・採用につなげていきたい」(技術開発担当者)とコメントする。
同社はテザイン力の高度化を図り、「色で勝負する」スタンスを鮮明にしている。従来の塗料から色材に向うのでなく、色材→塗料に向けた方向。このため世界のカラートレンドをリサーチするなど色に関する情報収集力を強め、独自の提案色をもったカラープロモーションに注力していく。
ゲーム機向け伸長
大橋化学工業
大橋化学工業は自動車用ではTXフリーへの対応を急ぐ。「国内ではTXフリーを優先して進めるユーザーに対応し、製品の承認を得ている。一方、海外に関しては水性の導入が始まっている」(技術開発担当者)という。
既に同社はPP素材用の1液アクリル、2液ウレタン塗料を開発、大手自動車メーカーから評価を得ている。弱電のTXフリー化はコストアップ要因になる点に加え、塗装条件を変更しなければならないため、「条件を詰めていかなくてはならない」とコメント。
携帯電話向けは後発であったことから、市場ターゲットを国内より中国市場に探索。「海外大手は発注ロットのケタが違う」ため、量的拡大が見込めるためだ。既に携帯電話のMg素材用では実績があり、水性UVクリヤーの投入も検討している。
水性シフトについては、海外から先行的に拡大していくとの見方を示す。携帯電話用のオール水性システムの確立を急ぐ。水性ウレタン2液と水性UVクリヤーのスペック。「もうサンプルを出せる段階にある。要請があれば積極的に対応していく」との姿勢。
同社はプラスチック用分野の中で、デジタルカメラなどの精密機器や弱電製品に強いスタンス。5年ほど前から伸びてきているのがゲーム機。塗装レスの仕様からUV塗装の仕様に変化し、この分野ではトップの地位にある。自動車内装分野でもソフトフィール調で先行した実績を背景に拡大していきたい意向。
TXフリー化完成
オリジン電気
オリジン電気は中国3拠点での現地化を進めている。研究開発からの一貫体制を築いていく。これに対応し、国内での開発力強化と現地のR&D体制との補完の在り方を追求する。
同社のプラスチック塗料事業は自動車用、モバイル製品・弱電、その他分野に分類される。自動車用に関してはTXフリー化を完成させ、エコネットシリーズを上市。また水性タイプのプラスチック用触感塗料「水系ソフトフィール」を1液ウレタンタイプで製品化。ソフトフィールニーズに応えるとともに、低VOCなど環境適性でも先進性を示す。
高輝度ニーズに対しては、「プラネットCX-8」「プラネットST」を製品化。デジタル家電やデジタルカメラでの採用を目指す。差別化のポイントはABS、ABS/PC、PC素材に対する密着性はもとより、PCとガラスフィラーの複合素材などの密着性を高めた。「金属調の高いレベルのニーズにも応えていける」とコメント。
特に「プラネットST」は大型薄型テレビ、パソコンのディスプレーを狙って展開。1液型のため短時間で大型家電の塗装が可能になった点をアピールする。
同社の独自の開発スタンスはUVキュアの開発に表われている。UVコートは硬い常識を破り、屈曲性を付与。この開発ポイントはどれだけの軟質成分を含有させることができるかにあった。「約400%の軟質成分の添加に成功した」(技術開発担当者)という。幅広いニーズでの展開を図る。
開放ラボで光硬化をサポート マテリアルサイエンス
マテリアルサイエンスはパルス式紫外線照射システムを展開している。HD-DVDやBD-DVD5などの貼り合せ、ハードコートのコーティングに不可欠なものとなっている。 ディスプレーは大型化の傾向にあり、従来の照射では熱の影響が出やすいことから、同社のパルス式が採用される動きが高まっている。「国内ではDVD関連での納入実績が多い。パルス式の紫外線照射装置を使用すると硬化収縮がなく、ホットイニシエーターが従来の半分の含有で済むことからコストダウンにも結びつく」とメリットを強調する。また、通常の水銀ランプは熱が発生するためディスクの形状変化が起きやすい。しかし同社のパルス式は光エネルギーを照射するので極めて効率が良く、大幅な直効率の向上に結びつく。更に注入ガスは無公害の不活性ガス・キセノンで一切の公害トラブルを起こさないといった特長を有す。 同社は2005年11月にパルス式紫外線照射実験室を長野県茅野市に開設した。更に昨年4月にはUV硬化パウダーコーティングテクノロジー研究所を岡谷市に開設。2つの一般開放実験室によって光硬化のトータル的な提案を行っていく方向だ。またUVパウダーコーティングテクノロジー研究所には自動車PPバンパー用のプラズマ表面改質処理装置も導入し、プラスチックへのUVパウダー塗装に向けた展開を進めていく方向にある。「装置と材料をセットで揃え、ユーザーニーズに適ったシステム展開を図る」とコメントする。
窒素方式への引き合い活発化
ジーエス・ユアサライティング
ジーエス・ユアサライティングは昨年、コンベア式の窒素パージ小型UV照射装置を投入したことで、用途展開が加速度的に広がってきた。
照射ブース内を窒素雰囲気にすることで、空気中でUV照射する従来装置に比べ、酸素阻害が軽減され、UV硬化樹脂の硬化効率が高まる。コスト高の要因である窒素消費を抑えることに成功し、汎用性を持たせた。
窒素雰囲気でのUV硬化は、さまざまなメリットをもたらす。例えばフローリングなどの木工建材関係。酸素阻害がなくなることにより、UV照射量の減少、速硬化性による生産効率の向上といった面ばかりでなく、塗膜の架橋密度が上がり耐擦傷性や汚れ除去性などが格段に向上し、製品自体の高付加価値化をもたらす。更に光重合開始剤の量を抑えられるため、未反応分による臭気など対環境面でも寄与する。
また、フィルムコーティングの分野でも引き合いが非常に活発化している。従来、酸素阻害のために加工することが困難であった薄膜UVコーティングを可能としたことが最大の要因。更に、増産が続く各種フィルム製造の現場で、コーティングに関してラインスピードの向上による生産効率化が評価された。
「従来のUV照射で実現できなかった用途など、多用な分野から引き合いを頂いている」(担当者)と用途の広がりを確信。小型実験タイプから実機タイプまでを同社内(京都市)にあるラボに備え、ユーザーの用途開発のために提供、昨年の投入以来、利用頻度が格段に高まっている。
ピアノ鏡面光沢を開発
TS塗装技術研究所
TS塗装技術研究所はプラスチック用の新たな塗装システムの開発に注力している。同社が開発したピアノ鏡面光沢が複数の携帯電話に採用された他、エラストマー素材向けの塗料が自動車部品などに採用されるなど、ビジネスの拡大につながってきた。
同社は塗装を中核とした技術コンサルタント会社だが、そのノウハウを活用した前処理から塗料や塗装設備までの研究開発に注力している。競合企業が目を向けない分野に特化したテーマで開発をするスタンス。
プラスチック向けのピアノ鏡面光沢塗装システムは、素材の色調深くにまで光を透過し反射させることで、深味のある鏡面性を実現。現在数社の携帯電話メーカーで採用される予定。更に海外大手からのオファーもある。
エラストマー素用の塗装システムは密着性を改善する技術が鍵。独自の表面改質技術で密着性の悪いエラストマーに塗装を可能にした。既に乗用車用のアンテナに採用され、携帯電話のゴム部品にも採用が決定している。
この他、2μという超薄膜の蒸着法を開発。自動車のエンブレムなどに採用。他の部品でも採用が広がってきた。
同社の強みは特化した技術をさまざまなタイアップ先と共同開発するフットワークにある。塗料を塗装ラインにのせるまでの全工程についてバックアップできるノウハウが、他社との差別化につながっている。次のテーマは1年余りをかけプラスチック用水性システムの開発。大学の研究機関とのタイアップがスタートした。
現場施工のUV応用に注力
マリオネットワーク
マリオネットワーク(横浜市港北区)は、幅広い紫外線照射応用分野に向け、装置・機器に関するコーディネート業務を主体に展開している。大学などの研究機関に対する納入実績も多い。「コーティング、キュアリングはいうに及ばず、洗浄、表面改質、空気や水の改質などUV照射の応用分野は全産業的に広がっており、裾野の広がりを実感している」(担当者)とし、UV照射を応用した新たな需要分野の開拓にも積極的な姿勢を示す。
そのひとつとして取り組んでいるのが、現場におけるUV塗装分野。具体的には店舗、住宅、公共的な施設など建物における床メンテナンスでの需要。
特に木質や硬質塩ビなど既存床のメンテナンスでは従来ワックスが多用されてきたが、例えば店舗の営業時間が延びたことによりメンテナンス作業の時間を短縮化させるニーズが高まるなどUVコーティングへの需要が高まっている。
更にUVコーティングによるハードな膜がメンテナンスサイクルを伸ばすとして期待が大きい。
同社では現場施工に対応する100V電源で1000W並みの照射力を持ち、片手での作業を可能にしたハンディタイプの照射装置をラインアップ、現場施工のニーズに応えている。
またUV塗装の現場施工で起こりがちな硬化不良、ゴミ・ブツの巻き込みによるクレームなど、施工ノウハウと最適な塗料の提案も行いトラブル回避に向けたサポート業務も行っている。