コーティングメディア・オンライン独自のコンテンツをお届けします。新聞・雑誌の定期購読、単行本ご購入承り中!

Last Updated: 2008年10月21日 08:57  RSS 2.0
キーワードを入力してサイト内のニュースを検索できます。

Web特集

2007年06月25日

木床用は苦境、コスト要請根強く(床用・木床用塗料特集2007)

木床用塗料市場は建築用木部用塗料分野の中では体育館などの文教施設が代表するように物件あたりの塗装規模が大きく市場規模も大きい。しかし近年、自治体の財政難と少子化の影響が木床市場にも徐々に影響を及ぼし始めている。

文部科学省がまとめた平成18年度公立学校施設実態調査では、小・中・高等学校、養護学校を含めた学校数は平成18年5月現在で4万3,281校となり、前年比で395校減少した。地方の社会教育費統計の中の体育施設費を見ても平成13年6,920億円、平成14年6,577億円、平成15年5,957億円と減少の一途をたどっており、市場規模の縮小が否めない状況となっている。
更に一昨年のアスベスト対策、昨年の耐震問題と建築物の保全に関わる問題が浮上し、「改修工事に予算が回らない」(メーカー担当者)とより厳しさを増している。


また需要の縮小と予算減は塗装系にも変化を及ぼしている。ホルムアルデヒドの放散等級の表示を義務付けた改正建築基準法が施行された2003年は、シックハウス問題の真っただ中。翌年2月には学校環境衛生基準の改訂が行われことで水系製品の引き合いが増加した。しかし現在では、コスト優先からF☆☆☆☆を取得した湿乾形ウレタン塗料及び油変性ウレタン塗料に揺り戻しが起こっている。


木床分野のトップメーカーである大東ペイントの水系化率は4割、和信化学工業は3割。両社とも水系1液ウレタン及び水系2液ウレタンを投入し、水性シフトの先鞭を切るものの塗装回数の削減や1液タイプを下・中塗りに挟むなど、コストとの折り合いをつけながらの展開となっている。現状石油缶で8,000円前後の油性塗料に対し、水系タイプは倍近くする状況にあって、普及にはまだまだハードルが立ちはだかる。生産効率の向上や配合設計には限界があり、コストダウンには需要のボリューム確保が欠かせない要件となっている。


ただここにきて、大東ペイント、和信化学工業に続き、各社水性2液ウレタンの上市を活発化させている。油性系、溶剤系の1液タイプは既に出揃っているものの、体育館など塗膜強度や耐ラバーマーク性、黄変防止には2液が不可欠との判断のため。まだまだ溶剤系・油性系が根強いとは言え、シックハウスやVOC対策に端を発し、環境規制が進むことは必至。むしろ水性の普及は、メーカーと床施工業者との関係性や、関東は油変性、関西は湿乾型といった長年培われた塗装文化が再構築される可能性を秘めている。そのため各社は今から水性製品の充実化を進めることでイニシアチブを取り、普及期への足がかりをつけたいとの思惑がある。とは言え、官公庁物件や文教施設の縮小は進む。
最近では現場UVコーティングシステムの販売も顕在化しており、商業店舗、住宅向けとも新たな付加価値化が求められている状況にある。

« 前のWeb特集Web特集一覧次のWeb特集 »

Web特集|ニュース|コラム|インタビュー|データルーム|イベント情報|セミナー情報|リンクネットワーク