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Web特集

2007年06月20日

建築マーケット特集2007 メーカー動向(塗料・原材料・副資材)

弾性ニーズに対応、遮熱の投入も 大日本塗料

シリコン、フッ素を軸に据え、豊富な製品ラインアップを武器とした総合力で差別化を図る大日本塗料。通常建築塗料に占める外装用の販売シェアは業界全体で6割と言われる中で、同社は2割程度にとどまっている。合成樹脂調合ペイントやウレタン系など鉄部や構造物向けに強さを発揮する一方で、外装用の需要拡大がテーマとなっている。そこで同社は、塗り替え向けの主力製品である「ビューシリーズ」のラインアップを強化するとともに、遮熱塗料を外壁向けに展開することで需要拡大を目論む。

「ビューシリーズ」はアクリルからフッ素までを取り揃えた1液水性上塗り塗料製品の総称。微弾性フィラーと組み合わせた汎用性を特長としている。同社では更に販売拡大を図るため、弾性ニーズの対応を積極化。アクリル、ウレタンについては既に弾性タイプを揃えているが、シリコン、フッ素の高グレードタイプについても準備を進めている。シリコンについては完成しており発売を控えるのみ。フッ素に関しては「共通原色での対応など技術的な課題を残している」(担当者)と来年までには発売したいとしている。 その一方で新たな機能性製品として需要拡大に期待するのが外壁用遮熱塗料としての展開。同社では「エコクールシリーズ」として水性・溶剤形、各樹脂系と体系化した豊富なラインアップが強み。「屋根とは違い提案方法が難しい」としながらも、水性シリコン樹脂系の「エコクールアクアSi」を中心に販売展開を図っていくとしている。

有機無機ハイブリッドを投入 神東塗料

水性に特化した製品開発を行っている神東塗料。夏ごろをめどに有機無機のハイブリッド樹脂塗料を投入する計画を打ち出す。高付加価値化への展開を図るための一環として、新たな塗料系の開発を手掛けることで活路を拓く。 同社はこれまで外装分野では高グレードタイプのアクリルシリコン樹脂塗料に特化した市場展開を行ってきた。最近改修市場ではアクリル、ウレタンからシリコンの需要が高まっており、追い風傾向に映る。しかし「シリコン樹脂塗料は製品によってグレードの差があり、市場単価も下がっている。規格標準化の整備も遅れており、価格と性能の折り合いがつかない状況となっている」(担当者)と性能に見合った価値が維持できないことに懸念を示す。

その中で同社は、有機無機ハイブリッド塗料の投入を予定している。高耐候性、低汚染性、作業性を合わせ持ったこれまでにない新タイプの塗料として、高付加価値製品としての位置付けを確立していく考え。 現在同社が主力とするのは、1液水系低汚染形アクリルシリコン塗料「水性ハイテントップ」(耐候型1種)。表面張力を抑えたシリコン系樹脂及びUVブラインド機能をアクリル系ラテックスに付与させることで、溶剤形同等の塗膜性能を確保した。高耐候性、低汚染性、光沢感に優れた性能を発揮する。 また艶感を落とした仕上げニーズに対応するため、艶調整タイプの水性1液反応硬化形シリコン樹脂塗料「水性グランツSi」を上市した。

磁器タイル改修工法を開発 イサム塗料

イサム塗料は4月から磁器タイル壁面の改修工法「タイルガード」の本格販売を開始した。同システムはタイル壁面の汚れ、ひび割れ、漏水などの劣化に対し、防水性を有したクリヤーを塗布することで美装の回復、保護、低汚染機能に寄与する。同社では建物の資産価値向上につながる新工法として需要拡大に期待。マンション及び設計関係へのアプローチを強めている。 同システムは、無機系プライマーを下塗りに「タイルガード主材」「タイルガード上塗材」で構成する3層システム。タイル本来の意匠性を損なわない透明感とタイルの動きに追従する弾性を有したクリヤー塗料「タイルガード主材」の開発に成功したことがシステム投入の決め手となった。塗膜に柔軟性を持たせることで、ひび割れや漏水防止に寄与。また水及びガスの浸入を防ぐため、タイルの中性化防止にも効果がある。トップコートとなる「タイルガード上塗材」は、同社の主力製品である「ネオシリカ21C」の低汚染技術を応用。シリコンアクリル系樹脂を主成分とする同品は高い低汚染性を発揮し、かつ重厚感と高級感を与える。

都市部を中心に壁面にタイルを使用したマンションやビルが多く存在する。同社は剥落防止や漏水防止など建物の延命を可能にした新塗装システムとして需要拡大に期待する。 施工は同社のイサムエラストマー会の会員で研修を受けた塗装業者による責任施工体制で展開しているが、同システムの投入により、新規業者の加入も増えているという。

差別化できる塗料で直需獲得 アステックペイントジャパン

アステックペイントジャパン(本社・福岡県)の施工加盟店が全国で130社を超えた。いずれも脱下請けを指向し、戸建改修や工場・倉庫の遮熱塗装など、直需工事の獲得を高めている。 最大のポイントは「他社と差別化できる塗料を扱える点」(施工加盟店)。アステックペイントはオーストラリア・アステック社の開発によるもので、“ピュアアクリル”と呼ぶ独自開発の樹脂を採用。塗料化するために変性されたアクリル樹脂とは異なり、アクリルが本来持っている耐久・耐候性を極限まで引き出すとともに、可塑剤を一切用いずに660%に及ぶ超伸縮性を実現した。この超耐候、超防水性により建物を長期にわたって保護するのが最大の特長で「施主や建物管理者に対して非常に説得力があり、相見積もりになっても負けない」(同)と信頼が篤い。

特に工場や倉庫など法人を対象とした案件では、遮熱・高耐候に加え防水、防カビ、スレートアスベスト対策などプラスアルファの付加価値を提案できることが「他社との差別化となり価格に左右されない受注に結びついている」(同)。 また同社では、加盟店に対してのサポートも充実させている。ターゲットに合わせたアプローチからクロージングまでのプレゼンツールに加え、営業マン向けのスキルアップ研修、施工管理など技術者向けの研修を高い頻度で開催。加盟店の実績アップを最優先したサポートに力を注いでいる。 http://www.astec-japan.co.jp

高耐候性ニーズ強まる トウペ

トウペは外装塗り替え用として「トアアクセス21システム」を展開している。下塗りの微弾性フィラーと、ウレタンからふっ素まで各グレードを揃えた上塗りとの組み合わせでさまざまなニーズに対応した提案を行っている。 微弾性フィラー「トアアクセス21フィラー」は水系タイプで、モルタル・吹付材など各種旧塗膜・素地に対する付着性が優れている。また、下地のヘアクラックに追随し防水性を保つなど、「ユーザーからの評価は高く、クレームはほぼゼロ」(担当者)の自信作。 上塗り塗料は水性タイプ4種類(ポリウレタン樹脂系、シリコンアクリル樹脂系、ハルスハイブリッド樹脂系、ふっ素樹脂系)と弱溶剤タイプ3種類(ポリウレタン樹脂系、シリコン樹脂系、ふっ素樹脂系)をラインアップしており、超耐候性や耐汚染性などさまざまな特長を持っている。更に40色ある標準色が施主の要望に対応する。

改修市場では「寒冷地では作業性の面から弱溶剤系の使用が多い」(担当者)ものの、全体をみると水性塗料が主流となっており、その中でもシリコン樹脂系以上の高耐候性タイプの需要が伸びている傾向にある。 ハルスハイブリッド樹脂塗料「ハイウェザーDC」は1液形の高耐候性塗料で、シリコン樹脂系を上回り、フッ素樹脂系に迫る高耐候性を示す。また、塗膜表面が適度の親水性・親油性バランスを保つため低汚染機能を発揮する。 また、戸建住宅で増えているサイディングボードの塗り替えにはシーラーを下塗材として使用している。

独自機能で現場ニーズに対応 インターナショナルペイント

インターナショナルペイントは適材適所に応じたユニークな製品開発を得意とする。外装用塗料製品としては「IPキレイコート」「IP軟質塩ビコート」「IPヨウヘキコート」を主力に据える。 「IPキレイコート」はウレタン系、シリコン系を揃えた耐汚染型塗り替え専用塗料。外装汚れの原因となる雨ジミやコーキング処理の黒ズミ汚れを抑えるため、初期の耐汚染性を強化。樹脂と帯電防止剤の相乗効果により、塗膜表面のベタツキと静電気の発生を抑え、ホコリや汚染物質の付着を軽減させている。また耐可塑剤性に優れ、コーキング処理部からの可塑剤移行によるベタツキが発生せず、更に親水性塗膜を形成するため、複合機能で耐汚染性機能を高めている。

「IP軟質塩ビコートSi」は耐可塑剤型の塩ビ鋼板専用塗料として開発された水性1液アクリル・シリコンエマルション塗料。多量の可塑剤を含む塩ビ鋼板の塗装に対して強力な付着力を発揮し、かつベタツキや乾燥不良を解消した。 「IPヨウヘキコート」は昨年上市した新製品。コンクリートブロックや住宅基礎面、コンクリート生地仕上げ部などコンクリート用塗料として開発された。水系1液自己架橋型シリカ系エマルションを主成分とした同品は、石垣状に形成する塗膜構造により通気性を確保。フクレやハガレを防ぎ、コンクリートから溶出するカルシウムイオンと結合することで、強靭な塗膜と付着力を発揮する。

意匠性で差別化 旭硝子コートアンドレジン

旭硝子コートアンドレジンはフッ素樹脂塗料の専門メーカーとして機能、意匠での差別化に取り組んでいる。官、民需の大型物件が価格競争にさらされる中で、同社は質の追求に主眼を置き営業展開を進めている。 ここ数年、戸建住宅への展開に取り組んでおり「施工業者の質の追求が施主からの信頼に結びつく」ことから業者の意識改革に努める。「受注する工事業者が自ら採算ベースを考えて適正価格で受注できるようにならないと価格は上がらない」。そのための支援を粘り強く図っていく考えにある。

また近年、デザイナーズマンションなど資産価値の高い物件ではフッ素樹脂塗料が採用されるケースが増えてきている。メンテナンス周期の延長と信頼性から設計士がフッ素樹脂塗料を指定するようだ。「本当にいいものを使用する動きが高まってきた。これはフォローの風」とマーケットを分析する。 同社は意匠性での差別化としてパレ・つちを上市するとともに、フルマット仕上げの「ボンフロン・マットSR」を展開している。同品は従来の塗料になかった落ち着いた質感が表現できるというもの。 下塗りから上塗りまでオール水性1液型のため低公害、安全性、作業性に優れた水性フッ素樹脂塗料。「上市して1年半が過ぎるが小面積ではあるが戸建住宅での実績が多い。落ち着いた雰囲気が採用理由として高い」とコメントする。更にこの4月から弱溶剤タイプの「ボンフロン ライト」を投入するなど市場対応力を強めている。

責任施工体制の強化 菊水化学工業

菊水化学工業は品質管理と安全管理を前面に責任施工体制を強化していく方向だ。コンクリートの打ち放し工法「SA工法」、シート状天然砕石装飾材「モダンアート」、更に水系発泡耐火被覆材「ウェスタ」など施工を含めた差別化製品として取り組んでいく方針にある。「コンシューマーの満足度を高めるには施工品質管理が重要なポイント。材料を知り尽くしたメーカーが、施工塗膜を提供するのが時代の流れです。まさに品質保証はニーズとウォンツが一致した結果」とコメントする。 メーカーの責任施工として協力会社を組織しきちんとした教育のカリキュラムによる研修と実績を積み上げてきた。更に同社には無機素材で培った防水、乾式における下地と上塗り、更にはタイル資材があることからそのノウハウを活かし躯体の補修から手掛けられるのが強み。「セットで対応できる便利さが1つの売り」ともいう。

またそれにあわせ同社は1200kabe colorを軸に色彩戦略を展開していく方向だ。同kabe colorは専用色として長年培ってきた豊富な色相から使いやすさを追求するとともに、色を選ぶ楽しさを実感してもらえるよう厳選に厳選を重ねてカラーカードにしたもの。「一般的にマニアは流行りモノ好き。色の流行に対して使ってもらえるようなプレゼンテーションを進めていく。kabe colorをばらばらにしたカードのテイクホームカードや自由に切って使えるカッティングカードなども取り揃え、より使いやすさを前面に色彩提案を図っていく」意向を示す。

ぱうだあコート伸長 プロペクト

プロペクトが展開する「ぱうだあコート」は東京周辺エリアで施工実績を伸ばしている。昨年1年間の実績は10数万平米を超え、前年比2ケタの伸長。 この成長の理由として、リニューアル工事増大に伴って天井ボードの改修物件が増えていることがある。天井ボードの多くが岩綿吸音タイプ。これを従来のエマルションペイントで塗装すると吸音の穴を埋め消音効果を低下させるばかりでなく、仕上がったときにエマルション特有のテカリが出てしまう欠点が指摘されていた。 「ぱうだあコート」は施工後の吸収音性能を保持し、天井材の不燃・難燃性も損なわない。また重量が軽く、天井材に負荷をかけることなく、3-4回の吹付施工ができる。既塗装の上にも仕上げが可能で、ベースにカラーを入れたカラー仕上げの仕様を組むことができる。

また、エマルションに比べ臭気が低く、施工後の翌日には臭いが残らない。無機成分が主体で、化学物質によるシックハウスからフリー。仕上がりはきれいにリフレッシュされる。 作業性のメリットも大きい。1日で約1,000m2の施工が可能。省人化工法としても注目されている。 実績では著名物件も多く、伊藤忠テクノソリューション(12,000m2)、セルリアンタワーホテル(3,000m2)、新川崎三井ビル(7,000m2)などの他、学校や病院施設の実績が目立つ。 同社は全国展開を目指し、代理店の拡大、施工業者へのデモンストレーションを進めていく。

水性タイプの木材建物用防火塗料 玄々化学工業

玄々化学工業は木材や合板の防炎処理用途で需要が有望視されている表面塗布形水性防火塗料「ファイヤーディレーF4」を製品化、展開を進めている。 防炎のメカニズムは塗膜となった同品が燃焼する際に炭化を起こしその皮膜層(断熱層)が燃焼に必要な空気中の酸素を阻害するというもの。また塗膜が燃焼するタイミングで起きる脱水反応で水蒸気が発生し、燃焼時の発熱量を抑えることで基材を燃えにくくしている。5.5mmのベニヤ板に同品の原液100gを塗布した試料は日本防炎協会の防炎合板の規格に合格。また不燃材料としての国土交通大臣認定も取得。更にホルムアルデヒド放散等級はF☆☆☆☆であることから学校環境衛生基準にも適合。

「上市以来多くの引き合いを頂いており、一部では防災設備の認定になると勘違いしている方も見られる。0.5以下の間口部であれば防火設備になるが、極めて特定な場所に限られる。またファイヤーディレーF4の上塗りにユートンアクアのクリヤーを塗装することで屋外での使用も可能なことから用途範囲が広がる」とコメントする。 同品は1液水性タイプでF☆☆☆☆取得品。塩素・臭素などのハロゲン化合物を含まず安全性が極めて高い。また着色も可能なことからデザインの幅も広がり、上塗りとの組み合わせによって屋外仕様にもなるといった特長を有す。同社は機能塗膜として木質の屋内外を問わず適合範囲を広げていく意向。

製品ラインアップに厚み 水谷ペイント

水谷ペイントの上市するナノコンポジット樹脂塗料「ナノコンポジットW」が順調に需要を伸ばしている。発売2年目となった昨期は販売数量100トンを突破。今期は更に上積みを狙う。また同品の好調ぶりを受け、新製品を相次いで投入。外装塗料市場への展開を本格化させている。 「ナノコンポジットW」の好調さの要因は、超低汚染性並びに耐候性を保持した艶消しタイプであること。機能を持ち、かつマットな仕上がりを好む施主ニーズと合致したことで需要拡大に弾みがついた。また難燃性、速乾性、防カビ・防藻性と多機能性を備えていることで住宅外装向けだけではなく、官公庁施設やトンネルなど幅広い物件での採用に結びついている。

同品の上市により外装分野への展開に道筋がついたことで、昨年高耐候性低汚染型水性塗料「シエル」を上市。更に今年4月には弱溶剤1液シリコン変性樹脂塗料「デルニエX」の販売を開始し、製品ラインアップを充実させている。 「シエル」は弾性を有した水性1液タイプのアクリルシリコン樹脂エマルション塗料。独自開発のシリコン樹脂を配合し、サンシャインウエザオメーター3000時間で光沢保持率78%の耐候性を確保。また低汚染性を付与し、低汚染性タイプの弾性塗料として差別化を図っている。 「デルニエX」は屋根用塗料「デルニエ」の後継品。壁、鉄部、木部などにも適用を広げ、万能型塗料として塗り替え分野での需要拡大を見込む。

自然石調を忠実に再現 メーコー

メーコーは現在、各種仕上塗材の拡販プロジェクトを推進している。パテなど下地材専業メーカーの同社だが、そこで培った水性ブレンド技術、骨材など各種組成の配合技術を応用し、意匠的にユニークな仕上材を開発、市場への普及を図っている。 そのひとつとしてプッシュしているのが多彩模様外装仕上塗材「カラリアート」だ。同品は水性クリヤーと水性架橋ゲルからなる完全水性の多彩模様塗材。完全水系のため内・外装、新築・改修の如何にかかわらず使用でき、応用範囲が広い。 特長は自然石調のテイストを忠実に再現した点。クリヤーと架橋ゲルのバランスを追求することで、高級感あふれるナチュラルな意匠を実現した。住宅外装、店舗内装、マンションのエントランスまわりなど、建物に高級感を持たせたいとのニーズにマッチする。

この他、アクリルシリコンをバインダーにしているため、変色防止、低汚染性に優れるシーラー、カラリアート専用アンダーコートを含め完全水系の仕様を確立。RC、モルタル、サイディング、各種旧塗膜に高い密着性弾性に優れているため、改修物件に最適といった特長を有している。 更に、吹付はもちろんのこと、ローラー施工用をラインアップしたことで、自然石調塗材としての汎用性を高めた。「カラリアートのウリは石目がしっかりと見える自然石の再現性にある。意匠グレードをポイントに市場での認知を高めたい」(担当者)とし、活動に力が入っている。

フッ素を超える耐候性 ジャパンカーボライン

ジャパンカーボラインは建築及び防食分野でのトップコートとして、無機-有機ハイブリッド塗料「シロキサンエース」に力を入れている。キャッチフレーズは“ふっ素を上回る超耐候性”。スーパーUV(35-50時間で1年の暴露に相当)による促進耐候試験1,000時間で光沢保持率80%以上とフッ素塗料をしのぐ耐候性を実現している。 他社にないユニークな製品開発を指向する同社。シロキサンエースに関しても、他社類似品に比べ無機成分が極めてリッチという独自性がある。このため耐汚染性、耐薬品性に優れるといった無機由来の特長に加え、不燃材料に認定される堅牢な塗膜を形成する。一方、有機のハイブリッド化により、耐屈曲性を兼備。フッ素系に比べて3倍の耐クラック追随性があり、建物を長期にわたり保護する。

シロキサンエースは溶剤タイプと水性タイプの2種類を揃えている。現状、同社が得意とする防食分野、コンクリート構造物分野をターゲットに展開、「送電鉄塔での実績が出てきている他、プラント、橋梁などでもフッ素系に替わるグレードとして反応が良い」とし、建造物の長寿命化ニーズに適合するかたちで出荷を伸ばしている。 一方、建築分野でもブレイクする兆しを見せている。国内大手ディベロッパーが同品を標準スペック化し、出荷を伸ばしている。ここでは水性タイプが採用され、無機由来の堅牢な塗膜、防火及び水性の安全性、有機由来のクラック追随性などシロキサンエースの総合力が認められた格好だ。

ハイパーリキッドチタン ケーアイ
ケーアイは「ハイパーリキッドチタン」を展開、同品の特色であるバインダーを含まない光触媒酸化チタン水溶液という性能を生かし、ガラスの防汚コーティングの他、あらゆる素材に対しコーティングによる機能付与のメリットを追求している。 同品は水性タイプで、無臭で無害の透明な水溶液。特別なバインターとの組み合わせがなく、その分酸化チタン分子が基材へ固定化する。このため光触媒の反応率が格段に高い。更に常温乾燥が可能なため、耐熱性のない金属やプラスチック素材へのコーティングも可能という。 コーティングした後は水に溶解しない強固なフィルムを形成、酸化チタン自体は変化せずに光触媒の効果が持続する。

既にガラスコーティングは幅広い実績があるが、新たな用途を見込めることから、同社は各種のマニュアルを整備する。「効果について自信はあり、試験データも豊富にあるが、透明なコーティング材のために見えないという弱点がある。効果をストレートに見える形にするのがテーマ」(毛利那華雄社長)という。 その一環として石綿天井材用のコーティング「ぱうだあコート」とタイアップした複合工法を確立。機能仕上材プラス光触媒コーティングとしてPRしている。「こうした複合化などを通じてハイパーリキッドの性能をもっと広く認知してもらいたい」。 なお同品は佐賀県特許をベースにした製品。

UVシリーズ、生活実感へ 日本ペイント

商品コンセプトの明確化がポイント―。同社のUVシリーズは消費財と同じマーケティング発想が注入されているのが特色だ。 これまで建築用の商品コンセプトといえば施主側なのか施工側なのかあいまいなところが目立った。作業性の良さを訴える一方で施主の分かりやすさを追求するネーミング。しかしこれは現場で商品のブランドを見ている消費者にとってはアピールが弱い。 同社は生活者の感度に近い商品名と性能をコンセプトにした。それがUVシリーズ。今回上市されたのは「1液ファインシリコンセラUV」と「水性シリコンセラUV」。

あえてUVのフレーズを入れたのは「化粧品ではUVカットがお肌を守るとの感覚が定着しているため。建築の外装をフェイスにたとえる発想を前面に出した」と担当者。塗膜劣化の最大要因である紫外線に対するプロテクトはなじみやすいコンセプトといえる。塗膜についても紫外線に対する性能をグレードアップ。技術的な工夫をしている。 UVシリーズでは外装貼りタイルに向けたクリヤータイプを既に上市しており、今回の本格的な外装シリーズの投入で製品ラインが充実された。UVシリーズを市場に定着させていく。 同社の汎用戦略は塗膜ビジネスを指向する。「製品ではなく塗膜としての価値を最終の顧客に理解してもらうことが付加価値につながる。UVシリーズでダイレクトに指名されるまでにしたい」という。

微弾性フィーラーを超える 関西ペイント

関西ペイントは微弾性フィーラーで先鞭を付け、改修・塗り替えの下地を革命し、他社が追随することによって標準工法として市場に定着。しかし、厳しい施工単価の中で同工法からの脱却が求められ、利益を生む工法として開発したのが「アレス弾性ホールド工法」。 同工法の最大の特長は“微弾性”から“弾性”への性能アップ。微弾性タイプに比べ倍以上の弾性力を付与することに成功した。通常弾性力を向上させると汚染性が高くなる関係にあるが、同品は高弾性でありながら低汚染性を実現。更にシーラーレスの性能を保持した他、塗膜が伸びることによってクラック追随性に加え、微弾性フィーラーに比べトマリが良く上塗りの吸い込みが少なく、仕上がり性がアップ。 「アレス弾性ホールド工法」本命の上塗りとして開発されたのが「アレスアクアセラシリコン」。水性2液の高弾性・超低汚染タイプ。セラミック成分の複合化により塗膜を親水化、ここで導入されたのがマイクロカプセル技術。セラミック成分をマイクロカプセルで包むイメージ。

外装用では水性の性能アップが求められており、水性2液で超低汚染のニーズが強い。弾性ホールド工法との組み合わせで完全水性システムのグレードが高まった。 この他「アレスシリコンクラフト工法」「アレス水性ナノトップU」を上市。「製品で他社と差別化できるラインが揃った。今後カラーなどソフト面での優位性を市場に訴えていきたい」(担当者)とコメント。

機能のトータルシステム確立 日本特殊塗料

日本特殊塗料は機能性(スペシャリティ)特化を鮮明にする。建築用外装分野においても“遮熱”“防水”“断熱”の他“光触媒”といった機能性塗料のラインアップを強化、製品としては「パラサーモ外壁用」「水性パラサーモ」「NTダンネツコート」を既に上市している。 屋根用でスタートした遮熱タイプ「パラサーモ」が外壁用に拡大展開。屋根用での実績とパラサーモブランド力を更に引き出す展開。しかし、外壁での遮熱については市場認知はまだ低く、新たなプロモーションが求められる。「屋根の場合はシミュレーションによる検証に加え、実証的なデーターが厚くなっているのに対し、外壁についてはこれから」と担当者は話す。

このため同社はトータルシステムとしての遮熱工法の認知に注力。屋根から始まって屋上・バルコニー、外壁、床面までをカバーできる工法を確立。遮熱トータルシステムとしての相乗効果をアピールしていく方向にある。 また、トータルの中に断熱、防水などの機能を複合化させる。屋根であれば防水、外壁については断熱といった複合化で他社との差別化を強める。 機能複合化に伴って、同社が独自開発したアタッシュケースに入るデモンストレーションキットの活用を予定。従来までの遮熱機能のみから、複合機能をその場で顧客に体感してもらうスタイルを更にバージョンアップ。セールスの在り方も五感に訴えるツールを中心に市場開拓していく方針。キットは6月には完成する見込み。

独走する市場対応パワー エスケー化研

エスケー化研の独走体制がより鮮明になってきた。営業力と製品力とのバランスが他社を引き離す要因となっており、建築外装市場では40%近いシェアを確保。次の目標は50%クリアにある。 商品力の面で見ても業界初となる水性2液の超低汚染タイプの上市など、先行性を強めている。同時に「セラミタイトシリーズ」に象徴される超低汚染ブランドとしての市場評価が定着。他社を寄せつけないパワーがある。 しかし、その一方でラインアップの強力な継続性がある。水性から弱溶剤タイプのバージョンはいずれもウレタン系、シリコン系、フッ素系までを揃えスキがない。 商品力に加え、ち密なセールス対応力がある。中小規模の塗装業者にまで顔を出すセールス活動ができるのは同社しかない。しかもクライアントの要望への対応が速い。塗り板への対応スピードは業界トップ。そればかりではなく工事情報を入手してからのスピーディーな動きで他社を圧倒する。

同社が次のステージに向け強化しているのは外装における機能とデザイン性。改修・塗り替えをリフォームの世界からリノベーションの世界にグレードアップする戦略。新築並みのリフォームではなく、新築を上回るグレードにするリノベーション。こうした付加価値戦略でも動きが速い。 「外装市場は戸建てによく現れているように生活者主導の方向が強まっている。これからは生活視点を重視した展開をしていく」(担当者)

抗菌・防カビ性能を実証 ジーアンドアイ

「ナノベールMS」(商品名)の展開が加速している。抗菌・防カビコーティングの市場を塗り替えるほどのパワーで市場に浸透しつつある。 これまで抗菌・防カビの主流となっていた銀系コーティング剤ではなく、同品はナノレベルのセラミック超微粒子をバインダーとし、これに歯科で使われている安全性の高い抗菌薬剤を組み込んでいる。薬剤そのものは歯科薬剤ではトップランクの昭和薬品化工が開発。主成分はチタニア化成物。 既に多くの実績で同品の抗菌・防カビ性を実証。そのレベルは薄膜でありながら膜の高い耐久性があり、膜がある限り抗菌・防カビ効果が長期にわたり持続する。ケースによって5年保証を出す場合もあるが、「10年以上の効果も見込める」(担当者)という。

昨年から本格的な市場開発に乗り出した同社は、まず全国に主要代理店を形成。代理店とタイアップして施工店の研修を実施。更に名古屋市内にラボ(研究開発所)を新設し、技術サービスの強化を図った。 現在、ホテル、病院、食品工場などをターゲットに展開。物件対応を幅広くしていく方針。戸建住宅、集合住宅についても開拓していく方針。 また一方で建材などライン対応も進めていく。各種部材の抗菌・防カビスペックを確立していく。 「市場認知が広がりつつある。信頼性の強化がポイント。このため技術的バックアップ体制を一層レベルアップしていきたい」(担当者)と代理店支援を強める。

処方コスト削減、性能向上を実現 ローム・アンド・ハース・ジャパン

ローム・アンド・ハース・ジャパンは次世代アクリルエマルション「AVANSE(アバンセ)」の国内展開に注力している。c 独自のモノマー技術及びアクリルバインダーの製造技術を飛躍的に進歩させることで、塗料原料間の相互作用を効率良く活用でき、塗料性能の向上と処方コスト削減の両立を実現した。 エマルション粒子の粒径をナノレベルで制御(110μm-130μm)するとともにナノ領域における無機物への親和性を高めることに成功した。つまり、エマルション粒子が酸化チタンに吸着するような格好で、より均一に分散させることを可能にした。均一な分散により、塗料の隠ぺい性、耐摩耗性、酸化チタンの発色性が向上するだけでなく、優れた汚れ除去性や各種バリアー性(耐エフロレッセンス性、防錆性など)も同時に付与する。

また同品は塗料性能だけでなく、環境に対してもメリットをもたらす。塗料処方中のエマルションそのものの添加量を減らすだけでなく、高価な酸化チタンの使用量も低減することが可能になり、コスト面でもメリットは高い。更に隠ぺい性を確保するために必要な膜厚が低減され、塗料の寿命も延びるため環境への負荷を低減することにもつながる。 日本市場向けには外装用の「Exp-3826」を始め、ツヤ消し・ゼロVOCタイプ設計を可能にする「Exp-412」、防錆塗料用の「Exp-3978」の3製品をサンプル出荷している。

外装の高級感にリセラリフォーム 玉川窯業

玉川窯業は外壁塗装の上に直接施工できる超軽量外壁タイルを用いた「リセラリフォーム」を展開している。 自社開発の軽量タイルは重さが1枚125~130g、比重が0.85と水に浮く軽さだ。また1,250℃で焼成させたセラミックスレンガ調のため非常に耐久性能に優れるといった特長を有す。更に「スレート鋸で簡単にカットできるので現場において加工できる手軽さも従来のタイルとは異なる」とこれまでのタイルのイメージを凌駕する素材だ。

接着剤は変成シリコーン系1液弾性接着剤をメーカーと共同開発、厚さ2を塗布することで強固な接着層が形成され、剥落などの心配はない。ここ数年の間に2万棟の実績を有し、戸建住宅の玄関、窓枠、コーナー部などのデザイン的なワンポイントとして採用されている。同社は塗装との絡みで付加価値提案ができることから塗料流通を生かした展開を図っていく意向だ。 また同社はタイル施工の大規模修繕用に対応した少量改修タイルの受注生産をスタートさせた。 タイル仕上げの建物が多い中で、改修工事の際に割れや浮きからタイルの交換を求められるが、少量のため改修しにくいケースが起きている。 同社では自社の生産システムを活用しこれらのニーズに対応した少量改修タイルの受注生産を開始した。受注から納品までの流れは、改修するタイルの現品を同社まで送る→色合わせをしたテストサンプル品を提出→色合わせ見本を確認し発注。納期は色合わせなどから30日程度。

低飛散ガンで吹付塗装の復権図る 日本ワグナー

日本ワグナー・スプレーテックは低飛散タイプのスプレーガンの開発を強化することで、吹付塗装での巻き返しを狙っている。 一昨年、昨年とアスベスト工事の増大によりスプレーガン需要が高まったものの現在は一段落。全体的には近隣周辺への配慮からスプレーガン需要は減少傾向にある。その中で同社担当者は「平滑性、作業効率では他の塗装法に比べて圧倒的に優れている」と、最大の欠点である飛散対策を施すことで需要増加につながるとの狙いがある。 現在、同社の主力となる低飛散スプレーガンは「エアコートガン GM 3000AC」。ノズルチップで霧化したエアレス塗料霧を包み込むようにして、空気(エアーカーテン)を流すエアーコート方式を採用。エアーカーテンがスプレーパターンから飛散する塗料や被塗物に当たって跳ね返るオーバースプレーを減少させる。75%と高い塗着効率を誇る。

その他の特長として、目詰まりの解除ができるリバーシブルノズル、一時中断時の安全ロック機能を付与。また吹付面の形状に合わせた塗装を可能にした同社独自のパターン調整機能も付与した。最大使用圧力は15MPa、最大エアーコート圧力は0.8MPa。光触媒塗装の推奨ガンとして採用されている他、自補修分野でも実績を有する。また吐出量が抑えられるためメタリック調仕上げにも適している。 セットとなるエアレスは電動ダイアフラム式エアレス・フィニッシュシリーズの「MC350」。

“縁切り”の提示で受注をアップ セイム

セイム(茨城県守谷市)が開発、製造、販売している屋根塗装時の縁切り部材「タスペーサー」が、戸建改修の分野で飛躍的に出荷を伸ばしている。“縁切り”という工程にあえてスポットを当て、確実に行える方法を提示することで、施主の信頼度が高まり受注率を高めるとして塗装店などでの利用が高まっているためだ。 同品はコロニアルなど平板屋根の塗装時に用いる、ポリカ製厚さ1.7、40角大の縁切り専用の部材。シーラー塗布後に同品を屋根の重なり部に挿入することで1.7の隙間が確保され、雨水などを排出するための縁切りが簡単かつ確実に行える。

コロニアルの塗装時には内部に侵入する雨水を逃すため、屋根材の重なり部を覆った塗膜をカットする縁切り作業が必要。通常はカッターや皮スキを使って行われるが、一旦仕上がった後の作業となるため、汚れや破損、危険性などが伴う上、足場費や人件費もかかる難儀な付帯作業であった。 タスペーサーはシーラー塗布後に屋根材の重なり部に挿入するだけ。その後上塗りを行っても、同品の厚み(1.7mm)分の隙間が確保され、自動的に縁切りが行える。作業自体は30坪ほどの住宅で、1人で1時間もあれば終了する簡単作業。戻り作業が必要なく、縁切りのための人件費、足場の延長に伴うコストをセーブできる。 加えて、縁切りの必要性と確実な対応手法を提示することで、施主の信頼獲得に貢献。戸建改修の必須アイテムとなっている。

高グレード塗料向けにツール充実 好川産業

塗料の樹脂及び硬化系の技術開発が進歩し、獣毛刷毛から化繊刷毛のニーズが高まっている。好川産業は反応硬化形塗料向けに化繊刷毛及びローラーの販売展開を強化している。各メーカーの塗料製品との適性情報も販売拡大の武器となっている。 刷毛製品として主力に据えるのは、「名水シリーズ」「GPフレッシュ」。「名水シリーズ」は弾力性と復元性を重点に開発された最高級刷毛。独自の毛組みと断面の違う2種類のポリエステル樹脂繊維を組み合わせ、従来にはない塗料の含みと吐き出し性能を実現した。「GPフレッシュ」は弾力と仕上がりに重点を置いた。人気化繊刷毛「かみかぜ」と同様の毛質を採用しつつ、コストパフォーマンスにも優れる。塗り圧の微妙な感触が伝わる職人好みの仕様となっている。また姉妹品として「エコ・ダメ込み用刷毛」も揃える。

一方、ローラーでは「ハイブリッド」「優雅」などが主力。「ハイブリッド」は中毛13の万能用マルチローラーで反応硬化型から水性、強溶剤系まで幅広く対応する。特殊加工を施したポリエステル長繊維(マルチフィラメント)が泡の発生と脱毛を抑え、塗料含みと吐き出し性に優れる。「優雅」は短毛4で、滑らかでキメの細かい仕上がりを実現する。 その他、このほど東京ヨシカワとともに水性反応硬化形塗料の洗浄液剤「ハケクリン」を発売した。非溶剤形の刷毛洗い専用液で、固まり具合や塗料の種類によっては硬化が進んだ刷毛を復元する特長を持つ。

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