Web特集
2007年04月11日
屋根用・遮熱塗料特集2007(トピックス) 太陽熱高反射塗料の標準化前進
遮熱塗料は、顔料などによる高反射タイプと中空バルーンなどを配合することで空気層を取り入れた遮断熱塗料が存在する。同研究会はまず遮熱塗料を定義化。"熱に関与する赤外線領域を反射するタイプの塗料"を太陽熱高反射率塗料とし、"塗膜に空気層を設け、熱を遮蔽するタイプの塗料"を熱遮断(断熱)塗料とした。遮熱塗料は"地球温暖化対策を施した塗料"として上記の2タイプを包括する。
太陽熱高反射率塗料は、熱の元となる赤外線を中塗り白塗料が反射するものと、塗料に遮熱塗料を配合することで黒や茶といった濃色でも熱を反射させるものとがある。太陽光は750nm以上の光波長が赤外線領域となり、この赤外線領域をいかに反射させるかが高反射率塗料の性能に関わる部分となる。
高反射率塗料の定義は東京都クールルーフ推進協議会でも採用された日射反射率50%以上(灰色6色)との方向づけがされている。その評価方法については、当初既に標準化されているJIS R 3106「板ガラス類の透過率・反射率・放射率・日射熱取得率の試験方法」にある日射反射率が塗膜に適用しやすいと同JISを適用していく動きで進めた。しかし同JISは全天候型ではない直達日射を対象としているため、再検討の必要が出ている。
日射反射率の算出は、分光反射率の測定で得る。分光反射率の測定には1)分光光度計に受光用の積分球を取り付け、反射率が測定可能なものを用いて測定2)分光光度計の入射角度は15°以下のものを使用3)波長250-2500nmの範囲で測定4)隠ぺい率試験紙に塗布した試験体の黒地部分塗面にて行うことで実施するというもの。
ただ塗膜の日射反射率の測定方法の規格化については、先述したように直達日射を対象としているJIS R 3106では不具合があること、また基準板の湿気の問題、入射角による差異、更に測定波長範囲に含まれる可視光領域の扱いなどのさまざまな検討課題が浮上しており、予定していたJIS化からは時期が遅れる見込みとなっている。
熱遮断(断熱)塗料は、外壁に断熱材を貼りつけその上に仕上材を塗布するものと、塗膜に空気を含んだ中空バルーンを入れるものとがある。中空バルーンは粒径30-60μm。中の空気が低圧なほど効果が高いという。魔法瓶と同じ原理。
評価方法については、断熱材の評価で採用されている熱伝導率の測定を目安とした。同研究会が策定した熱伝導率の測定方法は1)約6cm×11cmの塗膜片を作成して、それぞれの膜厚をμゲージにて3カ所測定2)迅速熱伝導率計QTM-500(京都電子工業)を使用し、n=2、測定板1枚につき3回測定する。市場で販売されている各社の断熱タイプの遮熱塗料10製品を測定したところ、膜厚0.45-2.5mmの間に熱伝導率0.07-0.27W/mKの差が見られた。ちなみに水の熱伝導率は0.6、ガラスは1。
仕様比較によるシミュレーション結果によると、高反射率上塗り塗料+断熱タイプの中塗り仕様が室内への熱量に対し最も低い結果となった。ただ高反射率塗料上塗り塗料+一般中塗りの仕様もそれに近い数値が得られた。同会では熱遮断(断熱塗料)に関しては、明確な性能方法が見出せないことから現時点では標準化の対象から外している。
建物における遮熱・断熱性については、窓などの開口部による影響が大きく、壁面などの断熱塗材だけでは充分な効果が得られないのが現状。同会では高断熱性窓ガラスの使用や屋根裏、床下などの隙間をできるだけなくすことでより高い効果が得られるとしている。
※参考:日本建築仕上材工業会講演テキスト