Web特集
2007年04月13日
屋根用・遮熱塗料特集2007(メーカー動向)
製品開発に活発さみられる
技術とアイデアで市場を創る
年率20‐30%増と好調に伸長を続ける屋根用遮熱塗料市場。自治体がヒートアイランド対策として遮熱技術を評価していることで、今後も更に市場認知度を高めていくと思われる。
今回は塗料メーカーの他、顔料メーカー、資材販売会社など26社を取材。遮熱機能は屋根・外壁のみならず道路、防水、工業分野への用途展開を見据え、社会的寄与度を持った機能としての位置付けを色濃くしている。
一方、屋根用塗料においてはシリコン樹脂系、フッ素樹脂系と高グレード化が進んでいる。また主流の溶剤系から水系へと環境対応で差別化を図る動きも見られる。その他、高圧洗浄を不要にした下地処理剤や縁切り部材など現場に配慮したユニークな製品も開発され、屋根用塗料分野は機能、環境をキーワードに活発な製品開発が行われている。
汎用の遮熱塗料の普及に期待
シェファードジャパン
ハイパフォーマンス無機複合顔料で世界ナンバー1のシェアを有するシェファードカラー社とシェファードケミカル社の日本法人・シェファードジャパンは遮熱塗料用顔料「ARCTICシリーズ」を展開している。
同ARCTICシリーズは国内に紹介されて4年になるが、屋根・道路用で採用が進むとともに、特にPCM用に実績を高めている。「ヒートアイランド現象から地方自治体は温度を下げるために屋根・道路・屋上防水など幅広く遮熱効果を求め、さまざまな取り組みを行っている。それに伴い、塗料メーカーからの引き合いが増え、ニーズも多様化しつつある」とコメントする。
塗料用としては道路用の分野でより強い反射率の顔料が求められているという。「顔料によっては基準値に満たないものもあり、それへの改良がニーズとして高い」と説明する。特にブラックについて高反射が求められているようだ。「一部では反射率の高い有機系のペリレンブラックを使用しているが、耐侯性で劣るとともにコストの問題などから普及が遅れている」という。
また顔料によっては三価クロムを使用しているが、汎用塗料ではクロムフリーのニーズが高まっている。同社では「近似色でクロムフリーの顔料を揃えているが、反射率とのバランスを考慮した製品を今年末から来年初めにも紹介できる方向で開発を進めている」ということだ。同社において無機顔料の遮熱用は遮熱塗料用のスタンダードになりつつある。
高白色タイプの中空バルーンを展開
太平洋セメント
太平洋セメントは高強度中空セラミックス「E-SPHERES」(イースフィアーズ)を展開している。世界30数カ国に供給されているオーストラリア産の白色フライアシュバルーンを輸入し、塗料の他樹脂添加剤、工業用など多岐の分野で販売している。
フライアシュバルーンは石炭火力発電所で発生する石炭灰中にごく微量生成する中空の粒子のこと。安価で攻勢をかける中国品などに対し、品質面で差別化を図っている。
イースフィアーズの特長は、閉鎖型の中空体で3軸静圧70N/mm2で40%が破壊されず生存するという高強度で、フライアシュバルーンの中では最も強度に優れている。また融点1,600℃と耐熱性を保持しており、熱伝導率は0.1W/m℃。特に白色度においては81%と「フライアシュバルーンの中で最も白色度が高い」(担当者)と化粧材としての適応にも自信を見せる。
同品は既に15年前からカーテンウォールやコンクリートの軽量化材として販売を開始し、10年前より樹脂、塗料といった工業用フィラーとしての展開を本格化させている。
塗料向けでは、粒度範囲20‐125μm、平均粒径80μmの「SL125」と粒度範囲20‐75μm、平均粒径45μmの「SL75」が主流。嫌水性樹脂以外の樹脂系とは相溶性が得られ「樹脂より少し軽い程度。軽すぎない」と塗膜における分散性も高いという。現在、塗料向けの引き合いも増えており、道路用への展開も視野に入れている。
遮熱級酸化チタンを展開
テイカ
テイカは赤外線遮蔽酸化チタン「JR‐1000」を展開している。塗料中に同品を混入することで、暑さの元となる太陽光中の近赤外線を効率よく反射し、塗料に遮熱性を付与する。
塗料の基礎マテリアルである酸化チタンは、粒子が小さいものは紫外線領域を反射し、粒径が大きくなるにつれて可視光から赤外線領域へと反射する波長を変えるといった特質がある。例えば超微粒子がUVカット製品に、また可視光を反射する粒径のものが塗料の白顔料として用いられ、発色と隠ぺい性に寄与するなど、粒径による光の反射特性が応用されている。
同社では酸化チタンメーカーとしてのこれまでの蓄積から、近赤外線(熱線)を最も効率よく遮蔽する粒子径を設計。独自の特殊な焼結法により、粒子径1μmと顔料級チタンの4倍に成長させることに成功し、近赤外線を効率よく遮蔽する酸化チタンを開発した。
鋼製物置を使った実験では、従来の顔料級酸化チタンを塗布したものに比べ、屋根の裏面温度で最大7℃の温度差が見られ、遮熱性能を発揮する。塗料化に際しても表面積が小さい分、分散性が良くなるといった特性もある。
平成13年の発売以来、塗料メーカーでの採用も進んでいるが、「年率30%ほどの伸びだが、母数がまだまだ小さい。当初想定していたより、マーケットが広がっていないとの実感がある。他の遮熱手法との競争もあるだろうが、塗料による遮熱の優位性をもっと川下にPRしていく必要があるのでは」(担当者)との見方。
重金属フリー黒色遮熱顔料を開発
戸田工業
酸化鉄顔料メーカーの戸田工業(本社・広島市、社長・戸田俊行氏)は昨年、重金属フリーの黒色遮熱顔料を開発した。同社は日射反射率50%以上の黒色顔料の開発をコンセプトに進めており建築分野のみならず工業分野、自動車分野などへの展開を見据えている。
黒色顔料は可視光及び赤外線領域とも反射性がほとんどないのが特徴。遮熱顔料として成立させるためには、赤外線領域の反射性能をいかに高めるかが鍵となっている。屋根材や自動車など黒色顔料は多岐に使われている。重金属フリーかつ黒色遮熱顔料の開発は難易度が高いテーマとするが「開発にこぎつければ相当な需要ボリュームになる」と期待感を露にする。
同社が開発したのは、マグネタイトとレアメタルを複合させたハイブリッド顔料「HR-B」。顔料の形状や粒子サイズなど試行錯誤を繰り返し、重金属フリータイプの黒色遮熱顔料を完成させた。
性能面では「まだ課題を残している」としているが、同社が行った試験では日射反射率(800‐2100nm)が黒地で19.3%、白地で43.4%との結果。カーボン・鉄黒がそれぞれ5.1%、5.2%だったことから高反射性を有していると自信を深めている。特にCN60相当の灰色色では黒地56.1%、白地61.3%と実用レベルに達しているという。
同社では現在複数の塗料メーカーに対してサンプルを提供し、本採用に向けて準備を進めている。また同品は400‐500℃の耐熱性を保持しているため焼付への展開も可能としている。
ニーズを掘り出し、拡大図る
旭化成ジオテック
旭化成ジオテックは、自然素材を生かした遮熱・断熱塗料「シラスバルーンPAINT」を展開している。本格販売からの1年半は認知活動に注力してきた。民間企業の工場・倉庫をメインターゲットに採用物件の拡大を目指す。
「シラスバルーンPAINT」は、水性自己乳化型アクリル変性ウレタン樹脂塗料「シャネツコート」と水性アクリルエマルション樹脂塗料「ダンネツコート」がある。「シャネツコート」は、シラスバルーン、遮熱顔料と極薄シラス片を配合させた上塗材で、太陽光線中の近赤外線を効果的に放射・反射させるため、屋根や外壁の表面温度や室内温度の上昇防止に効果がある。「ダンネツコート」は、シラスバルーンの選別、配合によって熱を伝わりにくくする機能を最適化した中塗材で、非常に暑い夏季でも室内の温度上昇を抑制することができる。
「シャネツコート」仕上げを遮熱工法として、中塗りに「ダンネツコート」を加えたものを遮熱・断熱工法として提案している。
同品は、天然材料を使用していることに加え、環境に配慮した水系塗料となっている。また、20色以上のカラーバリエーションを持つ上、調色も可能。
同社ではこれまで、塗装・防水業者などの施工協力会社網の確立を軸に営業展開してきた。今後は、工場・倉庫を持つ企業へ同塗料施工による空調負荷や排出二酸化炭素量の削減効果シミュレーションを提案営業し、ニーズの掘り出しを行っていく。同時に営業代理店網の拡大も図っていく。
弱溶剤タイプで壁・屋根にも対応
旭硝子コート&レジン
フッ素樹脂塗料の専業メーカーである旭硝子コート&レジンは戸建住宅、工場屋根の改修に取り組んでいる。またこの4月から弱溶剤タイプの「ボンフロンライト」を投入、外装及び金属屋根への対応も合わせてマーケット活動の強化を進めていく方向だ。
戸建て用(ブランド名が異なる)では金属用に「屋根55」、新生スレート瓦やセメント瓦用に「屋根新生」の2タイプを揃える。前者の金属用の仕様は下塗りにエポキシ防錆プライマーを塗布し、上塗りに溶剤系エナメルの2回塗りで仕上げる。
また後者のコロニアル用の仕様は下塗りにエポキシ浸透性プライマーを塗布し、上塗りに溶剤系エナメルの2回塗りで仕上げるというもの。新たに上市する弱溶剤タイプでも専用プライマーに上塗り2回仕上げで仕様を組んでおり、金属用と屋根新生の2タイプをラインアップする。
「フッ素樹脂塗料の採用によってメンテナンス周期の大幅な延長が可能になる。ここ数年は戸建ての外装改修に力を注いでおり、足場を掛けることから外装・屋根を一緒に工事するケースが増えている」とコメントする。同時に「戸建改修が増えるに従い臭気、安全性といった観点から弱溶剤タイプのニーズが高まってきており、今回発売に踏み切った」と事情を説明する。
更に同社は屋根用としてフッ素樹脂タイプの遮熱塗料をこの7月にも上市する予定だ。耐久性に優れるフッ素樹脂塗料に遮熱効果の機能を付与することで市場対応を強化する方向。
遮熱プラスアルファの提案で採用増
アステックペイントジャパン
アステックペイントジャパン(本社・福岡県)は金属やスレート屋根の塗り替え工事向けで、遮熱に防水や防錆などプラスアルファの付加価値提案を行える塗料システムを展開している。
同社が施工代理店(全国約150社)を組織して展開しているオーストラリア製・アステックペイントは、アクリル本来の耐久・耐候性を極限まで引き出した「ピュアアクリル」樹脂を用い、しかも可塑剤を使用せずに塗膜が660%も伸張し、ハイレベルな防水性を誇る。ここに中空セラミックや特殊顔料などをブレンドし、遮熱性を付与した上塗り塗料が「エナジースターペイント」だ。エナジースターとは米EPAが高い省エネ効果を認めた製品に発効する認定証。
同品を施工した屋根の前後比較では、最大温度差で表面17.5℃、裏面15.9℃の遮熱効果が得られる。また塗膜表面には防汚成分が配行されているため、汚れによる遮熱性低下も避けられる。
更に金属、スレートのそれぞれに対する下地再生工法を揃えているのが強み。下地のひび割れや穴をふさぐ「ソントラテープ」、金属の腐食に浸透して錆を閉じ込める「ラス・トレイント」、老朽化したスレートに浸透して表面を強化する「リベット」など、下地をよみがえらせ防錆、防水などの機能を向上させる材料と工法をシステマチックにラインアップ。
遮熱プラスアルファの提案でクライアントの信頼を勝ち取り、自動車や家電などの大手を始めとした法人での採用増が続いている。
ハルス型を上市
アトミクス
アトミクスはハルスタイプの屋根用遮熱塗料「アトムスーパーフェロン」を新発売した。1液シリコンウレタンハルス型で、塗膜劣化の要因となる紫外線をHALS(ハルス)を配合することでブロック。加えてアクリルシリコンとウレタン樹脂のハイブリッド化による高耐候・高耐久を実現した。
HALSはヒンダードアミン系光安定剤(hindered Amine Light Stabilizer)の略。紫外線から発生するラジカル(活性酸素など)をハルスは防ぐ効果がある。またハイブリッド化によって架橋密度が高くなり、強固な塗膜を形成。更に鮮やかな光沢を発現するなどの特長がある。
同社はこの他「アトム遮熱バリアルーフ」を上市。同品は長期耐久性とともに、省工程化をアピールした製品。2液タイプの高厚膜型アクリルウレタン樹脂塗料(弱溶剤系)を採用し、下塗りには「アトムエポガードプライマー」(変性エポキシ系)を組み合わせる。標準膜厚は160‐170μmで、ワンコートで仕上がる。大屋根の施工でも1回塗りのためトータルコストメリットが出る。長期性能に関しては5年間のギャランティーで対応する。
両製品はいずれも金属屋根、カラートタン屋根用。「アトムスーパーフェロン」をラインアップしたことで、1液型のニーズを吸収していくことが可能になった。「遮熱塗料が各社から出揃ったので、これからは差別化や製品特長が勝負どころとなる。アトムならではの個性を市場に認知させていきたい」(担当者)。
他にないユニークな製品で差別化
インターナショナルペイント
水系塗料専門メーカーのインターナショナルペイントは、現場ニーズを取り入れたユニークな製品開発を特長としている。屋根用塗料では、「IPメタルコート」「IPシリコンルーフ」「IPビルトップ」「IP軟質塩ビコートSi」を主力とし、用途、基材に応じたラインアップを揃える。
「IPメタルコート」は1液自己架橋型アクリルエマルション塗料で、金属屋根に適応する。同品はプライマーレスで金属面に直接塗装できるのが特長。鉄部、カラートタンの他、アルミや電気亜鉛メッキ面にも強固な付着力を発揮する。
「IPシリコンルーフ」は水系1液型シリコンアクリル樹脂塗料。同社では従来品の「IPグロス瓦」を更に進化させた製品として位置付けており、耐候性、光沢性、光沢保持率、耐水性、光輝性を格段に高めた。セメント瓦の他、スレート波板屋根、カラーベスト、アスファルトシングルなど幅広い適用性が特長。いずれも下塗り1回、上塗り2回塗りという工程で塗装が可能。また特殊パウダーを添加することでカラーベストの風合いを再現することができる。
「IPビルトップ」は微弾性アクリルエマルション塗料。可塑剤ではなく、樹脂自体に弾性機能を付与している点が特長で、3分ツヤ程度でアスファルトシングル用として採用されている。
「IP軟質塩ビコートSi」は耐可塑剤型塩ビ鋼板専用塗料として長年の実績を有する。可塑剤による塗膜表面のベタツキを抑え、乾燥不良をなくした。
シリーズ拡充完成
エスケー化研
エスケー化研はこのほど「水性ヤネフレッシュ」シリーズに「水性ヤネフレッシュフッソ」を加えた。既存の「水性ヤネフレッシュシリコン」とともに幅広いニーズに対応していく。
同社は水性化シフトを推進しており、今回のシリーズ充実もその一環。「VOC規制が始まり、水性への流れを呼び込むためにも先行的に品揃えをしていく」(担当者)とのスタンス。
新発売した「水性ヤネフレッシュフッソ」はコロニアルやカラーベストなどの薄型塗装瓦の塗り替え用で、高耐久性グレード製品。水性ヤネフレッシュシリーズ製品は下塗材、上塗材ともに架橋型エマルション樹脂を採用し、下地材はカチオンタイプのため高い密着性を示す。隠ぺい性があり下地の透けがなく、フッ素結合による塗膜は酸性雨や熱・紫外線に対し優れた抵抗性がある。また1液のため作業性が良いなどの特長もある。
この他「クールタイトシリーズ」をラインアップ。複合機能を発揮する「クールタイトHI工法」は屋上防水と遮熱性を両立させた。中塗りにウレタンゴム系の塗膜防水材を組み込み、上塗りはセラミックの仕様。
「サーモシャット工法」は遮熱と断熱のダブル効果を発揮する。中塗りには中空バルーンを含有、この層が断熱機能を発現する。
「遮熱機能は市場に広く認知されてきた。その分製品の特色がないと差別化できない。ハウスメーカーでの標準スペック化の動きがあり、幅広いニーズに応えていきたい」(担当者)。
屋根、舗装路面で遮熱効果を発揮
NTTアドバンステクノロジ
NTTアドバンステクノロジはこれまで販売していた遮熱塗料「アットシールド・クール」を「サーフクール」に改称して、この3月から本格展開を開始した。
同品は太陽光の近赤外線(熱線)を効率よく反射させる特殊な顔料を使った1液型水系遮熱塗料。乾燥が速く作業性に優れ、刷毛・ローラー・スプレーでの施工ができる。また同品はトタン、カラー鋼板屋根に加え、アスファルトやコンクリートにも施工が可能なため、駐車場など舗装面にも使用できる。工程としては、トタン、カラー鋼板屋根の塗り替えには下塗りにプライマーを塗布し、コンクリート面には水性シーラーを下塗りで塗装する。アスファルト面にはプライマーは不要で、いずれも上塗りは2回塗りで仕上げる。
樹脂は変性アクリル樹脂を使用しているので付着性がよく、耐水性、耐候性に優れた特長を有する。屋根など歩行しない場所であれば5年程度の耐久性があるという。色相はグレー、ダークグレー、ダークグリーン、ライトブルー、レンガの5種類を常備している。
グレーの日射反射率は52.5%で、同社が行った駐車場での実験では、未塗装のアスファルト面と比べて10℃以上、同色の一般塗料と比べても7℃程度の低減効果を発揮した。「省エネ効果と環境PRをメリットとして、施主に提案していきたい」(担当者)。
材料販売で展開しており、20社以上の施工業者で使用されている。NTT関連企業の駐車場や米国での実績が多く、屋根も含めて多分野で拡販していく。
専用プライマー、Wブロック
関西ペイント
関西ペイントは「アレス屋根遮熱システム」を展開、遮熱バージョンを屋根用塗料に加えたスタンス。上市して2年余りでトタン屋根用ではトップシェアを有し、遮熱シリーズの出荷状況は良好だという。
同社は「遮熱色」とのコンセプトを設定。「淡彩系や白系ではそれ自体に遮熱性があるので、あえて遮熱用としてPRするのはおこがましい。濃色タイプを遮熱色として性能を説明していく」との立場。
特に遮熱性能をきちんと引き出すためにシステムの重要性を強調する。このため同社では遮熱顔料を配合した下塗り「アレスクールプライマー」を設定し、ルーフペイント遮熱色とのWブロック効果で赤外線の反射率を高めることで屋根表面の温度上昇を抑制する。
またヒートアイランド対応用として「ヒルム=HEAT ISLAND REDUCE MATERIAL」を上市。路面遮熱やビルの陸屋根部への適用を図っている。
同品は中空バルーンと反射性特殊顔料により赤外線を効率的に反射。アスファルト舗装の路面が60℃近くに達したとき熱吸収を防ぎ、10℃以上の温度上昇を抑制する。
「ヒートアイランド対策が自治体などで本格化してきている。また民間での対応も目立ってきた。こうしたニーズに対応してヒルムの認知を高めていきたい」(担当者)とコメント。
今後の遮熱市場について「性能競争の局面に入った」(同)として、技術の面での差別化に注力する。
環境と性能の両立図り、品揃え充実
神東塗料
神東塗料は高反射タイプと遮断熱の2種類の塗装システムを擁した「シントー遮熱・断熱システム」を展開している。更に床分野、防食分野で得たノウハウを生かした水系プライマー類の投入も積極化させており、下塗りから上塗りまで環境・性能面の両立で差別化を図る。
「シントー遮熱・断熱システム」は、屋根用、外壁用をラインアップ。屋根用では、オール水性仕様の「水性サンカットルーフ工法」、弱溶剤タイプの「マイルドサンカットルーフ工法」をラインアップしている。いずれも1液型シリコン樹脂タイプで、特殊顔料で高反射機能を付与した遮熱仕様と、中空バルーンを中塗り層に加える遮熱・断熱仕様を構築している。これに外壁用も加わり、環境、性能、用途と目的に応じた仕様提案ができるのが特長となっている。
上市して1年以上が経過し、同社が得意とするプラント、タンクなど設備関係を中心に実績を重ねている。更に昨年は、無機有機ハイブリッド樹脂塗料の「水性サンカットトップセラ」を発売。作業性、耐候性を格段に高めた2液型水系トップコートとして販売、高グレード需要に対応している。
水系塗料の開発を重点に置く同社はプライマーの水系化も積極化。床用の湿潤面プライマーや防食分野で得た技術を応用し、金属屋根用向けに水性2液エポキシプライマーを開発した。担当者は「1液型が市場を占有しているが、性能面で優れる2液の認知度も高めたい」と話す。
実績で差別化、300万m<sup>2</sup>を施工
大高商会
大高商会(本社・大阪市、社長・野尻賢二氏)はセラミック遮熱・断熱塗料「クールサーム」を展開し、これまで約300万m<sup>2</sup>の施工実績を持つ。
同社が遮熱塗料事業を始めたのは13年前。遮熱塗料分野のパイオニア的存在として、温度低下効果、省エネ効果の実性能を武器に工場、倉庫など企業物件を中心に実績を重ねてきた。国内の大手企業が軒並み採用していることから実績が実績を呼ぶ状況となっており、2006年は8月までで約40万の施工実績を上げた。
「クールサーム」の特長はNASAが開発した4種類の特殊セラミック微粒子を配合させることで広範囲の熱線を反射・放散させる点。可視光反射、近赤外線反射、遠赤外線放射、熱伝導の抑止とそれぞれの機能を有するセラミック微粒子が補完し合うことで、太陽光による室内の温度上昇を抑えている。可視光の日射反射率は92.2%以上、遠赤外線の長波放射率は93.7%以上で、鋼板屋根の工場物件では、表面温度20‐30℃、室内温度6‐7℃の温度低減効果が得られた物件もあるという。
樹脂はアクリルとウレタンを結合させた水性エマルジョン塗料。耐水性、防水性、柔軟性、不燃性を保持する。
同社は現在、専属の営業部隊を全国10チーム編成し、代理店10数社を擁する。施工を請け負う一方で、一般の施工店への販売も行っている。
今後はヒートアイランド対策から更に需要が高まると見ており、ビル、マンション、住宅向けを視野に外壁用の他道路用への展開も進めている。
主力製品に遮熱色投入、汎用展開拡大
大同塗料
屋根用塗料を主力とする大同塗料は、遮熱対応製品の製品ラインアップを充実させている。昨年まで地域限定で販売してきた製品を今年から全国販売に踏み切るなど汎用展開の拡大を目指している。
今回、投入したのは、「水系パーマシリコン」と「水系パーマフッソ」。いずれも以前から上市されている同社の主力製品に遮熱色それぞれ6色を追加。顔料タイプの遮熱塗料として汎用性を高めた。
特に超耐候性1液水性フッ素樹脂塗料「水系パーマフッソ」は10年の歴史を持つ、いわば水系フッ素樹脂塗料の先行品。近年、住宅改修分野ではシリコン、フッ素と高グレード化が進んでいることから、遮熱色の投入によるニーズ対応と豊富な実績を武器に飛躍を狙う。
遮熱塗料分野では顔料タイプの上記製品の他、長期防食太陽熱遮断塗材「屋根クールネオ」が主力。NAD型アクリル樹脂塗料の同品は、遮熱性、防食性を備えた下塗りで厚膜化し、特殊顔料を配合した上塗りで太陽熱遮断を発揮するというもの。太陽熱を反射・遮断し、室内温度の低減に寄与する。市場では、防食性も兼ね備えた遮熱塗料として企業物件を中心に実績を伸ばしている。
今後同社が見据えるのは、道路用遮熱分野への展開。現在、上市に向けて準備を進めている段階。既に日射反射率50%以上を誇る軽歩道用遮熱塗材の発売を間近に控えるなど、用途拡大で弾みをつける意向を示す。
改修分野にシフト、汎用性で差別化
大日本塗料
大日本塗料は昨年、改修向け遮熱塗料として「エコクールシリーズ」を投入した。各樹脂系、弱溶剤形・水性、道路用を揃えるなど製品ラインアップを充実させ、汎用展開の拡大に弾みをつけている。
同社が遮熱塗料事業をスタートさせたのは2000年。断熱効果を有する中空バルーン層を中塗りに用いたウレタン樹脂系遮熱塗料「ケーデーエコクール」を主力に企業物件及び官公庁物件で採用を伸ばしてきた。特にヒートアイランド対策を講じる自治体の取り組みには積極的に参加し、フィールド実験を通し性能評価の確立に努めてきた。以来、市場拡大の追い風にも乗り、これまで15万m<sup>2</sup>(上塗りのみ)の実績を上げた。
同社が今後の展開として視野に入れるのは屋根、外壁を含めた改修市場。東京都や大阪府の実曝試験で効果的な遮熱性能が認められたことから、その信頼性を武器に営業展開を図っている。
改修市場向けの主力となるのは「エコクールシリーズ」。遮熱・断熱システムの「ケーデーエコクール」に、顔料による高反射性能を主眼に置いた薄膜タイプの品揃えを充実させることでシリーズ化させ汎用性を高めた。樹脂系は弱溶剤形のフッ素、シリコン、ウレタンに加え、水系シリコン樹脂系塗料をラインアップ。これに金属屋根向けの厚膜被覆タイプ、道路用が加わる。
担当者は「従来品と遜色ない作業性とコストパフォーマンスに対応した」と説明。住宅改修のオール遮熱仕様の普及に注力していく意向を示す。
水性2液の性能強化
大宝化学工業
大宝化学工業が上市し展開している金属用高耐候性の水系ハルスハイブリッド樹脂(2液型)「ブッシュロン」の出荷が好調だ。
同品は同社が「水性へのこだわり」(担当者)から開発した自信作。「1液では引き出せない性能を2液タイプで確保」する開発スタンス。水系のハルスハイブリッド樹脂と水分散イソシアネートを導入した高性能タイプ。主な用途は金属用で、建材ラインでの採用が本格化。「テストでは良好な結果が出ており、近く実採用される見込み」という。
同社は塗料メーカーの中でもHALS導入を先行的に行って製品化してきた。水系2液タイプの「プーチロン」を既に上市。
「ブッシュロン」に関してはこれからが本格展開の段階。建材ラインの実績を背景に産業機械など金属製品用として幅広いニーズを取り込んでいきたい考え。
汎用的な展開も始まっている。建物の金属製品への対応として屋根用での採用も拡大しつつある。「ブッシュロン」は高耐候性に加え、高光沢など美観へのニーズにも応えることができるため、この点を差別化のポイントとしてアピールしていく。
「ブッシュロン」のニーズ拡大に対応し、同社は専用の水系プライマーの開発を進めている。「オール水系のシステムとしてバージョンアップ。遮熱グレードに関しては顧客の要望があれば機能を付与していく」とのスタンスを示す。
高圧洗浄不要、塗布型下地処理材
中央ペイント
中央ペイントはスレート表面の汚れをシート状で除去する下地処理材「CP下地クリーンS」を開発した。高圧洗浄が不要になることから都市部を中心に引き合いが高まっている。
同品はスレート屋根向けに開発された下地処理材。塗膜剥離剤とは違い、塗装することでスレート表面の汚れを飛散させることなくシート状で除去するという新タイプの下地処理材。同社の看板製品である遮熱・断熱塗料「CPエコ」の施工経験から生まれた。
施工はスプレー、ローラー、刷毛で同品を塗布し、春秋なら3‐5時間養生。硬化後、シート状になった塗膜を剥がすと同時に汚れも除去できる。荷姿は石油缶18㎏。
通常、塗装前工程として高圧洗浄が用いられるケースが多いが、企業物件などでは洗浄排水の採取など管理面で厳しい対応が迫られる。また劣化したスレートは基材が脆弱で、洗浄による破損や水漏れも防止することができる。1液水性塗材のため安全性も高く、発売して間もなく東京などの都市部の取引先から問い合わせが寄せられているという。現在、カラーベストなど窯業系屋根材向けの開発に着手しており、用途拡大を狙っている。
「CPエコ」は前年比10%増と安定的な伸びを維持。これまで同社は責任施工による販売を中心としてきたが、工事体制が行き届かない東京、中部、九州などに対して材料販売も始めた。また関西ペイントと共同開発品の遮熱型舗装用塗材「ヒルム」も本格化させており、販売展開に勢いを見せている。
用途・グレード・機能に対応
トウペ
トウペの屋根用塗料は屋根の素材及び要求されるグレードに対応したシステムを豊富にラインアップしており、「屋根のことならトウペに任せて」(担当者)と製品群に自信を持つ。
金属系には8種類、窯業系には6種類の下塗り塗料を揃え、各製品を用途別に推奨している。上塗り塗料は9種類あり、弱溶剤アクリル樹脂塗料「トアスカイコートAC」、弱溶剤2液形ウレタン樹脂塗料「同U」、弱溶剤2液形変性シリコン樹脂塗料「同Si」など各グレードを揃えている。
コロニアルや窯業系セメント成形板には水性塗料の「同W-HALS」を出している。ハルスハイブリッド樹脂塗料でフッ素樹脂に迫る高耐候性を示す。
また、同社では弱溶剤2液形フッ素樹脂塗料「同F」も上市している。「フッ素塗料は屋根ではまだこれから」(担当者)の段階だが、高耐候塗料のニーズの高まりもあり、関東圏でのコロニアルやスレート瓦で出始めている。
遮熱塗料としては、弱溶剤2液形ウレタン樹脂塗料「同シャネツU」、水系1液形厚膜塗料「同シャネツMO」、水性ハルスハイブリッド樹脂塗料「同シャネツW-HALS」の3製品を展開している。特殊顔料により太陽光を反射し、蓄熱を抑え、室内の温度上昇を抑える効果を発揮する。実際の建屋に塗装した試験では屋根裏面で約9℃、室内温度で約3℃の低減効果を得た。
また、当初予定したほどの広がりではないが、「遮熱塗料が将来的には屋根・外壁での標準になる」(担当者)との見方を示し、販売に注力する。
断熱塗材の大型採用が急増
日進産業
日進産業の塗る断熱材「ガイナ」が好調だ。従来品の「シスタコート」を合わせ、今年に入り月間の出荷量が2,000缶を超えた。
ガイナは宇宙航空開発機構(JAXA)からロケット用の塗布型断熱材技術のライセンス許諾を受けて開発したもの。断熱性能を発現する特殊セラミックビーズの種類、粒径、配向性など核心部分でJAXAの技術を応用している。
需要先では戸建てやマンションなど住宅分野が多数を占める。屋根はもちろんだが、外壁や内装壁など非屋根の需要が4割ほどを占めるのもガイナの特長。「ディベロッパーや大手リフォーム企業が断熱性向上による物件価値を高めるためにガイナをスペックするケースが多い。また無機質材特有の高級感のある質感も採用理由のひとつ」(担当者)と優位性について説明する。
更にここに来て、工場屋根などの需要でも弾みが付いてきた。JR施設の大手・名工建設がこのほど、同社と業務提携をした。既に東京・大阪の新幹線車輌基地で採用されたのを始め、名工建設が手がける工場などの施工で今後ガイナが使用されていく。これに際しても、数社の競合の中で選択された。
一方同社は昨年、島根県に工場を立ち上げてガイナをプレコートしたルーフィングの生産を始めている。ルーフィングに機能を付与することで物件の付加価値を高めるとともに、現場での塗装工事を不要にする。既に中堅のハウスメーカーでの標準採用が決まり、出荷が始まっている。「ここに来て裾野が急激に拡大してきた」とコメント。
正確な性能情報提供
日本ペイント
日本ペイントは屋根塗り替え用遮熱塗料「シリコンベストクールシリーズ」を展開している。シリーズは「水性シリコンベストクール」(1液水性反応硬化形シリコン樹脂系)、「ファインシリコンベストクール」(ターペン可溶1液形シリコン樹脂系)、「スーパーシリコンベスト」(ターペン可溶2液形シリコン樹脂系)で構成。
屋根用の遮熱塗料の出荷状況については「まだ分母が小さいせいもあるが、2ケタの伸びを持続」(担当者)とコメント。市場形成に伴ってクレーム対策が必要との認識を示す。「イメージだけが先行し正確な情報が伝わらないとしっぺ返しがくる」と警戒する。
同社は昨年「塗り替えクール宣言!」(小冊子)を作成。製品PRよりも遮熱性能についての正しい情報提供に主眼を置き編集。12頁の小冊子ながら遮熱にまつわる基本的な疑問に答える内容を盛り込んだ。特に強調しているのは「色相別の遮熱性能」についてで、盛夏(8月)快晴時を想定し、同じ色相でノーマルタイプとクールタイプとの比較を分かりやすく解説。「色相によって日射反射率が大きくばらつくことが分かっていながら、その点をきちんと説明したものがなかった」という。色相による効果の差についても「白い色相の屋根、白くチョーキングした屋根を塗り替える場合、温度差が生じにくいことがあります」と説明している。
この小冊子の効果によって、同社のクールシリーズに対するクレームが「ほとんどなくなった」との成果が上がった。
パラサーモ、トップブランド
日本特殊塗料
日本特殊塗料は屋根用遮熱塗料の代名詞ともなった「パラサーモ」の展開に磨きをかける。上市して7年が経過し、遮熱塗料=パラサーモとの認知が市場に定着。「ブランドイメージを高めていくことがテーマ」(担当者)となっている。
その一環として「パラサーモシールド」を新たに投入する。同社が組織する「ニットクアメニティシステム会」を通じてテスト施工を実施し良好な結果が得られたことから、本格販売に踏み切る。
同製品の特長は「パラサーモ」をトップコートとして、中塗りに遮音性を付与した複合機能を発揮するところにある。「防音」技術を有する同社ならではの性能を付与した。
パラサーモシリーズには弱溶剤系、水系がラインアップされ、今回の「パラサーモシールド」の上市によって製品の幅が広がったばかりでなく、防音機能を取り込むことにより独自性が加わったことになる。
同社は遮熱塗料として屋根用の他、外壁用も上市するなど、品揃えでもリード。パラサーモは上市以来2ケタレベルの伸長を維持するヒット商品となっており、「より高い機能性で差別化していかないと汎用化してしまう。これからは性能競争の時代に入る」と担当者はコメントする。
遮熱市場でトップシェアを握る同社だが、これまでは市場立ち上げの時期との認識で、パラサーモシリーズのブランド力向上が大きなテーマとなっている。
クールダウンに向けた幅広い製品群
東日本塗料
東日本塗料は遮熱用塗料に注力している。屋根用、外装用及び屋上防水用とニーズに合ったクールダウン効果が得られる幅広い製品ラインアップを進めている。
遮熱塗料の主力である「スーパートップ遮熱」は屋上防水、屋根材、外装材のトップコートとして使用でき、建物すべてを遮熱化することができるというもの。同品はハルスハイブリッド樹脂を採用。超耐候性の塗膜性能に高耐久性に優れた遮熱機能を付与した塗料。
更にその水性化を図った製品が「エコトップ遮熱」。同品は日本ウレタン建材工業会の『環境対応型防水システム』の認定を受けた水性トップコート。
外装・屋根用として遮熱用塗料上塗りシリーズのバリエーションは外装用水性シリコン系トップコート「遮熱シリコントップ水性」、外装用水性単層弾性「遮熱シリコンターキ」、屋根用水性シリコン系塗料「シリコンクール」、及び屋根・外装用弱溶剤系シリコン塗料「遮熱シリコンデフィー」の4製品をラインアップしている。
工場などの金属屋根(折板、キーストンなど)の錆止めプライマーに「遮熱サビ止めプライマー」を上市している。製品名が示すように遮熱効果を付与した金属用錆止めプライマーで無鉛を実現した特殊エポキシ樹脂錆止めプライマー。また同社の強みである床・防水材の分野でも密粒アスファルト舗装用仕上材「ファルトコート」に遮熱性を付与し、アスファルト素地の表面温度を大幅に下げることに成功。
遮熱色を加え、ラインアップに厚み
水谷ペイント
屋根用塗料トップの水谷ペイントは昨年、屋根用水系シリコン塗料「水系ナノシリコン」を上市した。同社独自の樹脂変性技術を駆使し、これまでの水系屋根用塗料にはない高光沢仕上げを可能にした高性能シリコン樹脂塗料を完成させた。
同社の屋根用塗料の水系率は50%以上。弱溶剤タイプが主流を占める中にあって「水系ポリマー」「水系カスタムシリコン」「水系シリコン」と水系タイプの投入を積極化させてきた歴史がある。シリコン樹脂系では、最高級品タイプの「水系シリコン」が先行するが、より汎用的な価格設定にすることで、水系市場のイニシアチブの確立を図る。
また今回「水系ナノシリコン」は濃色を中心とした標準色に遮熱色8色をラインアップ。遮熱塗料製品では、中空バルーン層を採用した厚塗型改修工法「サーモ工法」、弱溶剤タイプの「快適サーモSi」(シリコン系)と「快適サーモU」(ウレタン系)を先行上市しており、遮熱対応としても厚みが加わる形となった。
その他屋根用塗料を得意とする同社ならではの差別化として下地材の充実も図る。最近ではセメント瓦用下地調整材「水系ルーファーEX」が代表的。1液型水性シリコン樹脂フィラーの同品は、既存塗膜及び劣化した基材に適用する。「葺き替えから塗り替えへの適用力が広がる」(担当者)と現場向き製品となっている。また、洋式瓦塗り替えシステム「スラリー強化工法」の需要も高まっているという。
ブランド力を広く浸透
ミラクール販売
ミラクール販売は遮熱塗料のトップランナーとして先頭を走ってきた。各社が遮熱塗料をラインアップする中で「ミラクール」はブランドとして強い位置付けを保持する。
「最近はミラクールで指名されるケースが増えている」(担当者)とブランド知名度はトップランク。
同社が注力している分野にアスレチック施設のトラックの遮熱仕様がある。「企業体力に差があるので、ニッチの分野で性能を実証して確実な実績を積み上げていく」とのスタンス。国際陸上が開催される長居国際陸上競技場では1期、2期に分け約2万m2以上で「ミラクール」が採用。評価も着実に高まっている。
この他同社が注目しているのがヒートアイランド対策としての路面舗装分野。自治体の各種実証テストでは常に上位にランクされる性能を示し、需要の拡大が期待される。
しかし「ミラクール」の需要の70%以上は屋根との実態がある。工場屋根の実績では厚みがあり、施工と一体となった品質・性能の保持に努めている。ヤマザキマザックの美濃加茂工場のアルミ鋼板への遮熱塗装のケースでは延面積6万5,000m<sup>2</sup>といった大規模なもの。
屋根用では、工場以外の一般住宅を含めた幅広い展開をしていく意向。「代理店の方々と一体となってミラクールを広く浸透させていく必要がある。そのために性能保持のための仕組みを改めて構築しPRしていきたい。これからが本格的な勝負」とコメント。
資材
屋根塗装の必需品、タスペーサー
セイム
セイム(茨城県守谷市)が開発、製造・販売している屋根塗装時の縁切り部材「タスペーサー」が好評だ。同品はコロニアルなど平板屋根の塗装時に用いる、ポリカ製厚さ1.7mm・40mm角大の縁切り専用の部材。シーラー塗布後に同品を屋根材の重なり部に挿入することで1.7mmの隙間が確保され、雨水などを排出するための縁切りが簡単かつ確実に行える。
平板屋根の塗装時には内部に侵入した雨水などを逃すため、屋根材の重なり部を覆った塗膜をカットする"縁切り"作業が必要。通常カッターや皮スキを使って行われているが、一旦仕上がった屋根上での作業は汚れや屋根材の破損なども起きやすく、また付帯的な作業にも関らず足場費や人件費もかかる難儀な作業であった。
タスペーサーはシーラー塗布後に屋根材の重なり部に挿入するだけ。その後上塗りを行っても、同品の厚み(1.7mm)分の隙間が確保され縁切りが自動的に行われる。作業自体は30坪ほどの家の場合、1人で1時間もあれば終了する簡単作業。面倒な戻り作業も必要なく、足場や縁切りのための人件費などコストセーブにもつながる。
縁切りの確実性と作業効率向上などが評価され、屋根塗装時に同品を標準仕様とするハウスメーカーやリフォーム会社が増加。また戸建てなどの直需を積極化させる塗装業者でも、施主の信頼性を得る上で有効との評価から採用が相次いでいる。タスペーサーは屋根塗装時に欠かせないアイテムとして市場に浸透している。